
ぺーフ山のこのあれはね、そこはね、私の牧場よ。あの山ね、若い頃よ、五十町も町から借りてね、個人一人で牧場にしたぺーフ山ですよ。あれはね、この、今はね、砕石場になってよ、このコンクリートの家のよ、〔聞き取り不能〕工場になってね、一つもね、もう、そこの石までもね、全部掘り出して、この、〔聞き取り不能〕あれの、由来はですね、昔、桃里にですね、アングン屋というお家がありまして、そこの男がですね、首里の王様からね、桑の木がですね、この、馬の鞍を作るんだから、この、馬の鞍の材料をよ、取ってくれと言うことが、命令があったので、アングン屋の人はですね、ぺーフ山のこの桑の木の、こう捜しに入ったところが、そこに、こう、大きなハブがですね、上ったり下りたり、しておるのを見てですね、驚いて、これは、もう、食われては大変と言うことで、おったところが、ハブが化けて、このアングン屋の人に、「私は今ね、この天に昇ろうとしているところを、あなたに見つかってね、天には昇れない。私は本当に、大変な迷惑だ。もうあなたは、私の罰被ってね、大変なことになるでしょう。」と言ってよ、アングン屋の人に話したところが、「本当にすみません。こんなに、変化するところに来て、あなたに迷惑をかけてね、本当にすみません。どうにか許してください。」と言うことで、「それじゃあ、いいかい。あなたよ、今日よ、私が天に昇って、この、ここによ、アカマタがおるという事をね、誰にも、妻にも子にも誰にも話さんでね。極秘でよ、守ってくれるか。」と言ったら、「はい。」って。「それじゃあね、〔聞き取り不能〕。」「そういう事であればですね、絶対私は、〔聞き取り不能〕、口から出しませんから、お許しをください。」と言ってよ、あれしたら、「ああ、それじゃあ、ありがとよ。」と言ってよ、もう、家に帰ってね、してもう、妻にも言わない。誰にも、友達にも言わんで、生活しておるうちによ、あのアングン屋の、女房方から、作物作るがよ、もの凄くもう、豊作でよ、あの家(うち)だけは旱魃してもね、見事に、もう、豊作でよ、あったのだが、あちらの部落民がね、不思議だ、このアングン屋だけはね、何でこんなに豊作でよ、何でこんなに取れるかねという事でよ、「あなたの、何かあったの。私のなんかいくら作ってもあなたの後は追えない。あなたは本当に幸運だ。何か秘訣があるの。」と言って、この友達が話したので、「話さんでおくれよ、実はね、私はね、誰にも言うなと言われたんだがよ、あなたとこんなに、〔聞き取り不能〕の交わりでね、あなたの言うことを聞かんでもおれんしね、話しましょう。」と言うことで、実は私は馬の鞍をね、取りに行ったところが、この、大きなハブがね、天に昇るというところにね、私は出会って、これはもう、〔聞き取り不能〕天にも昇れないということでよ、こういったところが、「許してくれ。」と言ったので、「それではあなた、家へ帰っても、誰にも、こっちに私がいると言うことを話してくれるな。と言ったので、今日までね、妻にも子にも、誰にも話したことがないんだがよ、あなた一人に話すからよ、あなた別の人に話さんでね。〔聞き取り不能〕やってくれよ。」という事でね、やったところが、さあ、あの人に、友達に言うただけでね、あの日はね、大変な災難に遭ってよ、もう、作物を作っても駄目。牛馬も全部死んで、家族もみんな、もう、倒産してしまってね、それで、極秘を漏らしたためによ、この、アングン屋は、もう、全滅した。もう、桃里と言う部落にもね、お話になっております。この桃里村はよ、お互いね、サンニン草とかよ、あれは、何があったか、風水(フンシー)と言ってよ、あれなんかもね、〔聞き取り不能〕なんかの人もおりますがね、この風水と言うね、桃里村はよ、全滅してね、この、昔マラリア、あれとか、敗戦でよ、もう、全滅しておったところなんか見るとね、桃里部落はね、風水の悪い所みたいね。部落があってね、こんなになったという、それでよ、今の大里部落はね、沖縄から、終戦後なんかで、移民が、大宜味村なんかで、いますがね、この、桃里部落はよ、私が今申し上げましたように、このぺーフ山のよ、あれの件でよ、また、桃里部落の跡もありますがね、この、風水が悪いという事で、もう別のよ、〔聞き取り不能〕今の大里村はよ、おお、たっております。昔の桃里部落の跡はね、人一人おりません。・・五十町‥‥町は尺貫法で田畑・山林の面積の単位。五十町は五〇〇反で約五千アール。・・アングン屋‥‥方言で「言わない」はアンガヌ、「言う」はアングンである。アンガヌと約束したのに、つい秘密を言ってしまったので、アングン屋と言われたのだろう。・首里の王様‥‥琉球王のこと。・サンニン草‥‥月桃
| レコード番号 | 47O330337 |
|---|---|
| CD番号 | 47O33C027 |
| 決定題名 | 千年蛇(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮良松 |
| 話者名かな | みやらまつ |
| 生年月日 | 19031019 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 白保 |
| 記録日 | 19970309 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T132 白保 B-05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 聴く語る創る第10号特集石垣島の民話 沖縄伝承話資料センター編 日本民話の会・発行発売P144 |
| キーワード | ペーフ山,ハブ,アングヤー |
| 梗概(こうがい) | ぺーフ山のこのあれはね、そこはね、私の牧場よ。あの山ね、若い頃よ、五十町も町から借りてね、個人一人で牧場にしたぺーフ山ですよ。あれはね、この、今はね、砕石場になってよ、このコンクリートの家のよ、〔聞き取り不能〕工場になってね、一つもね、もう、そこの石までもね、全部掘り出して、この、〔聞き取り不能〕あれの、由来はですね、昔、桃里にですね、アングン屋というお家がありまして、そこの男がですね、首里の王様からね、桑の木がですね、この、馬の鞍を作るんだから、この、馬の鞍の材料をよ、取ってくれと言うことが、命令があったので、アングン屋の人はですね、ぺーフ山のこの桑の木の、こう捜しに入ったところが、そこに、こう、大きなハブがですね、上ったり下りたり、しておるのを見てですね、驚いて、これは、もう、食われては大変と言うことで、おったところが、ハブが化けて、このアングン屋の人に、「私は今ね、この天に昇ろうとしているところを、あなたに見つかってね、天には昇れない。私は本当に、大変な迷惑だ。もうあなたは、私の罰被ってね、大変なことになるでしょう。」と言ってよ、アングン屋の人に話したところが、「本当にすみません。こんなに、変化するところに来て、あなたに迷惑をかけてね、本当にすみません。どうにか許してください。」と言うことで、「それじゃあ、いいかい。あなたよ、今日よ、私が天に昇って、この、ここによ、アカマタがおるという事をね、誰にも、妻にも子にも誰にも話さんでね。極秘でよ、守ってくれるか。」と言ったら、「はい。」って。「それじゃあね、〔聞き取り不能〕。」「そういう事であればですね、絶対私は、〔聞き取り不能〕、口から出しませんから、お許しをください。」と言ってよ、あれしたら、「ああ、それじゃあ、ありがとよ。」と言ってよ、もう、家に帰ってね、してもう、妻にも言わない。誰にも、友達にも言わんで、生活しておるうちによ、あのアングン屋の、女房方から、作物作るがよ、もの凄くもう、豊作でよ、あの家(うち)だけは旱魃してもね、見事に、もう、豊作でよ、あったのだが、あちらの部落民がね、不思議だ、このアングン屋だけはね、何でこんなに豊作でよ、何でこんなに取れるかねという事でよ、「あなたの、何かあったの。私のなんかいくら作ってもあなたの後は追えない。あなたは本当に幸運だ。何か秘訣があるの。」と言って、この友達が話したので、「話さんでおくれよ、実はね、私はね、誰にも言うなと言われたんだがよ、あなたとこんなに、〔聞き取り不能〕の交わりでね、あなたの言うことを聞かんでもおれんしね、話しましょう。」と言うことで、実は私は馬の鞍をね、取りに行ったところが、この、大きなハブがね、天に昇るというところにね、私は出会って、これはもう、〔聞き取り不能〕天にも昇れないということでよ、こういったところが、「許してくれ。」と言ったので、「それではあなた、家へ帰っても、誰にも、こっちに私がいると言うことを話してくれるな。と言ったので、今日までね、妻にも子にも、誰にも話したことがないんだがよ、あなた一人に話すからよ、あなた別の人に話さんでね。〔聞き取り不能〕やってくれよ。」という事でね、やったところが、さあ、あの人に、友達に言うただけでね、あの日はね、大変な災難に遭ってよ、もう、作物を作っても駄目。牛馬も全部死んで、家族もみんな、もう、倒産してしまってね、それで、極秘を漏らしたためによ、この、アングン屋は、もう、全滅した。もう、桃里と言う部落にもね、お話になっております。この桃里村はよ、お互いね、サンニン草とかよ、あれは、何があったか、風水(フンシー)と言ってよ、あれなんかもね、〔聞き取り不能〕なんかの人もおりますがね、この風水と言うね、桃里村はよ、全滅してね、この、昔マラリア、あれとか、敗戦でよ、もう、全滅しておったところなんか見るとね、桃里部落はね、風水の悪い所みたいね。部落があってね、こんなになったという、それでよ、今の大里部落はね、沖縄から、終戦後なんかで、移民が、大宜味村なんかで、いますがね、この、桃里部落はよ、私が今申し上げましたように、このぺーフ山のよ、あれの件でよ、また、桃里部落の跡もありますがね、この、風水が悪いという事で、もう別のよ、〔聞き取り不能〕今の大里村はよ、おお、たっております。昔の桃里部落の跡はね、人一人おりません。・・五十町‥‥町は尺貫法で田畑・山林の面積の単位。五十町は五〇〇反で約五千アール。・・アングン屋‥‥方言で「言わない」はアンガヌ、「言う」はアングンである。アンガヌと約束したのに、つい秘密を言ってしまったので、アングン屋と言われたのだろう。・首里の王様‥‥琉球王のこと。・サンニン草‥‥月桃 |
| 全体の記録時間数 | 7:47 |
| 物語の時間数 | 7:00 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |