
あるところにえー、昔えー、とても金持ちのいえと、子供が沢山いらして、大金持ちの夫婦がい
らしたそうです。それで、その年の晩にもう汚れかかった痩せこけたお爺さんがいらして、年の晩にいらし
たから、そのとても、その、んー、金持ちの家には、「こんな年の晩に汚らわしい。こんな貧乏者なんてあ
の人の家汚して何でそんなに来たか、塩撒いてよこせ。」ということを言うてそのお爺さんに塩撒いてあっ
たそうです。したら、そのお爺さんは、「すまないけれども隣村行くけれども、日が暮れてしまって行けな
いから今晩一晩だけ助けいただけないかねー。」と頼みました。「出来ない。全然出来ません。人は年の晩
ていって、こんなにもあのちゃんとしてあのおるのに、年取ろうとしているのに、汚らわしい人が入って来
て、なんでもいいから、もう泊らさんから帰りなさい。」と言われて、このお爺さんは泣く泣く帰っていら
した。そして、隣の家にまた入られた。ところが隣では、年取った夫婦がいらして、とても子供いなくて、
貧乏であったそうです。それで、そこにいらしてから、「自分はこうして隣村行くけれども、日が暮れても
う行けなくなりましたから、すいませんね、今晩一晩泊めていただけないでしょうか。」とお聞きになった
そうです。そしたら、「こんな汚いところには、お泊り、泊まらしてあげることは出来ません。綺麗な家も
あるし、金持ちの家もあるし、どうぞ綺麗なところにいって泊まってください。」とこの夫婦は言われたそ
うです。ところが、このお爺さんは、「いや、汚いところじゃない。汚くても何でもかまわんから泊まらし
てくれ。」「そうでございますか、それならばどうぞ泊まって下さいませ。こんな汚いところでもよかった
ら泊まってくださいませ。」と言われてで、その晩ここに泊まりながらで、「あなたなんかは、あなた方夫
婦は、お正月年の晩てがあるんだけれども、ご馳走も無い、ただこんなに火を燃やしておるが。」と言われ
たら、「何にもご馳走作るあれも無いから火を焚いて、火正月をしています。」と言われたらしい。それで
、「そうか。そうですか。それは気の毒ですね。それならばそれならば、あなた方にちょっとお聞きしたい
ことあります。あのな、お金持ちになるのと、また若くなるのとどっちがあなた方のお望みでしょうか。」
とこのお爺さんは汚いお爺さんは聞かれたら、「そうですね、私達は、年取って何もできませんから、若く
なるのが、若くなるのが、若くならしていただけるんだったら、すみませんが若くなしていただくのが大い
に望みでございます。」と言われたそうです。そしたらそのお爺さんはそこで、真面目にして、「何かこう
火を燃やしているところに鍋を持ってきて掛けなさい。」といわれて、そしてお鍋持ってきて掛けてお爺さ
んが何かしらかこう懐から出して、入れて、したらご馳走が、それからいっぱい出てきてお正月をその夫婦
二人に(聞き取り不能)けて、このお爺さんは喜んで、そして、明日の朝は起きるともう、三十、四十位に
若くなっていらしたそうです。それで、この隣のお金持ちの人たちはもう元旦に、「何でこんなにあなた方
がは昨日まではお爺さんお婆さん、白髪生えたお爺さんお婆さんであったのに、今日はこんなに、若くなっ
ていらっしゃるんですか。珍しい私たちにも聞かしてくれないか。」と言ったら、「昨日ですね、この人た
ちは人間が見たら、んー、昨日夕方お爺さんがいらして、あなた方は、お正月もしないでどうしてこんなに
寒々しておるか。と言うてお、御馳走も出してもらえるし、そして若くしてもらったんですよ。」と言うた
ところが、その隣の人は、「そうですか。それなラバどこにそのお爺さんは行きましたかね。」「どこの後
ろの山に、麓にいらっしゃると言われました。」と言うたら、この隣の金持ちは家族中連れて山の麓に行っ
たところが、このこのなんです、行ったところが子供なんか家族が沢山おってあんな、鳥になり、烏になり
、雀になりもう色々な獣になられたそうです。なったそうです。それから、この夫婦は、「あなた方は、私
してあげるから、お隣の人らみたいに若くなりたいか。」「はいお願いします。」と言ったところが今度こ
の焼いた瓦が二つ出てきて、「あんたがたはね、これに座れば若くなります。」とあんだけお爺さんは言わ
れてからそして、それに座ったところがあのお猿さんになってミー猿髭猿になって、焼いた瓦に座ったもん
だから、お尻は赤くお猿のお尻は赤くなってるちゅうこと。それからお正月はおめでとうございます。お正
月は(聞き取り不能)若くなりして、おめでとうございますと言うそうでございます。
| レコード番号 | 47O160182 |
|---|---|
| CD番号 | 47O16C011 |
| 決定題名 | 猿長者(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 豊川サカイ |
| 話者名かな | とよかわさかい |
| 生年月日 | 18981215 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | - |
| 記録日 | 19750805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T03 登野城3 B-10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 日本昔話通観第26巻 P48 八重山諸島民話集P60 |
| キーワード | 火正月,若水,猿尻 |
| 梗概(こうがい) | あるところにえー、昔えー、とても金持ちのいえと、子供が沢山いらして、大金持ちの夫婦がい らしたそうです。それで、その年の晩にもう汚れかかった痩せこけたお爺さんがいらして、年の晩にいらし たから、そのとても、その、んー、金持ちの家には、「こんな年の晩に汚らわしい。こんな貧乏者なんてあ の人の家汚して何でそんなに来たか、塩撒いてよこせ。」ということを言うてそのお爺さんに塩撒いてあっ たそうです。したら、そのお爺さんは、「すまないけれども隣村行くけれども、日が暮れてしまって行けな いから今晩一晩だけ助けいただけないかねー。」と頼みました。「出来ない。全然出来ません。人は年の晩 ていって、こんなにもあのちゃんとしてあのおるのに、年取ろうとしているのに、汚らわしい人が入って来 て、なんでもいいから、もう泊らさんから帰りなさい。」と言われて、このお爺さんは泣く泣く帰っていら した。そして、隣の家にまた入られた。ところが隣では、年取った夫婦がいらして、とても子供いなくて、 貧乏であったそうです。それで、そこにいらしてから、「自分はこうして隣村行くけれども、日が暮れても う行けなくなりましたから、すいませんね、今晩一晩泊めていただけないでしょうか。」とお聞きになった そうです。そしたら、「こんな汚いところには、お泊り、泊まらしてあげることは出来ません。綺麗な家も あるし、金持ちの家もあるし、どうぞ綺麗なところにいって泊まってください。」とこの夫婦は言われたそ うです。ところが、このお爺さんは、「いや、汚いところじゃない。汚くても何でもかまわんから泊まらし てくれ。」「そうでございますか、それならばどうぞ泊まって下さいませ。こんな汚いところでもよかった ら泊まってくださいませ。」と言われてで、その晩ここに泊まりながらで、「あなたなんかは、あなた方夫 婦は、お正月年の晩てがあるんだけれども、ご馳走も無い、ただこんなに火を燃やしておるが。」と言われ たら、「何にもご馳走作るあれも無いから火を焚いて、火正月をしています。」と言われたらしい。それで 、「そうか。そうですか。それは気の毒ですね。それならばそれならば、あなた方にちょっとお聞きしたい ことあります。あのな、お金持ちになるのと、また若くなるのとどっちがあなた方のお望みでしょうか。」 とこのお爺さんは汚いお爺さんは聞かれたら、「そうですね、私達は、年取って何もできませんから、若く なるのが、若くなるのが、若くならしていただけるんだったら、すみませんが若くなしていただくのが大い に望みでございます。」と言われたそうです。そしたらそのお爺さんはそこで、真面目にして、「何かこう 火を燃やしているところに鍋を持ってきて掛けなさい。」といわれて、そしてお鍋持ってきて掛けてお爺さ んが何かしらかこう懐から出して、入れて、したらご馳走が、それからいっぱい出てきてお正月をその夫婦 二人に(聞き取り不能)けて、このお爺さんは喜んで、そして、明日の朝は起きるともう、三十、四十位に 若くなっていらしたそうです。それで、この隣のお金持ちの人たちはもう元旦に、「何でこんなにあなた方 がは昨日まではお爺さんお婆さん、白髪生えたお爺さんお婆さんであったのに、今日はこんなに、若くなっ ていらっしゃるんですか。珍しい私たちにも聞かしてくれないか。」と言ったら、「昨日ですね、この人た ちは人間が見たら、んー、昨日夕方お爺さんがいらして、あなた方は、お正月もしないでどうしてこんなに 寒々しておるか。と言うてお、御馳走も出してもらえるし、そして若くしてもらったんですよ。」と言うた ところが、その隣の人は、「そうですか。それなラバどこにそのお爺さんは行きましたかね。」「どこの後 ろの山に、麓にいらっしゃると言われました。」と言うたら、この隣の金持ちは家族中連れて山の麓に行っ たところが、このこのなんです、行ったところが子供なんか家族が沢山おってあんな、鳥になり、烏になり 、雀になりもう色々な獣になられたそうです。なったそうです。それから、この夫婦は、「あなた方は、私 してあげるから、お隣の人らみたいに若くなりたいか。」「はいお願いします。」と言ったところが今度こ の焼いた瓦が二つ出てきて、「あんたがたはね、これに座れば若くなります。」とあんだけお爺さんは言わ れてからそして、それに座ったところがあのお猿さんになってミー猿髭猿になって、焼いた瓦に座ったもん だから、お尻は赤くお猿のお尻は赤くなってるちゅうこと。それからお正月はおめでとうございます。お正 月は(聞き取り不能)若くなりして、おめでとうございますと言うそうでございます。 |
| 全体の記録時間数 | 9:08 |
| 物語の時間数 | 7:34 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |