
昔、今の何ですか農業試験場というところがあるんです。あそこの前のほうにですね、あそこの近くに
すなだというところがあります。そこであの一人の男が農業をやっておったらしいです。そしたらその人は
大体昔の作物といえば、粟とか、今いうコウリャンですねそういうものを作っておったらしいです。そした
らその、作物が、毎年のように何者かによって荒らされてしまうということで、この人は、ある年もその作
物を作って、そして見回りに行くと人間が取ったのかそれとも猪がとったの、荒らしておるのかどっちとも
区別つかないように非常に作物が荒らされておったそうです。それでその人はもうこれは確かに猪がやって
おるかもわからないと、それとも人間がやっておるかもわからないから、一つ、それを撃ち取らなければな
らないというのでんー、弓を持ってそれからまた槍を持ってそれで一晩中そこの作物の番をしておったそう
です。そしたら、夜中、夜のもはや、夜中を過ぎたころに、畑の中で、ごそごそして非常に作物を荒した、
様子が見えたのでその人は、弓を隠したところからゆっくりと近寄っていってですね、その荒らしているも
の、の、を弓でまんこんの力をはら、振り絞ってその弓を放したところが、うまいこと、その獲物に命中し
た。それでその人は近寄って持っている自分の手槍でまた、(聞き取り不能)これを突き殺してそして、や
れやれと思って確かにこれは猪であると、早合点してその荒らしたものに、手を触れてみたら、「アンヒャ
カランヤ。」猪ではなくしてですね、猪は毛があるからすぐ分かるんだけど猪じゃなくして、んで、肌がつ
るつるして、そのこの人ははっきり猪だと思っておったのがつるつるしている肌だもんだから今度は逆にも
うびっくりしてこれは確かに人間であるということを早合点してしもうてですね、これは大変なことになっ
たと思って、もうそのままもうなんにももう後ろも振り向かずにそのままもうびっくりして家に帰ってです
ね、帰って来て自分と非常に仲のよい友達にですね、この友達は一つの握り飯でも二つに分け合って、食べ
るぐらいの非常に親しい間柄の友達に、自分の今までの出来事を話してどうかなんとか自分に協力してくれ
ということを非常に心から頼み込んだそうです。そしたらその友達はですね、その場で、「いやこういう事
は自分はもう、んー、君から聞いたこともないと言うふうにして君もまた僕に話しかけてもないというふう
にしてこの事をなかった事にしてもうこれはもうはっきり僕も知らないということにするから君はもうどっ
かにこの話を持ってってくれ僕はこの話は知らないことにする。」というて無碍もなく断ったそうですねそ
の友達は、その人はもう自分の兄弟がもう一人おるそうですがその兄弟とは、非常に仲悪くてですね、二人
顔合わしたら悪いことを罵り合って非常にもう普段から仲が悪い兄弟だったらしいです。それでそのやむを
得なくもう自分の兄弟のところに行って自分はこういうことを今日やったが、もう誰にもはなすことできな
い。君にしかあんたにしか話されないからなんとか、協力してくれんかというんでその兄弟は、とっさにこ
れは大変なことになった。それじゃーもう二人でこれは何とかしなければいけないと二人で強力してさあ夜
が明けないうちに早くその現場に行ってそれをかたづけようではないかという相談がまとまって二人はもう
家を飛び出してもう急いでその畑にいったそうです。そしてもう畑についた頃には夜が白みかけて明け方、
近くになっておってその獣のそばへ寄ってみると、「アンヒャカラン。」それは猪でも人間でもなくてです
ね、大きなあの鰻だったそうですね。で鰻はその真っ黒い肌にそして刺された弓の弓矢の跡とか槍の跡から
赤い血を垂らしてそこに転んでおってその人はやれやれと二人はもう手を取ってもう抱き合ってもう泣かん
ばかりにして喜び合って非常にそこで兄弟というもののありがたさを分かってですね、んー、二人はもうそ
の鰻をそのまま連れてえー持ってですね、村へ帰ってもうこれから二人で仲良くしようともう仲直りの大き
な宴をはったそうです。それでこの鰻はですね実はあそこから、このすなだからあのずっと山越えしてです
ね名蔵という所があるんですがそこの近くに昔、「フキドゥクゥール。」というのがあったんです。そのク
ールの中に住んでおった鰻が、そこまで出てきて、その作物を荒らしておったということが分かってですね
、このみんなそれからその鰻が通った後の道はですね、いつも、平らかですね、昔はそのすなだという所で
苗をおろいて、昔の人はそこで苗を卸してこの苗を卸してですねムエラという大きな、田んぼへその苗を運
んでそこから運んで田植えをしておったらしんです。で、その鰻が作った道は平担でですね、つい最近まで
もその道はあったんですが今はもう開発されて、(聞き取り不能)運搬とかそういった道路に今使われてい
るんです。では、昔の人がいうのにその、道は鰻が作った道だということを聞かされておったもんです。ま
あこういう話ですね。
| レコード番号 | 47O160188 |
|---|---|
| CD番号 | 47O16C011 |
| 決定題名 | 兄弟の仲直り 大鰻(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 比屋根和喜 |
| 話者名かな | ひやねわき |
| 生年月日 | 19041025 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | - |
| 記録日 | 19760803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T04 登野城4 A-05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 猪,鰻,兄弟 |
| 梗概(こうがい) | 昔、今の何ですか農業試験場というところがあるんです。あそこの前のほうにですね、あそこの近くに すなだというところがあります。そこであの一人の男が農業をやっておったらしいです。そしたらその人は 大体昔の作物といえば、粟とか、今いうコウリャンですねそういうものを作っておったらしいです。そした らその、作物が、毎年のように何者かによって荒らされてしまうということで、この人は、ある年もその作 物を作って、そして見回りに行くと人間が取ったのかそれとも猪がとったの、荒らしておるのかどっちとも 区別つかないように非常に作物が荒らされておったそうです。それでその人はもうこれは確かに猪がやって おるかもわからないと、それとも人間がやっておるかもわからないから、一つ、それを撃ち取らなければな らないというのでんー、弓を持ってそれからまた槍を持ってそれで一晩中そこの作物の番をしておったそう です。そしたら、夜中、夜のもはや、夜中を過ぎたころに、畑の中で、ごそごそして非常に作物を荒した、 様子が見えたのでその人は、弓を隠したところからゆっくりと近寄っていってですね、その荒らしているも の、の、を弓でまんこんの力をはら、振り絞ってその弓を放したところが、うまいこと、その獲物に命中し た。それでその人は近寄って持っている自分の手槍でまた、(聞き取り不能)これを突き殺してそして、や れやれと思って確かにこれは猪であると、早合点してその荒らしたものに、手を触れてみたら、「アンヒャ カランヤ。」猪ではなくしてですね、猪は毛があるからすぐ分かるんだけど猪じゃなくして、んで、肌がつ るつるして、そのこの人ははっきり猪だと思っておったのがつるつるしている肌だもんだから今度は逆にも うびっくりしてこれは確かに人間であるということを早合点してしもうてですね、これは大変なことになっ たと思って、もうそのままもうなんにももう後ろも振り向かずにそのままもうびっくりして家に帰ってです ね、帰って来て自分と非常に仲のよい友達にですね、この友達は一つの握り飯でも二つに分け合って、食べ るぐらいの非常に親しい間柄の友達に、自分の今までの出来事を話してどうかなんとか自分に協力してくれ ということを非常に心から頼み込んだそうです。そしたらその友達はですね、その場で、「いやこういう事 は自分はもう、んー、君から聞いたこともないと言うふうにして君もまた僕に話しかけてもないというふう にしてこの事をなかった事にしてもうこれはもうはっきり僕も知らないということにするから君はもうどっ かにこの話を持ってってくれ僕はこの話は知らないことにする。」というて無碍もなく断ったそうですねそ の友達は、その人はもう自分の兄弟がもう一人おるそうですがその兄弟とは、非常に仲悪くてですね、二人 顔合わしたら悪いことを罵り合って非常にもう普段から仲が悪い兄弟だったらしいです。それでそのやむを 得なくもう自分の兄弟のところに行って自分はこういうことを今日やったが、もう誰にもはなすことできな い。君にしかあんたにしか話されないからなんとか、協力してくれんかというんでその兄弟は、とっさにこ れは大変なことになった。それじゃーもう二人でこれは何とかしなければいけないと二人で強力してさあ夜 が明けないうちに早くその現場に行ってそれをかたづけようではないかという相談がまとまって二人はもう 家を飛び出してもう急いでその畑にいったそうです。そしてもう畑についた頃には夜が白みかけて明け方、 近くになっておってその獣のそばへ寄ってみると、「アンヒャカラン。」それは猪でも人間でもなくてです ね、大きなあの鰻だったそうですね。で鰻はその真っ黒い肌にそして刺された弓の弓矢の跡とか槍の跡から 赤い血を垂らしてそこに転んでおってその人はやれやれと二人はもう手を取ってもう抱き合ってもう泣かん ばかりにして喜び合って非常にそこで兄弟というもののありがたさを分かってですね、んー、二人はもうそ の鰻をそのまま連れてえー持ってですね、村へ帰ってもうこれから二人で仲良くしようともう仲直りの大き な宴をはったそうです。それでこの鰻はですね実はあそこから、このすなだからあのずっと山越えしてです ね名蔵という所があるんですがそこの近くに昔、「フキドゥクゥール。」というのがあったんです。そのク ールの中に住んでおった鰻が、そこまで出てきて、その作物を荒らしておったということが分かってですね 、このみんなそれからその鰻が通った後の道はですね、いつも、平らかですね、昔はそのすなだという所で 苗をおろいて、昔の人はそこで苗を卸してこの苗を卸してですねムエラという大きな、田んぼへその苗を運 んでそこから運んで田植えをしておったらしんです。で、その鰻が作った道は平担でですね、つい最近まで もその道はあったんですが今はもう開発されて、(聞き取り不能)運搬とかそういった道路に今使われてい るんです。では、昔の人がいうのにその、道は鰻が作った道だということを聞かされておったもんです。ま あこういう話ですね。 |
| 全体の記録時間数 | 4:05 |
| 物語の時間数 | 3:55 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |