
この話は、屏風山(ぺーふ やま)というところの話ですよ。昔、だいたいもう、王様の命令だからな、山に住んでいる人たちがよ、大雨降るときに、馬の鞍の材料取りに、あの屏風山に入って、あっちこっち行ったら、ハブがよ、「人(ひとぅ)が来て人に見られた。」と、泣いたらしいよ。「なんで泣いているか。」「今日は、天に登るときだったけど、あなたに見られたからな、もう天に昇れなくなって、残念して、泣いてる。」と言うから、「ああ、そうかい。」と言ったら、「いや、もう私は、天に登るから、頼むから、
人にはね、ああゆうことがあったとね、話してくれるなよ。そうしたら、あんたが人に言わなかったら、あなたの望みは、私が助けてやるから、私の思う通りにやってくれるか。」と言うから、「ああ、そんじゃ、一言も言わない。」と言って、返事したら、もうそうするとこのハブは、雨降りの中を雲の塊になって、天に昇ったたらしい。そうして、この人は、もうこの事を人には、一度も言われんさあ。そしたら、この人は、農家だから、翌歳からもう、この人の作るものが、もうどの人のよりも、良く出来たそうですよ。田んぼ並べておいてよう、自分の田んぼは、良く出来て、お米が多く出来て、毎年豊作する。芋作っても豊作、米作っても豊作、それで、桃里(とうぜつ)村の一番の金持ちになったらしいなあ。一番になって、それで、隣の人がもうめずらしくするさ、「もうどうして、あんなに同じところに作っておるのに、どうして、あんなに出来るかねえ。」とあんな事言われんさあ。
よっとも、もうこんなに金持ちなってるでしょう。それで、ある年数が来たのでな、ハブが言うなと言うのに言ったのに、「まず、子どもに言うてやろう。」とまあ、こういうことになったことは、妻子に一言いっていったらしい。ゆうたらすぐ、その夜はもう大雨降って、自分の後ろに、珍しい音があったらしいよ。「どうして、あんな音あるか。」と言って、行ってみたら、龍が落ちてよ、倒れて死んでおったと。その翌年から、その家はもう病人がでるし、死んだ人がでるし、作り物はもう不出来になって、とうとうこの一家は潰れたらしい。そして、この人の家をですね、アングンヤと名付けたらしいよ。アングンヤよ。こっちの八重山の言葉ではね、あんがぬどぅらじぃ、言うなよって意味さ。
| レコード番号 | 47O150361 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C022 |
| 決定題名 | 千年蛇(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 下野阿良賀 |
| 話者名かな | しものあらか |
| 生年月日 | 19050823 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19940824 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜 T100 A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話 P88 |
| キーワード | 屏風山,王様,命令,大雨,馬の鞍,ハブ,天,望み,豊作,桃里村,金持ち,龍,病人,アングンヤ,八重山,あんがぬどぅらじぃ |
| 梗概(こうがい) | この話は、屏風山(ぺーふ やま)というところの話ですよ。昔、だいたいもう、王様の命令だからな、山に住んでいる人たちがよ、大雨降るときに、馬の鞍の材料取りに、あの屏風山に入って、あっちこっち行ったら、ハブがよ、「人(ひとぅ)が来て人に見られた。」と、泣いたらしいよ。「なんで泣いているか。」「今日は、天に登るときだったけど、あなたに見られたからな、もう天に昇れなくなって、残念して、泣いてる。」と言うから、「ああ、そうかい。」と言ったら、「いや、もう私は、天に登るから、頼むから、 人にはね、ああゆうことがあったとね、話してくれるなよ。そうしたら、あんたが人に言わなかったら、あなたの望みは、私が助けてやるから、私の思う通りにやってくれるか。」と言うから、「ああ、そんじゃ、一言も言わない。」と言って、返事したら、もうそうするとこのハブは、雨降りの中を雲の塊になって、天に昇ったたらしい。そうして、この人は、もうこの事を人には、一度も言われんさあ。そしたら、この人は、農家だから、翌歳からもう、この人の作るものが、もうどの人のよりも、良く出来たそうですよ。田んぼ並べておいてよう、自分の田んぼは、良く出来て、お米が多く出来て、毎年豊作する。芋作っても豊作、米作っても豊作、それで、桃里(とうぜつ)村の一番の金持ちになったらしいなあ。一番になって、それで、隣の人がもうめずらしくするさ、「もうどうして、あんなに同じところに作っておるのに、どうして、あんなに出来るかねえ。」とあんな事言われんさあ。 よっとも、もうこんなに金持ちなってるでしょう。それで、ある年数が来たのでな、ハブが言うなと言うのに言ったのに、「まず、子どもに言うてやろう。」とまあ、こういうことになったことは、妻子に一言いっていったらしい。ゆうたらすぐ、その夜はもう大雨降って、自分の後ろに、珍しい音があったらしいよ。「どうして、あんな音あるか。」と言って、行ってみたら、龍が落ちてよ、倒れて死んでおったと。その翌年から、その家はもう病人がでるし、死んだ人がでるし、作り物はもう不出来になって、とうとうこの一家は潰れたらしい。そして、この人の家をですね、アングンヤと名付けたらしいよ。アングンヤよ。こっちの八重山の言葉ではね、あんがぬどぅらじぃ、言うなよって意味さ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:42 |
| 物語の時間数 | 4:18 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |