安居御嶽(共通語)

概要

昔、平家の落ち武者が浜端家に来た。この落ち武者は武加竹から賄い妻をもらい住んでいた。浜端家は旧家であったのでこの落ち武者を世話したらしい。そしてこの落ち武者が生前から自分が死んだらこの森に埋めてくれと言っていたので遺言どおりに埋葬したところが安居御嶽(アングンオン)で浜端家が祀った。ある兄妹がいた。妹は結婚し子を産んだ。兄は家出して何ヶ月も行方知れずになっていた。世間では兄が鬼となり、人をさらっては喰っていて、真栄里の海岸近くの鬼屋の石(ウンヌヤ石)というガマに住んでいるということだった。妹は世間の噂を確かめるために、兄の好きだった餅に石をいれて作り、子供を連れて兄のところへ行った。兄は妹が餅を持ってきたので喜んで石も一緒にバリバリ食ってしまった。妹は世間の噂通り兄が鬼になったことを知り、逃げよう思って、赤子の足をつねって泣かせた。兄がどうして赤子が泣くのかと聞くので、妹は用を足したいので外に行くというと、そこでさせろと兄が言う。妹は、ここでは臭くなるというので、兄は妹の服のはしに縄をくくりつけて外に出した。妹は外に出ると、縄をほどき近くの木に結びつけた。兄は時々縄をひいて妹の確認をしていたが、どうも変だと気づき見てみると、妹が逃げていくのが見えてので後を追いかけた。妹は赤子を背負ってどんどん逃げていったが兄につかまりそうになった。そのとき安居御嶽のところにはえていた大きなデイゴの木に穴が開いていたので、その中に隠れた。鬼となった兄はその穴の中には入ろうとしたが穴が小さくなって入れなくなってしまった。鬼は道具を取りに鬼屋に戻った。鬼がいなくなると同時にデイゴの木の穴は広がり、妹は逃げることができた。これは安居御嶽に祀られた平家の落ち武者が神様となって妹を助けたのだということで拝まれるようになった。現在では浜端家のみならず、部落全体で拝みを行なっている。

再生時間:29:36:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O341437
CD番号 47O34C109
決定題名 安居御嶽(共通語)
話者がつけた題名
話者名 浜端正雄
話者名かな はまはたまさお
生年月日 19181030
性別
出身地 沖縄県石垣市字真栄里
記録日 19980314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市真栄里 T88 A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12,20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 平家の落ち武者,浜端家,武加竹,賄い,妻,旧家,世話,遺言,埋葬,安居御嶽,アングンオン,兄妹,妹,兄,世間,鬼,真栄里,鬼屋の石,ウンヌヤ,ガマ,餅,石,用,縄,デイゴの木,穴,神様
梗概(こうがい) 昔、平家の落ち武者が浜端家に来た。この落ち武者は武加竹から賄い妻をもらい住んでいた。浜端家は旧家であったのでこの落ち武者を世話したらしい。そしてこの落ち武者が生前から自分が死んだらこの森に埋めてくれと言っていたので遺言どおりに埋葬したところが安居御嶽(アングンオン)で浜端家が祀った。ある兄妹がいた。妹は結婚し子を産んだ。兄は家出して何ヶ月も行方知れずになっていた。世間では兄が鬼となり、人をさらっては喰っていて、真栄里の海岸近くの鬼屋の石(ウンヌヤ石)というガマに住んでいるということだった。妹は世間の噂を確かめるために、兄の好きだった餅に石をいれて作り、子供を連れて兄のところへ行った。兄は妹が餅を持ってきたので喜んで石も一緒にバリバリ食ってしまった。妹は世間の噂通り兄が鬼になったことを知り、逃げよう思って、赤子の足をつねって泣かせた。兄がどうして赤子が泣くのかと聞くので、妹は用を足したいので外に行くというと、そこでさせろと兄が言う。妹は、ここでは臭くなるというので、兄は妹の服のはしに縄をくくりつけて外に出した。妹は外に出ると、縄をほどき近くの木に結びつけた。兄は時々縄をひいて妹の確認をしていたが、どうも変だと気づき見てみると、妹が逃げていくのが見えてので後を追いかけた。妹は赤子を背負ってどんどん逃げていったが兄につかまりそうになった。そのとき安居御嶽のところにはえていた大きなデイゴの木に穴が開いていたので、その中に隠れた。鬼となった兄はその穴の中には入ろうとしたが穴が小さくなって入れなくなってしまった。鬼は道具を取りに鬼屋に戻った。鬼がいなくなると同時にデイゴの木の穴は広がり、妹は逃げることができた。これは安居御嶽に祀られた平家の落ち武者が神様となって妹を助けたのだということで拝まれるようになった。現在では浜端家のみならず、部落全体で拝みを行なっている。
全体の記録時間数 30:16:00
物語の時間数 29:36:00
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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