
これは二〇〇年前になるんじゃないかなと思うけど、私達より四代前の人で名前は用成という人は、竹富(たけとみ)の与人(ゆんちゅ)て言う役人しているわけさ。その子供は用奉と言う人です。この二人が竹富から石垣(いしがき)に帰られるときね、竹富の一番端っこと石垣島の観音堂が一番近いわけさ。そのころは大きな船はないから親子二人は小さな船だったはずよ。いつもは観音堂船を着けてお家に帰ったりしたんだけど、その日は朝は空が晴れていたけど、昔は風頼りの帆で走る船だから、あっち行ったりこう行ったりして、こう曲がってからこう行くわけさあね。ちょうど中間ぐらい来たときに雲が出て嵐になったから、船が沈みかけてよ、二人は駄目だと思っておったわけ。そのときにどうしてか下から持ち上げられて船が上がって来たかなと思ったら、たくさんの亀が上に上がって来たって。この亀というのは用奉と言う方の家は海の側で、朝下りて海を眺めていたら糸満の人が大きな亀を取ってきて今にも殺そうとしたって。殺して食べるつもりでしょ。亀は涙を落として泣いおったから、その人が、「かわいそうだ。」と言ってよ、用奉と言う方が自分のお金で買って、亀の首に赤いはちまきをしてね、逃がしてあげたって。逃がしたこの亀は、用奉を振り返り、振り返りして大海原に行ったって。持ち上げている亀を見ると、その亀の中に用奉が赤いはちまきをした亀がいて、その亀が兄弟全部連れてきて、遭難した船をこう持ち上げてね、また竹富の西の浜まで連れて行って助けてあげたって言うんです。亀が助けるなんてちょっとおとぎ話のように思えるけどもね、これは事実だと祖先から伝わってきているわけさ。だから、崎山家は亀を食べても、亀を殺しているところに行ってはいけないことになっている。もし、自分で買って逃がしきれる財力があれば助けて逃がしておったって。それで分からんで亀を食べた場合にはよ、お腹こわしたり病気したりしたらしい。だから、家にその亀に助けられた掛け軸があるさ。漢文みたいな昔の字だから私なんかが読んでもちょっとなら分かるところはあるけど、あらすじはそういうものです。この用成という人が竹富島の役人している間に、役人が離島に行ったら、島の人がこの人は賄いの世話する人と言って女の人を差し上げるわけさ。その賄いの女の人の間には、子供ができたから竹富島には、この人の子孫が今では、亀井(かめい)、山盛(やまもり)、東門(あいじょう)と三家になってあるさあね。
| レコード番号 | 47O340907 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C070 |
| 決定題名 | 亀に助けられた人の話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 崎山用庸 |
| 話者名かな | さきやまようよう |
| 生年月日 | 19260113 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字石垣 |
| 記録日 | 19970912 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市石垣 T25 A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12,20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お祖父さん、お祖母さんに聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 用成,竹富,与人,用奉,石垣,観音堂,小さな船,沈みかけて,亀,糸満,殺して食べる,泣いておった,買って,亀の首,赤いはちまき,逃がした,助ける,崎山家,掛け軸,亀井,山盛,東門 |
| 梗概(こうがい) | これは二〇〇年前になるんじゃないかなと思うけど、私達より四代前の人で名前は用成という人は、竹富(たけとみ)の与人(ゆんちゅ)て言う役人しているわけさ。その子供は用奉と言う人です。この二人が竹富から石垣(いしがき)に帰られるときね、竹富の一番端っこと石垣島の観音堂が一番近いわけさ。そのころは大きな船はないから親子二人は小さな船だったはずよ。いつもは観音堂船を着けてお家に帰ったりしたんだけど、その日は朝は空が晴れていたけど、昔は風頼りの帆で走る船だから、あっち行ったりこう行ったりして、こう曲がってからこう行くわけさあね。ちょうど中間ぐらい来たときに雲が出て嵐になったから、船が沈みかけてよ、二人は駄目だと思っておったわけ。そのときにどうしてか下から持ち上げられて船が上がって来たかなと思ったら、たくさんの亀が上に上がって来たって。この亀というのは用奉と言う方の家は海の側で、朝下りて海を眺めていたら糸満の人が大きな亀を取ってきて今にも殺そうとしたって。殺して食べるつもりでしょ。亀は涙を落として泣いおったから、その人が、「かわいそうだ。」と言ってよ、用奉と言う方が自分のお金で買って、亀の首に赤いはちまきをしてね、逃がしてあげたって。逃がしたこの亀は、用奉を振り返り、振り返りして大海原に行ったって。持ち上げている亀を見ると、その亀の中に用奉が赤いはちまきをした亀がいて、その亀が兄弟全部連れてきて、遭難した船をこう持ち上げてね、また竹富の西の浜まで連れて行って助けてあげたって言うんです。亀が助けるなんてちょっとおとぎ話のように思えるけどもね、これは事実だと祖先から伝わってきているわけさ。だから、崎山家は亀を食べても、亀を殺しているところに行ってはいけないことになっている。もし、自分で買って逃がしきれる財力があれば助けて逃がしておったって。それで分からんで亀を食べた場合にはよ、お腹こわしたり病気したりしたらしい。だから、家にその亀に助けられた掛け軸があるさ。漢文みたいな昔の字だから私なんかが読んでもちょっとなら分かるところはあるけど、あらすじはそういうものです。この用成という人が竹富島の役人している間に、役人が離島に行ったら、島の人がこの人は賄いの世話する人と言って女の人を差し上げるわけさ。その賄いの女の人の間には、子供ができたから竹富島には、この人の子孫が今では、亀井(かめい)、山盛(やまもり)、東門(あいじょう)と三家になってあるさあね。 |
| 全体の記録時間数 | 6:17 |
| 物語の時間数 | 4:32 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |