鬼屋(共通語)

概要

昔、兄(ビギル)と妹(ブナル)が住んでいて、兄はここの海岸にある鬼(うん)ぬ屋石というところで暮らすようになった。それから兄の様子がおかしくなった。「これ人間でない。」と言う人もいるので、妹は兄のことが心配になって、ある婆ちゃんに聞いたらね、「それでは、小豆を炊いて十五夜の餅を作って、あの餅に石ころを転がして入れたのをあげてごらん。もし鬼になっとったらそれを食べるよ。」と婆ちゃんが教えた。妹はね、婆さんが言われたようにこの餅を兄に食べさしたら、兄はバリバリと石も噛んでしっまたということですよ。それで、妹は大変びっくりしてね、「こっちにおれば自分は殺される。」と言って逃げようとしても、なかなか兄は妹を逃がさないらしいですね。そういうことで女の勘といいましょうか、昔ね、こっちの人は、苧麻(ちょま)で苧(ぶー)を紡いで着物を織るんですね。だから、その長い糸が箱に入れてあるから、「この糸を自分に刺しておきなさい。そうしたら逃げられないだろう。」と兄を説得してその糸を自分に刺したら、兄は妹を殺そうと刀を研いでいたらしいですね。その間に妹が逃げたと。そしたら、歩くたびに長い糸はどんどん伸びていくしょう。だから兄は逃げて行ったのが分からないわけさね。妹は逃げて真栄里の前に安居御願(あんぐんうがん)のお宮にたどり着いたら、向こうに大きな梯梧の木があって、それが枯れていて偶然にその人が逃げて来たらね、梯梧の片一方が扉みたいに開いたと。開いていたからその中に妹が隠れたら、自然にまた梯梧は開いた所は閉まった。兄は妹がいなくなったのに気がついて、苧麻(ちょま)の苧(ぶー)を頼りに追っかけて来たらその糸が梯梧の中に入っとる。その木は閉まったもんだから開けるにも開けれない。だから、兄はもう一回斧を持って来(き)ようと、家に斧取りに帰ったらその間に妹は逃げ去った。その鬼になった兄か住んだ所を鬼屋石と言ってね、この真栄里の前の浜辺近くにあります。

再生時間:3:43

民話詳細DATA

レコード番号 47O341284
CD番号 47O34C099
決定題名 鬼屋(共通語)
話者がつけた題名 鬼(うん)ぬ屋石
話者名 大盛文雄
話者名かな おおもりふみお
生年月日 19180413
性別
出身地 沖縄県石垣市字真栄里
記録日 19970912
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市真栄里 T78 A07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 八重山諸島民話集 P121 石垣島の民話 P157
キーワード 兄,ビギル,妹,ブナル,鬼ぬ屋石,十五夜の餅,鬼,苧麻,苧,刀,逃げた,真栄里,安居御願,梯梧の木,扉,隠れた
梗概(こうがい) 昔、兄(ビギル)と妹(ブナル)が住んでいて、兄はここの海岸にある鬼(うん)ぬ屋石というところで暮らすようになった。それから兄の様子がおかしくなった。「これ人間でない。」と言う人もいるので、妹は兄のことが心配になって、ある婆ちゃんに聞いたらね、「それでは、小豆を炊いて十五夜の餅を作って、あの餅に石ころを転がして入れたのをあげてごらん。もし鬼になっとったらそれを食べるよ。」と婆ちゃんが教えた。妹はね、婆さんが言われたようにこの餅を兄に食べさしたら、兄はバリバリと石も噛んでしっまたということですよ。それで、妹は大変びっくりしてね、「こっちにおれば自分は殺される。」と言って逃げようとしても、なかなか兄は妹を逃がさないらしいですね。そういうことで女の勘といいましょうか、昔ね、こっちの人は、苧麻(ちょま)で苧(ぶー)を紡いで着物を織るんですね。だから、その長い糸が箱に入れてあるから、「この糸を自分に刺しておきなさい。そうしたら逃げられないだろう。」と兄を説得してその糸を自分に刺したら、兄は妹を殺そうと刀を研いでいたらしいですね。その間に妹が逃げたと。そしたら、歩くたびに長い糸はどんどん伸びていくしょう。だから兄は逃げて行ったのが分からないわけさね。妹は逃げて真栄里の前に安居御願(あんぐんうがん)のお宮にたどり着いたら、向こうに大きな梯梧の木があって、それが枯れていて偶然にその人が逃げて来たらね、梯梧の片一方が扉みたいに開いたと。開いていたからその中に妹が隠れたら、自然にまた梯梧は開いた所は閉まった。兄は妹がいなくなったのに気がついて、苧麻(ちょま)の苧(ぶー)を頼りに追っかけて来たらその糸が梯梧の中に入っとる。その木は閉まったもんだから開けるにも開けれない。だから、兄はもう一回斧を持って来(き)ようと、家に斧取りに帰ったらその間に妹は逃げ去った。その鬼になった兄か住んだ所を鬼屋石と言ってね、この真栄里の前の浜辺近くにあります。
全体の記録時間数 4:37
物語の時間数 3:43
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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