お盆の始まり(共通語)

概要

あるところに親子三名おって、二人の親子の子供を非常に大切にしてよそに出ておったって。この子供成長して可愛がっておったわけさ。昼はお父さんが膝元にこう抱いて、暑いときは扇で扇いで、夜になるとお母さんがなんでか着物を着けてこの子どもを可愛がって寝かすんですよ。夜は子供がシッコすると濡れたところにはお母さんが横になって、乾いたところに子供を寝かして、こっちの濡れたところに寝て、両側が濡れたときにはお母さんは自分の胸の上に子供を寝かせた。お母さんとお父さんは、その子供の成長を非常に楽しんでいた。ところがそのお父さんお母さんが亡くなった。だけど子供はお父さんお母さんが亡くなったともわからんから、用事で行ったんだろう、夕方になったら帰るんだろうと思って、いつものように遊んでいて、夕方になると、お父さんお母さんを迎えようって、門に立って待っているけどお父さんお母さん見えない。親から助けられてこんなに育ったのに、お母さんやお父さんも見えない。後は、「どうしようかな。亡くなったのかな。」と、遠くのアサギラ浜の親の墓に行ったんですよ。そこには刺が生えているサルカキって蔓があったが、それを押し曲げて入って墓に手を合わせて、「今晩はここに寝かせてくれ。」って墓の庭に寝たらしい。寝いたら夜中にお父さんお母さんが夢で現れたらしい。驚いて起きて、「あい、お父さん。お母さん。」て両方つかんで起きたら誰もいない。「ああ、夢にだまされたな。」とあきらめて、夜が明けるのを待ってこの墓を出て行って、自分の家に帰るんですよ。自分の家に帰ってから親が作った形見をお父さんの形見とお母さんの形見並べて見たら、とっても涙が出て物も言えない。「ああ、こんなこともあるかな。」とようやく涙も抑えて道に出ても、泣きすがった親がおらん。だから、この人が立派に台を作って台の上に親の形見を飾ってこれに線香あげたのがお盆のはじまりだと言う。

再生時間:6:02

民話詳細DATA

レコード番号 47O340763
CD番号 47O34C059
決定題名 お盆の始まり(共通語)
話者がつけた題名
話者名 川平永美
話者名かな かびらえいび
生年月日 19030218
性別
出身地 沖縄県竹富町網取
記録日 19970912
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市登野城 T03 B03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく) あるところにむかし
伝承事情 お祖父さん、お祖母さんから聞いた
文字化資料
キーワード 親子,三名,子供,大切にして,お父さん,母さん,亡くなった,アサギラ浜,親の墓,寝た,夢,現れた,涙,親の形見,飾って,線香,お盆,はじまり
梗概(こうがい) あるところに親子三名おって、二人の親子の子供を非常に大切にしてよそに出ておったって。この子供成長して可愛がっておったわけさ。昼はお父さんが膝元にこう抱いて、暑いときは扇で扇いで、夜になるとお母さんがなんでか着物を着けてこの子どもを可愛がって寝かすんですよ。夜は子供がシッコすると濡れたところにはお母さんが横になって、乾いたところに子供を寝かして、こっちの濡れたところに寝て、両側が濡れたときにはお母さんは自分の胸の上に子供を寝かせた。お母さんとお父さんは、その子供の成長を非常に楽しんでいた。ところがそのお父さんお母さんが亡くなった。だけど子供はお父さんお母さんが亡くなったともわからんから、用事で行ったんだろう、夕方になったら帰るんだろうと思って、いつものように遊んでいて、夕方になると、お父さんお母さんを迎えようって、門に立って待っているけどお父さんお母さん見えない。親から助けられてこんなに育ったのに、お母さんやお父さんも見えない。後は、「どうしようかな。亡くなったのかな。」と、遠くのアサギラ浜の親の墓に行ったんですよ。そこには刺が生えているサルカキって蔓があったが、それを押し曲げて入って墓に手を合わせて、「今晩はここに寝かせてくれ。」って墓の庭に寝たらしい。寝いたら夜中にお父さんお母さんが夢で現れたらしい。驚いて起きて、「あい、お父さん。お母さん。」て両方つかんで起きたら誰もいない。「ああ、夢にだまされたな。」とあきらめて、夜が明けるのを待ってこの墓を出て行って、自分の家に帰るんですよ。自分の家に帰ってから親が作った形見をお父さんの形見とお母さんの形見並べて見たら、とっても涙が出て物も言えない。「ああ、こんなこともあるかな。」とようやく涙も抑えて道に出ても、泣きすがった親がおらん。だから、この人が立派に台を作って台の上に親の形見を飾ってこれに線香あげたのがお盆のはじまりだと言う。
全体の記録時間数 11:16
物語の時間数 6:02
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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