
この話の嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)と言ったら当時の琉球王朝時代の農民の非常に欲を持ったところの会長さあね。その嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)家の畑に、貧乏な家の松金(まつがね)という子供が雨降りのときに来て、畑に植えられている普通の芋ではなくして、八重山ではムイアッコンと言う収穫した後で残った芋から芽が出たものを拾っていると、そこに嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)が来て怒って、「どうしてお前は人の畑からお芋を取っているのか。この物取り泥棒め。」と言って、非常にこの松金(まつがね)を嘲ったので、松金(まつがね)は、「ああ、実は自分の家は今貧乏で食べ物がないので、せめて人の植えたのを私は盗んでいるのではありません。ただ、自然に修復したあとの芋から生えているムイアッコンをこれを取っているんで、これを許して下さい。」と言っても、口を極めて罵(ののし)って脅したので、松金(まつがね)がこれまで拾っていたムイアッコンを持ってくると、嘉手川筑登之はそれも取り上げたので、松金(まつがね)は、涙を流して、「ああ、残念だ。こういう貧乏人だから自分は泥棒でも何でもないんだけどこれだけ脅される。人並みの生活をするためにはやっぱり学問、勉強しなければいかない。」と言うと、この嘉手川筑登之は罵ったあげく、「万一お前なんかが偉くなるのであれば、お前の目の前で私の十本の指をみんな切ってみせる。」と嘲って笑った。松金(まつがね)は発奮し、この日のことを忘れないで、非常に努力をして勉強をし松金(まつがね)と言う八重山の頭職になって、その松金(まつがね)が八重山の頭首になったお祝いに嘉手川筑登之を案内状を出したら、嘉手川筑登之は驚いて、「これは大変だ。今日は皆の前で自分は手を切らなければいかないはめに陥るんだな。」と言うようなことで行ったら、松金(まつがね)は、祝いの席の上座に嘉手川筑登之を据えると、その前にひざまづいて、「決して筑登之指を切って下さいとかそういうようなことではない。筑登之からこうして怒られことが動機となり、私の力となって現在の自分がある。おかげで私は偉くなりました。ありがとうございました。」と言うようなこの言葉を捧げてね、お礼を言った。これを八重山では一つの教訓としてね、人間の行く末をピトゥマスって言うから、「ピトゥマスは越えることはできないが、石垣(いします)は飛び越えることはできる。人はこの人は駄目だと言うようにして最初からこれを見くびるものではない。」と言って、石垣の上は飛び越えることはできるけれども人の将来はあとを見なければ分からないと伝えているんです。
| レコード番号 | 47O340984 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C074 |
| 決定題名 | マツガネユンタ由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 森永用長 |
| 話者名かな | もりながようちょう |
| 生年月日 | 19161222 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字石垣 |
| 記録日 | 19980314 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市石垣 T29 A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20,60 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 嘉川筑登之,琉球王朝時代,畑,貧乏,松金,子供,八重山,ムイアッコン,芋,怒って,泥棒,罵って,脅した,十本の指,発奮,努力,頭職,お祝い,上座,動機,お礼,教訓,人間の行く末,ピトゥマス,石垣,見くびるものではない |
| 梗概(こうがい) | この話の嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)と言ったら当時の琉球王朝時代の農民の非常に欲を持ったところの会長さあね。その嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)家の畑に、貧乏な家の松金(まつがね)という子供が雨降りのときに来て、畑に植えられている普通の芋ではなくして、八重山ではムイアッコンと言う収穫した後で残った芋から芽が出たものを拾っていると、そこに嘉川筑登之(かでかわちくどぅん)が来て怒って、「どうしてお前は人の畑からお芋を取っているのか。この物取り泥棒め。」と言って、非常にこの松金(まつがね)を嘲ったので、松金(まつがね)は、「ああ、実は自分の家は今貧乏で食べ物がないので、せめて人の植えたのを私は盗んでいるのではありません。ただ、自然に修復したあとの芋から生えているムイアッコンをこれを取っているんで、これを許して下さい。」と言っても、口を極めて罵(ののし)って脅したので、松金(まつがね)がこれまで拾っていたムイアッコンを持ってくると、嘉手川筑登之はそれも取り上げたので、松金(まつがね)は、涙を流して、「ああ、残念だ。こういう貧乏人だから自分は泥棒でも何でもないんだけどこれだけ脅される。人並みの生活をするためにはやっぱり学問、勉強しなければいかない。」と言うと、この嘉手川筑登之は罵ったあげく、「万一お前なんかが偉くなるのであれば、お前の目の前で私の十本の指をみんな切ってみせる。」と嘲って笑った。松金(まつがね)は発奮し、この日のことを忘れないで、非常に努力をして勉強をし松金(まつがね)と言う八重山の頭職になって、その松金(まつがね)が八重山の頭首になったお祝いに嘉手川筑登之を案内状を出したら、嘉手川筑登之は驚いて、「これは大変だ。今日は皆の前で自分は手を切らなければいかないはめに陥るんだな。」と言うようなことで行ったら、松金(まつがね)は、祝いの席の上座に嘉手川筑登之を据えると、その前にひざまづいて、「決して筑登之指を切って下さいとかそういうようなことではない。筑登之からこうして怒られことが動機となり、私の力となって現在の自分がある。おかげで私は偉くなりました。ありがとうございました。」と言うようなこの言葉を捧げてね、お礼を言った。これを八重山では一つの教訓としてね、人間の行く末をピトゥマスって言うから、「ピトゥマスは越えることはできないが、石垣(いします)は飛び越えることはできる。人はこの人は駄目だと言うようにして最初からこれを見くびるものではない。」と言って、石垣の上は飛び越えることはできるけれども人の将来はあとを見なければ分からないと伝えているんです。 |
| 全体の記録時間数 | 10:52 |
| 物語の時間数 | 10:15 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |