西表のトカラハブ(共通語)

概要

西表の人が野浜という浜に三人の漁師が行ったとき、「あまり時間が早いから、海に出る時間まで待とう。」って、三名とも木の下で座っていたらしいですよ。そしたら、木の下で座っている一人の首に何かバッと引っかかって来て、それを払ってまた座っているうちにまた首に引っかかって来るんですよ。驚いて、「私の首に何が引っかかって来るのかな。」と言ったら、それを見ていた二人はびっくりしてよ、「危ない、危ない。」と言っていうから、「何か。」って聞いたら、「トゥカラハブだ。」って言うんです。トゥカラハブは大きいハブなんですよ。あれは木の上で座っていて、尻尾でこの首を巻いて来るんですよ。だから、三人は驚いて家に帰ったって話ですよ。このトゥカラハブが鳴くときは、猫が鳴くように鳴くんですよ。
 昔ね、ある人が網取で田んぼの仕事をやろうとして弁当持って行って、弁当は田小屋に置いてからによ、一生懸命田んぼの仕事やっとったらしい。お昼になったからよ、弁当を食べようって田小屋来たら、今言うトゥカラハブが自分の弁当の上にこう乗っとるんですよ。「こいつは人の弁当に寝ておるなあ。」って、それを殺したらしい。その人は舟で田んぼまで行っているから、殺したハブは浜に捨てて、弁当食べて最後の田んぼの仕事しとやっとたらしい。ところが上の方から、ピューピューって猫の鳴く声がするんですよ。
「ああ珍しいな、」と思っていたら、東からも西からも、ピューピューピューとみんな鳴くらしい。見たら殺して浜に捨てたトゥカラハブに、いっぱいトゥカラハブ集まっているから、その人は驚いて仕事もせんで、舟に乗って一生懸命漕いで行こうとしたら、トゥカラハブが舟をどんどんと追いかけて来るらしい。だから、トゥカラハブが追いついて来れば叩く、来れば叩くしてようやくして命拾いしたって言うお話があるんですよ。だから今でも、「トゥカラハブを殺すと集まるよ。」って言いますよ。今でもトゥカラハブ集まるらしい。これは網取りのお話。

再生時間:4:40

民話詳細DATA

レコード番号 47O340761
CD番号 47O34C059
決定題名 西表のトカラハブ(共通語)
話者がつけた題名 網取のトカラハブの話
話者名 川平永美
話者名かな かびらえいび
生年月日 19030218
性別
出身地 沖縄県竹富町網取
記録日 19970912
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市登野城 T03 B01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情 お祖父さん、お祖母さんから聞いた
文字化資料
キーワード
梗概(こうがい) 西表の人が野浜という浜に三人の漁師が行ったとき、「あまり時間が早いから、海に出る時間まで待とう。」って、三名とも木の下で座っていたらしいですよ。そしたら、木の下で座っている一人の首に何かバッと引っかかって来て、それを払ってまた座っているうちにまた首に引っかかって来るんですよ。驚いて、「私の首に何が引っかかって来るのかな。」と言ったら、それを見ていた二人はびっくりしてよ、「危ない、危ない。」と言っていうから、「何か。」って聞いたら、「トゥカラハブだ。」って言うんです。トゥカラハブは大きいハブなんですよ。あれは木の上で座っていて、尻尾でこの首を巻いて来るんですよ。だから、三人は驚いて家に帰ったって話ですよ。このトゥカラハブが鳴くときは、猫が鳴くように鳴くんですよ。  昔ね、ある人が網取で田んぼの仕事をやろうとして弁当持って行って、弁当は田小屋に置いてからによ、一生懸命田んぼの仕事やっとったらしい。お昼になったからよ、弁当を食べようって田小屋来たら、今言うトゥカラハブが自分の弁当の上にこう乗っとるんですよ。「こいつは人の弁当に寝ておるなあ。」って、それを殺したらしい。その人は舟で田んぼまで行っているから、殺したハブは浜に捨てて、弁当食べて最後の田んぼの仕事しとやっとたらしい。ところが上の方から、ピューピューって猫の鳴く声がするんですよ。 「ああ珍しいな、」と思っていたら、東からも西からも、ピューピューピューとみんな鳴くらしい。見たら殺して浜に捨てたトゥカラハブに、いっぱいトゥカラハブ集まっているから、その人は驚いて仕事もせんで、舟に乗って一生懸命漕いで行こうとしたら、トゥカラハブが舟をどんどんと追いかけて来るらしい。だから、トゥカラハブが追いついて来れば叩く、来れば叩くしてようやくして命拾いしたって言うお話があるんですよ。だから今でも、「トゥカラハブを殺すと集まるよ。」って言いますよ。今でもトゥカラハブ集まるらしい。これは網取りのお話。
全体の記録時間数 5:05
物語の時間数 4:40
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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