マージャッ火(共通語)

概要

火の玉と言うのはやっぱり昔は見えたさね。今は明かりがあっちこっちについてるから、火の玉は見えない。私なんか地域で、昭和一〇年か、一一年ぐらいまでは節(ひつ)と言うときはマージャ火(ぴぃ)の話をよくやったよね。同じ火玉でも、そのときに、「マージャ火。」て言ったら人に悪いことするさ。また、「ああ、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)。」と言ったらね、人に良いことをするって。ある百姓が名蔵(なぐら)で遅くまで仕事して、カーラ岳の方に渡ってくるときにね、半ばまできて暗くなって疲れたもんだから、「峠の上で煙草ふきたいな。」と峠の上まで来たから煙草ふこうとしたら、昔はマッチがないから、自分の火縄を持って歩いて煙草を吸ったでしょ。その火縄が全部消えてなくなったもんだから、「困ったな。仕方がない。煙草はふかんで帰ろう。」と思って歩こうとしたら前の地面に火玉(ひだま)が落ちたって。「誰かが私の煙草をふきなさいとこんな所に火を落として行ってくれたのかな。」と煙草を取り出して火をつけようとしたけどつかんらしい。「おかしいな。」と思って、またつけようとしてつかん。煙草が濡れてるのかなと煙草調べても、煙草は濡れてないって。それで、この人は、「何だろうかな。」と怒ってすぐ火の玉を煙管で叩いたらね、バアーッと火花が散ったらしい。その火が自分の髪の毛とかこう洋服を焼いてよ、火傷もしたらしい。家に帰ってきて、そのことを話したら、ある人が、「マージャ火(ぴぃ)と言ったら、その火は人に悪さをする。友達(とぅーりー)火(ぴぃ)と言ったら良いことをする。」って教えてくれた。だから、その人は、試しに、「じゃあこれは、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)がやってくれたんだな。」と言うたら、すぐ自分の怪我ものよ、着物も元通りになったと言う話があるんです。またね、登野城(と の しろ)の人がね、晩に宮良(みやら)に用事があるって言って、この今の大浜街道(おおはまかいどう)を通ると遠くなるもんだから、この飛行場の後ろにから行くと、宮良はずっと一体に近いわけさ。それで登野城から出て、今の運動公園があるところに、小波本御嶽(くばんとぅおん)と言うのがあるよね。そこの暗い池の傍を恐る恐る通って行ったら、藪の所から、火がフゥーって、その人の前に出てきたらしいさあね。それで、「トゥーリー火が出ておるのか。」って言ったらよ、この友達(とぅーりー)火(ぴぃ)て言っただけで、自分の道行くところを照らしてくれてからね、宮良への坂を登る手前でよ、ハッって消えたらしい。それで、「ああ、ありがたいことだ。また私も用事済まして帰るときはまたお供して下さいね。」と手を合わせてお願いをして、それから用事済まして帰ってくるときに宮良の坂のところまで来ると、宮良村のこっち側に赤馬の像があるところまで来ると、スーッとまたあの友達(とぅーりー)火(ぴぃ)が来てからよ、自分の行く先を照らしてくれてから登野城までこう案内してくれたと言う話をある人から聞いたさ。

再生時間:4:38

民話詳細DATA

レコード番号 47O341000
CD番号 47O34C075
決定題名 マージャッ火(共通語)
話者がつけた題名
話者名 崎山用庸
話者名かな さきやまようよう
生年月日 19260113
性別
出身地 沖縄県石垣市字石垣
記録日 19980314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市石垣 T30 A07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 火の玉,節,ひつ,マージャ火,友達火,とぅーりーぴぃ,名蔵,カーラ岳,煙草,火縄,火玉,煙管,登野城,宮良,小波本御嶽
梗概(こうがい) 火の玉と言うのはやっぱり昔は見えたさね。今は明かりがあっちこっちについてるから、火の玉は見えない。私なんか地域で、昭和一〇年か、一一年ぐらいまでは節(ひつ)と言うときはマージャ火(ぴぃ)の話をよくやったよね。同じ火玉でも、そのときに、「マージャ火。」て言ったら人に悪いことするさ。また、「ああ、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)。」と言ったらね、人に良いことをするって。ある百姓が名蔵(なぐら)で遅くまで仕事して、カーラ岳の方に渡ってくるときにね、半ばまできて暗くなって疲れたもんだから、「峠の上で煙草ふきたいな。」と峠の上まで来たから煙草ふこうとしたら、昔はマッチがないから、自分の火縄を持って歩いて煙草を吸ったでしょ。その火縄が全部消えてなくなったもんだから、「困ったな。仕方がない。煙草はふかんで帰ろう。」と思って歩こうとしたら前の地面に火玉(ひだま)が落ちたって。「誰かが私の煙草をふきなさいとこんな所に火を落として行ってくれたのかな。」と煙草を取り出して火をつけようとしたけどつかんらしい。「おかしいな。」と思って、またつけようとしてつかん。煙草が濡れてるのかなと煙草調べても、煙草は濡れてないって。それで、この人は、「何だろうかな。」と怒ってすぐ火の玉を煙管で叩いたらね、バアーッと火花が散ったらしい。その火が自分の髪の毛とかこう洋服を焼いてよ、火傷もしたらしい。家に帰ってきて、そのことを話したら、ある人が、「マージャ火(ぴぃ)と言ったら、その火は人に悪さをする。友達(とぅーりー)火(ぴぃ)と言ったら良いことをする。」って教えてくれた。だから、その人は、試しに、「じゃあこれは、友達(とぅーりー)火(ぴぃ)がやってくれたんだな。」と言うたら、すぐ自分の怪我ものよ、着物も元通りになったと言う話があるんです。またね、登野城(と の しろ)の人がね、晩に宮良(みやら)に用事があるって言って、この今の大浜街道(おおはまかいどう)を通ると遠くなるもんだから、この飛行場の後ろにから行くと、宮良はずっと一体に近いわけさ。それで登野城から出て、今の運動公園があるところに、小波本御嶽(くばんとぅおん)と言うのがあるよね。そこの暗い池の傍を恐る恐る通って行ったら、藪の所から、火がフゥーって、その人の前に出てきたらしいさあね。それで、「トゥーリー火が出ておるのか。」って言ったらよ、この友達(とぅーりー)火(ぴぃ)て言っただけで、自分の道行くところを照らしてくれてからね、宮良への坂を登る手前でよ、ハッって消えたらしい。それで、「ああ、ありがたいことだ。また私も用事済まして帰るときはまたお供して下さいね。」と手を合わせてお願いをして、それから用事済まして帰ってくるときに宮良の坂のところまで来ると、宮良村のこっち側に赤馬の像があるところまで来ると、スーッとまたあの友達(とぅーりー)火(ぴぃ)が来てからよ、自分の行く先を照らしてくれてから登野城までこう案内してくれたと言う話をある人から聞いたさ。
全体の記録時間数 4:51
物語の時間数 4:38
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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