アールパンナー(共通語)

概要

昔、石垣島が長い間日照りが続いて 島中が飢饉になり、怖い病気が流行った。だから、毎日のように年寄りも子供死んで行く。このまま続くと、村は滅びるということで、御嶽にこもり、雨乞いをした。それでも一向に雨は降らなかった。満月の日に、夕方から山の上に登ってお祈りをして月の神様にお願いしていると月の神様がにっこり微笑(ほほえ)んで言われた。「ああ、みんなの願いは分かった。病気にもならない、また年を取らない不老長寿の妙薬が自分の所にあるからそれをあげよう。アールパンナーという男を島にやるから、鶉(うずら)と雲雀(ひばり)をお供つけその薬を取りに月の御殿へよこしなさい。」と言った。それを聞いて、みんな大喜びをした。それから毎日、島の東の方の海を見てアールパンナーが上陸する日を待っていた。それから、何日か後、石垣島の東の水平線の方から、黒い大きな人影みたいなのが見えた。それはまだだれも見たこともない、それは頭が雲に付くような大きな身体の男だった。大男のアールパンナは石垣島に上陸すると、頭を沖縄で一番高い於茂登山(お も とやま)に枕して、胸は竹富島(たけとみじま)に置き、両足は西表(いりおもて)にひっかけて横になって大きな鼾をかいて寝てしまった。それで、若者達は、大きな梯子(はしご)を作り、巨人の耳のところまで登り、「あなた様がアールパンナーですか。」と聞くと、「そうだ。」とまるで雷のような大きな声が返ってきた。「わたしたちは、あなたが見えるのを待っておりました。どうかお月様から、薬を持ってきてください。お願いします。」と大声で叫んだ。するとアールパンナは起き上がってわかったということになった。アールパンナは、天秤棒に樽を二つつけて、お供に雲雀と鶉を従えて、月の世界に出発した。半年以上の旅だった。月の世界は極楽で珍しい草花がいっぱい咲き、小鳥がさえずっていて、七色の虹が御殿にかかっていた。アールパンナーは月の御殿の門の前に立って、「私はアールパンナーという男だ。月の神様に会いにきた。門の扉を開けて通してもらいたい。」と大声で怒鳴った。お城の門番は、アールパンナーがあまり大きいから、入るのを止めた。それでも、アールパンナーは、どうしてもお城に入って、月の妙薬をもらおうと、門番はどうしても入れないというので、アールパンナーは怒って、「どうして、入れないんだ。人間に頼まれてきたのだから、中に入れろ。」と暴れた。あまりに騒がしいので、その門の騒ぎをお城におられた月の神様が高窓から見て、「これはもう大変。」とアールパンナーに術をかけた。するとアールパンナーは天秤棒を担いだまま石になってしまった。月に見える黒い影は、アールパンナーが天秤を担いで立ったまま石になって動けなくなった姿である。雲雀と鶉は、もうどうしたらいいか困って月の女神様に訳を話すと、不老不死の妙薬を雲雀と鶉に渡した。雲雀と鶉は、桶に入った不老不死の薬を持って島に帰って来た。ちょうどウリズンの頃で非常に日和もいいし、野原には草花もたくさん咲いて、イチゴもいっぱい実っていた。雲雀と鶉は休むことにした。不老不死の薬を入れた桶を地面に置いたまま苺を食べたりして遊んでおった。そこに喉が乾いて水を探していたハブが現れ、桶を見つけた。ハブはその水を飲もうとして、桶を引っ繰り返し大事な薬の水はみんなハブの体にかかってしまった。しばらくして我に返った雲雀と鶉は大事な薬桶のことを思い出し、帰ってみると薬桶は横倒しになり、中の妙薬はなくなってしまっていた。怒った雲雀がハブを捕まえようとして足をハブに踏まれて曲がってしまった。月の神様はこの様子を見ておられ、怒って鶉の尻尾を捕まえようとして尾がちぎれてしまったので、鶉の尻尾は短くなった。ハブはこの不老不死の薬を浴びたおかげで毎年、自分の体の殻を取って大きくなり、若返って長生きできるようになった。月の神様をその様子を全部見ていましたから、島の人たちを救ってくれたと思います。

再生時間:21:29:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O341095
CD番号 47O34C086
決定題名 アールパンナー(共通語)
話者がつけた題名
話者名 宮里英詳
話者名かな みやざとえいしょう
生年月日 19240131
性別
出身地 沖縄県石垣市字石垣
記録日 19980815
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市石垣 T41 A05-B01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 11,12
発句(ほっく) むかしむかしずっとむかしのことですけれど
伝承事情
文字化資料
キーワード 石垣島,日照り,飢饉,病気,村,滅びる,御嶽,雨乞い,満月の日,お祈り,月の神様,不老長寿の妙薬,アールパンナー,鶉,雲雀,月の御殿,東の水平線,於茂登山,竹富島,西表,大きな鼾,大きな梯子,巨人,耳,天秤棒,月の世界,極楽,七色の虹,門,怒鳴った,門番,高窓,術,石,桶,ウリズン,イチゴ,ハブ,足,踏まれて,曲がって,尻尾,ちぎれてしまった
梗概(こうがい) 昔、石垣島が長い間日照りが続いて 島中が飢饉になり、怖い病気が流行った。だから、毎日のように年寄りも子供死んで行く。このまま続くと、村は滅びるということで、御嶽にこもり、雨乞いをした。それでも一向に雨は降らなかった。満月の日に、夕方から山の上に登ってお祈りをして月の神様にお願いしていると月の神様がにっこり微笑(ほほえ)んで言われた。「ああ、みんなの願いは分かった。病気にもならない、また年を取らない不老長寿の妙薬が自分の所にあるからそれをあげよう。アールパンナーという男を島にやるから、鶉(うずら)と雲雀(ひばり)をお供つけその薬を取りに月の御殿へよこしなさい。」と言った。それを聞いて、みんな大喜びをした。それから毎日、島の東の方の海を見てアールパンナーが上陸する日を待っていた。それから、何日か後、石垣島の東の水平線の方から、黒い大きな人影みたいなのが見えた。それはまだだれも見たこともない、それは頭が雲に付くような大きな身体の男だった。大男のアールパンナは石垣島に上陸すると、頭を沖縄で一番高い於茂登山(お も とやま)に枕して、胸は竹富島(たけとみじま)に置き、両足は西表(いりおもて)にひっかけて横になって大きな鼾をかいて寝てしまった。それで、若者達は、大きな梯子(はしご)を作り、巨人の耳のところまで登り、「あなた様がアールパンナーですか。」と聞くと、「そうだ。」とまるで雷のような大きな声が返ってきた。「わたしたちは、あなたが見えるのを待っておりました。どうかお月様から、薬を持ってきてください。お願いします。」と大声で叫んだ。するとアールパンナは起き上がってわかったということになった。アールパンナは、天秤棒に樽を二つつけて、お供に雲雀と鶉を従えて、月の世界に出発した。半年以上の旅だった。月の世界は極楽で珍しい草花がいっぱい咲き、小鳥がさえずっていて、七色の虹が御殿にかかっていた。アールパンナーは月の御殿の門の前に立って、「私はアールパンナーという男だ。月の神様に会いにきた。門の扉を開けて通してもらいたい。」と大声で怒鳴った。お城の門番は、アールパンナーがあまり大きいから、入るのを止めた。それでも、アールパンナーは、どうしてもお城に入って、月の妙薬をもらおうと、門番はどうしても入れないというので、アールパンナーは怒って、「どうして、入れないんだ。人間に頼まれてきたのだから、中に入れろ。」と暴れた。あまりに騒がしいので、その門の騒ぎをお城におられた月の神様が高窓から見て、「これはもう大変。」とアールパンナーに術をかけた。するとアールパンナーは天秤棒を担いだまま石になってしまった。月に見える黒い影は、アールパンナーが天秤を担いで立ったまま石になって動けなくなった姿である。雲雀と鶉は、もうどうしたらいいか困って月の女神様に訳を話すと、不老不死の妙薬を雲雀と鶉に渡した。雲雀と鶉は、桶に入った不老不死の薬を持って島に帰って来た。ちょうどウリズンの頃で非常に日和もいいし、野原には草花もたくさん咲いて、イチゴもいっぱい実っていた。雲雀と鶉は休むことにした。不老不死の薬を入れた桶を地面に置いたまま苺を食べたりして遊んでおった。そこに喉が乾いて水を探していたハブが現れ、桶を見つけた。ハブはその水を飲もうとして、桶を引っ繰り返し大事な薬の水はみんなハブの体にかかってしまった。しばらくして我に返った雲雀と鶉は大事な薬桶のことを思い出し、帰ってみると薬桶は横倒しになり、中の妙薬はなくなってしまっていた。怒った雲雀がハブを捕まえようとして足をハブに踏まれて曲がってしまった。月の神様はこの様子を見ておられ、怒って鶉の尻尾を捕まえようとして尾がちぎれてしまったので、鶉の尻尾は短くなった。ハブはこの不老不死の薬を浴びたおかげで毎年、自分の体の殻を取って大きくなり、若返って長生きできるようになった。月の神様をその様子を全部見ていましたから、島の人たちを救ってくれたと思います。
全体の記録時間数 24:22:00
物語の時間数 21:29:00
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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