
昔、名蔵の川の側で、娘が立っておるので、「どこに行くのう。」でぃ。「あ、新川に行く人だよ。」言うて、「私も新川の人だよ。」って。「そうかい。女だから可哀相(かわいそ)。僕おんぶするから。」とその女をおんぶして川を渡ったらしいよ。おんぶして川を渡っている時にな、熱くなって、腰の中あんな汗かちでもう我慢しながら渡って、そうて下ろしたらしい。もう新川村、行きながら、「私は本当の人間じゃないよ。火の神ですよ。天から下りてきて、この川わたれないでいたんですよ。」「そうか。して、何しに、何というところに行くか。」「あの家は、こうじなさんと、なすために降りてきたんですよう。」言うたので、「あっ、私の家は、その隣にあるんだよ。大変なことしてるね。」って。「ああそうか。あんた恩義があるから、あんなに火を付けたらもうあんたの家もみな焼いてしまったら大変だね。したら、あなた家の前に小さい小屋を作って、この家とあんたの家の代わりに、この小さいかねを、家を焼きなさい。それに火を付けたら、この火の煙で、私は、天に昇るから、あんたらは部落のタニツジよ、ピザマドディ広めなさい。」と言って、あの家はもう焼かれんで残ったという話がある。これはもう新川の話でピダの神様のピードマオイドゥシの由来よ。この家がヤーマーヤだから、「ヤーマーヤだっ」ていうふうに言って、杵でこの臼
を叩くと火事にならないって言うよ。
| レコード番号 | 47O150363 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C022 |
| 決定題名 | 火の神報恩(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 夜烏の教え |
| 話者名 | 下野阿良賀 |
| 話者名かな | しものあらか |
| 生年月日 | 19050823 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19940824 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜 T100 A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話 P90 |
| キーワード | 名蔵,川,娘,新川,おんぶ,火の神,天,恩義,小屋,タニツジ,ピザマドディ,ピダの神様,ピードマオイドゥシ,ヤーマーヤ,杵,臼,火事 |
| 梗概(こうがい) | 昔、名蔵の川の側で、娘が立っておるので、「どこに行くのう。」でぃ。「あ、新川に行く人だよ。」言うて、「私も新川の人だよ。」って。「そうかい。女だから可哀相(かわいそ)。僕おんぶするから。」とその女をおんぶして川を渡ったらしいよ。おんぶして川を渡っている時にな、熱くなって、腰の中あんな汗かちでもう我慢しながら渡って、そうて下ろしたらしい。もう新川村、行きながら、「私は本当の人間じゃないよ。火の神ですよ。天から下りてきて、この川わたれないでいたんですよ。」「そうか。して、何しに、何というところに行くか。」「あの家は、こうじなさんと、なすために降りてきたんですよう。」言うたので、「あっ、私の家は、その隣にあるんだよ。大変なことしてるね。」って。「ああそうか。あんた恩義があるから、あんなに火を付けたらもうあんたの家もみな焼いてしまったら大変だね。したら、あなた家の前に小さい小屋を作って、この家とあんたの家の代わりに、この小さいかねを、家を焼きなさい。それに火を付けたら、この火の煙で、私は、天に昇るから、あんたらは部落のタニツジよ、ピザマドディ広めなさい。」と言って、あの家はもう焼かれんで残ったという話がある。これはもう新川の話でピダの神様のピードマオイドゥシの由来よ。この家がヤーマーヤだから、「ヤーマーヤだっ」ていうふうに言って、杵でこの臼 を叩くと火事にならないって言うよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:53 |
| 物語の時間数 | 2:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |