
いわゆる生まれ若返るというような意味を含めて脱皮することをこちらの言葉で、巣出る(すぃでる)と言うんです。昔、孝行な息子がおりましてね。その親がだんだんと年老いていくのを見て、悲しくなり、「何とかして親を長く生かしていただくことはできないものか。」と神様にお願いしました。「どうぞ、私の親がいつまでも元気で生きておれますように。」と願うと、神様はいつも孝行な息子なんで、「じゃあその願いを聞き届けてあげよう。」と思いまして、それで、若返りの水の巣出水(すでぃみず)をこしらえて雀と雲雀の兄弟に持たせて使いにやったんです。ところが雀と雲雀の兄弟は神様から大事なこの預(あず)かり物を壺(つぼ)に担(かつ)いで出掛けたのはいいが、途中で野苺(のいちご)が一面に色づいているのを見て、「少し休んでいこうか。」と壺を下ろして、苺(いちご)を取って食べていた。その傍を蛇が通り掛って壺を見つけると、壺を倒して中身の水をすっかり浴びてしまった。雀と雲雀が満足したんで、「さあ、もう苺をいっぱい食べたからまた出掛けよう。」と壺のところに戻ると壺が倒れているから、兄弟は驚いて壺をのぞいた。けれどもう巣出水(すでぃみず)は残っていない。兄弟は神様からの大事な預かり物ですので、どうしようかと相談をして兄の雀が、神様にお詫びに行った。そのとき、人間は、壺に底に僅(わず)かばかりに残っていた巣出水(すでぃみず)を神様がつけて下さったから、その水がついた手の爪や足の爪は抜けてもまた出てくるとけど、人間は若返ることができなくなって死ぬようになった。また、巣出水(すでぃみず)を浴びた蛇は、何度も皮を脱いで生まれて変わることができるようになった。昔の人が、「ああ、残念。」と言うときにはチッチッチッチと舌打ちした。失敗して神様に叱られた雲雀は、「ああ、残念だ。残念だ。サッティ。サッティ。チッチッチッチ。」と舌打(したう)ちしながら、野原を飛び廻った。それで雲雀は今でも舌打ちをするようなチッチッチッチというみたいなツッツっと言う声で鳴いているというんです。
| レコード番号 | 47O340495 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C035 |
| 決定題名 | 雲雀と生き水(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山根慶子 |
| 話者名かな | やまねけいこ |
| 生年月日 | 19241105 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字新川 |
| 記録日 | 19970913 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字新川 T43 A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 11 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 慶応元年生まれのお祖母さんから聞いた |
| 文字化資料 | 石垣島の民話 P203 |
| キーワード | すぃでる,生まれ若返る,脱皮する,巣出水,孝行な息子,親,年老いていく,神様,雀,雲雀,兄弟,預かり物,壺,野苺,蛇,お詫び,手の爪,足の爪,舌打ち |
| 梗概(こうがい) | いわゆる生まれ若返るというような意味を含めて脱皮することをこちらの言葉で、巣出る(すぃでる)と言うんです。昔、孝行な息子がおりましてね。その親がだんだんと年老いていくのを見て、悲しくなり、「何とかして親を長く生かしていただくことはできないものか。」と神様にお願いしました。「どうぞ、私の親がいつまでも元気で生きておれますように。」と願うと、神様はいつも孝行な息子なんで、「じゃあその願いを聞き届けてあげよう。」と思いまして、それで、若返りの水の巣出水(すでぃみず)をこしらえて雀と雲雀の兄弟に持たせて使いにやったんです。ところが雀と雲雀の兄弟は神様から大事なこの預(あず)かり物を壺(つぼ)に担(かつ)いで出掛けたのはいいが、途中で野苺(のいちご)が一面に色づいているのを見て、「少し休んでいこうか。」と壺を下ろして、苺(いちご)を取って食べていた。その傍を蛇が通り掛って壺を見つけると、壺を倒して中身の水をすっかり浴びてしまった。雀と雲雀が満足したんで、「さあ、もう苺をいっぱい食べたからまた出掛けよう。」と壺のところに戻ると壺が倒れているから、兄弟は驚いて壺をのぞいた。けれどもう巣出水(すでぃみず)は残っていない。兄弟は神様からの大事な預かり物ですので、どうしようかと相談をして兄の雀が、神様にお詫びに行った。そのとき、人間は、壺に底に僅(わず)かばかりに残っていた巣出水(すでぃみず)を神様がつけて下さったから、その水がついた手の爪や足の爪は抜けてもまた出てくるとけど、人間は若返ることができなくなって死ぬようになった。また、巣出水(すでぃみず)を浴びた蛇は、何度も皮を脱いで生まれて変わることができるようになった。昔の人が、「ああ、残念。」と言うときにはチッチッチッチと舌打ちした。失敗して神様に叱られた雲雀は、「ああ、残念だ。残念だ。サッティ。サッティ。チッチッチッチ。」と舌打(したう)ちしながら、野原を飛び廻った。それで雲雀は今でも舌打ちをするようなチッチッチッチというみたいなツッツっと言う声で鳴いているというんです。 |
| 全体の記録時間数 | 12:42 |
| 物語の時間数 | 3:10 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |