
昔は石垣島(いしがきじま)県庁みたいなものがあったんですよね。そこからあちらこちら離島を治める士族の役人が単身赴任で行くわけですよね。竹富(たけとみ)にももちろん行きますでしょ。その役人が行くとですね、石垣にちゃんとした家があって家族もあるわけですが、離島へ行きましたら、現地ではやっぱりこの人の世話をする人が必要ですね。それで、賄い兼その他の雑用をして、夜伽(よとぎ)もできるような人を選ぶわけですよ。士族っていったら身分の高い人ですがね、離島にいる人は士族じゃなくて平民ですからね、選ばれる人は平民の中から頓智もある才女で、顔もきれいな美人じゃなくてはいけない。だから、選ばれたらね、本当名誉と思わないといけないわけですよ。これまた一生懸命真っ黒になって田んぼを畑を耕して一生懸命働いていたような女性がこうしてお勤めするわけでしょ。きれいな着物着てね、手足も汚さないで楽な暮らしをするようになるから、選ばれたら名誉と思うべきなんですね。竹富島に行った役人の目差主(みざしゅしゅう)の賄いを決めるとき、竹富島では安里屋(あさとやー)のクヤマていう人は、美人で才気煥発で、とってもこの人が相応しいから、この人を推薦したわけですね。ところが、このクヤマはね、「目差主のところに行くのはいやです。私は素晴らしい人のところであっても私だけ楽してああいうところに行こうとは思わない。」と言うんですね。目差主は、土地を納める役人の位ですからね、「どうしてあんたは、そういうこと言うか。家族も皆運に預かるからね、家族親族一同が皆すすめるのにどうして来ないのか。」と言ったら、「賄いになったら、目差主が帰られるときは私は捨てられてしまう。だから、どんな苦しい生活であってもね、自分の島の私と同じぐらいの夫を持って愛し合った夫と一生の苦楽を共にする方が後のためになる。」と言うんですね。この賄いは、本妻ではなくて結局お妾さんみたいなもんでしょ。でそういう境遇よりはちゃんとした生涯がいいと言ったから、後世になって歌ではこのクヤマを讃えるようになって、この歌が有名になったんですよ。
| レコード番号 | 47O340632 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C044 |
| 決定題名 | 安里クヤマ(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 糸洲マサ |
| 話者名かな | いとすまさ |
| 生年月日 | 19250413 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字新川 |
| 記録日 | 19980908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字新川 T53 A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20,60 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 石垣島,離島,士族の役人,単身赴任,竹富,世話をする人,賄い,夜伽,才女,美人,名誉,目差主,安里屋,クヤマ,推薦した,捨てられてしまう,苦しい生活,夫,一生の苦楽,境遇,後世,歌,讃える |
| 梗概(こうがい) | 昔は石垣島(いしがきじま)県庁みたいなものがあったんですよね。そこからあちらこちら離島を治める士族の役人が単身赴任で行くわけですよね。竹富(たけとみ)にももちろん行きますでしょ。その役人が行くとですね、石垣にちゃんとした家があって家族もあるわけですが、離島へ行きましたら、現地ではやっぱりこの人の世話をする人が必要ですね。それで、賄い兼その他の雑用をして、夜伽(よとぎ)もできるような人を選ぶわけですよ。士族っていったら身分の高い人ですがね、離島にいる人は士族じゃなくて平民ですからね、選ばれる人は平民の中から頓智もある才女で、顔もきれいな美人じゃなくてはいけない。だから、選ばれたらね、本当名誉と思わないといけないわけですよ。これまた一生懸命真っ黒になって田んぼを畑を耕して一生懸命働いていたような女性がこうしてお勤めするわけでしょ。きれいな着物着てね、手足も汚さないで楽な暮らしをするようになるから、選ばれたら名誉と思うべきなんですね。竹富島に行った役人の目差主(みざしゅしゅう)の賄いを決めるとき、竹富島では安里屋(あさとやー)のクヤマていう人は、美人で才気煥発で、とってもこの人が相応しいから、この人を推薦したわけですね。ところが、このクヤマはね、「目差主のところに行くのはいやです。私は素晴らしい人のところであっても私だけ楽してああいうところに行こうとは思わない。」と言うんですね。目差主は、土地を納める役人の位ですからね、「どうしてあんたは、そういうこと言うか。家族も皆運に預かるからね、家族親族一同が皆すすめるのにどうして来ないのか。」と言ったら、「賄いになったら、目差主が帰られるときは私は捨てられてしまう。だから、どんな苦しい生活であってもね、自分の島の私と同じぐらいの夫を持って愛し合った夫と一生の苦楽を共にする方が後のためになる。」と言うんですね。この賄いは、本妻ではなくて結局お妾さんみたいなもんでしょ。でそういう境遇よりはちゃんとした生涯がいいと言ったから、後世になって歌ではこのクヤマを讃えるようになって、この歌が有名になったんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:54 |
| 物語の時間数 | 4:14 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |