真栄里マニカ(共通語)

概要

 昔人頭税時代に、どうしても人頭税を納めきれないで、部落に呼び寄せられて、相当きつい罰を受けた
と。それで、もう兄弟三名は、「いつまでも部落におるならこういう苦しみ受けるからもう三名一緒に逃げ
よう。」ということで、この於茂登山に三名は逃げて、昼は山の物を取る。夜は下へ下りてもう作物を荒ら
してそれをまあ生活を続けておったと。そういうときに、数年こういうふうに続いておるうちに平得の鳩間
、名前は、タニホウアブジという人がですね、槍使いで犬を数十頭持って山猪を獲るのが専門であった。そ
して於茂登山に上がったら、犬が泥棒の家を見つけて、それで、あんまり騒ぐもんだから、あの人はあの犬
の鳴き声を聞いて行ったら泥棒は犬も来るし、また人間来たもんだから、「この人間に家が見つかったんだ
からこいつは許してならない。殺そう。」としたら、「ちょっと待ってくれ。自分も君らの仲間になるんだ
。部落におられんからちょっと落ち着いてくれ。」と。そして見たら、牛を盗んできて殺して炊いておる最
中だった。「じゃこれもうわしに食わしてくれ。」ということで牛の御汁も食べて、これから元気付いて犬
にもあれを分けてやって、「さあ今からだ。お前たちは許してならない。お前たちはこういうふうにして人
の作ったものを荒らしておってね、いつも耳の外だけれども、今日は許さない。」と言って、犬をこれらに
向けたら犬がみんな三名に飛び掛ってきたもんだから、あの三人のマニカはお手上げして降参して、「命だ
けは助けてください。あんたの言うことなんでも聞きます。」と。「そうそれならいいから、わしの言うこ
と聞くなら許そう。今からこういう泥棒もしない悪いこともしないで三食のご飯お酒すべて君らのよう求す
るものみんな自分は送るから、その代わり八反位の田んぼが、あのサイナーラというところにある向こうの
田んぼを日の綺麗なときに来て、耕しなさい。それならもう食料をやる。」と言って、向こうに立派な家も
あるから、あの家に食料を置けばあれらが来て田んぼは夜やってくれる。隣の人は、「あの家の人は、おっ
かしいな、昼は山猪獲りに行って夜は田んぼ耕しとおるんで、あんなに昨日まで荒れていた田んぼが耕され
た。」と不思議に思っておるけど、やっぱそのことをみんなが知らなかったわけです。それで、翌年、二、
三年続いたら、マニカはそこから消しておって、気が付いたら、この付近から約三キロ位離れた名蔵に場所
を変えて、それから名蔵の農作物を荒らして名蔵から女を一人調達してそれを三名の家内にしておったら、
女は、「これではもう大変だ。どうにかして自分助からなきゃいかない。」と言うことで、「じゃ、我々は
いつまでもこんなにしておったら、やがて子供も生まれるはずだ。もう着物も準備しなければいかない。機
織を持ってきて、お互いに着る着物も普通の人並みに着ていこうじゃないか。」というふうにあれらを相談
してちょうどケーラヅクというとこまであれらを案内して来た。ケーラヅクといえばあの部落からちょっと
近いんですね、千メーターぐらい離れとおる山まで連れて来て、「あなたたちはわしが部落で行って、あれ
を持ってくる。あの機織を準備してくるまでには、あんたたちは船を盗んできて離島へ逃げる準備しなさい
。」とうまいことを言うて、あれらは船を盗んできて船に乗って待っとるところを部落の人が囲んで包囲し
たということであります。

再生時間:4:35

民話詳細DATA

レコード番号 47O160156
CD番号 47O16C009
決定題名 真栄里マニカ(共通語)
話者がつけた題名 真栄里マニカの話
話者名 大浜侑夫
話者名かな おおはまいくお
生年月日 19060717
性別
出身地
記録日 19750805
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 T02 登野城2 B-13
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく) むかし
伝承事情
文字化資料
キーワード 人頭税,三人兄弟,マニカ
梗概(こうがい)  昔人頭税時代に、どうしても人頭税を納めきれないで、部落に呼び寄せられて、相当きつい罰を受けた と。それで、もう兄弟三名は、「いつまでも部落におるならこういう苦しみ受けるからもう三名一緒に逃げ よう。」ということで、この於茂登山に三名は逃げて、昼は山の物を取る。夜は下へ下りてもう作物を荒ら してそれをまあ生活を続けておったと。そういうときに、数年こういうふうに続いておるうちに平得の鳩間 、名前は、タニホウアブジという人がですね、槍使いで犬を数十頭持って山猪を獲るのが専門であった。そ して於茂登山に上がったら、犬が泥棒の家を見つけて、それで、あんまり騒ぐもんだから、あの人はあの犬 の鳴き声を聞いて行ったら泥棒は犬も来るし、また人間来たもんだから、「この人間に家が見つかったんだ からこいつは許してならない。殺そう。」としたら、「ちょっと待ってくれ。自分も君らの仲間になるんだ 。部落におられんからちょっと落ち着いてくれ。」と。そして見たら、牛を盗んできて殺して炊いておる最 中だった。「じゃこれもうわしに食わしてくれ。」ということで牛の御汁も食べて、これから元気付いて犬 にもあれを分けてやって、「さあ今からだ。お前たちは許してならない。お前たちはこういうふうにして人 の作ったものを荒らしておってね、いつも耳の外だけれども、今日は許さない。」と言って、犬をこれらに 向けたら犬がみんな三名に飛び掛ってきたもんだから、あの三人のマニカはお手上げして降参して、「命だ けは助けてください。あんたの言うことなんでも聞きます。」と。「そうそれならいいから、わしの言うこ と聞くなら許そう。今からこういう泥棒もしない悪いこともしないで三食のご飯お酒すべて君らのよう求す るものみんな自分は送るから、その代わり八反位の田んぼが、あのサイナーラというところにある向こうの 田んぼを日の綺麗なときに来て、耕しなさい。それならもう食料をやる。」と言って、向こうに立派な家も あるから、あの家に食料を置けばあれらが来て田んぼは夜やってくれる。隣の人は、「あの家の人は、おっ かしいな、昼は山猪獲りに行って夜は田んぼ耕しとおるんで、あんなに昨日まで荒れていた田んぼが耕され た。」と不思議に思っておるけど、やっぱそのことをみんなが知らなかったわけです。それで、翌年、二、 三年続いたら、マニカはそこから消しておって、気が付いたら、この付近から約三キロ位離れた名蔵に場所 を変えて、それから名蔵の農作物を荒らして名蔵から女を一人調達してそれを三名の家内にしておったら、 女は、「これではもう大変だ。どうにかして自分助からなきゃいかない。」と言うことで、「じゃ、我々は いつまでもこんなにしておったら、やがて子供も生まれるはずだ。もう着物も準備しなければいかない。機 織を持ってきて、お互いに着る着物も普通の人並みに着ていこうじゃないか。」というふうにあれらを相談 してちょうどケーラヅクというとこまであれらを案内して来た。ケーラヅクといえばあの部落からちょっと 近いんですね、千メーターぐらい離れとおる山まで連れて来て、「あなたたちはわしが部落で行って、あれ を持ってくる。あの機織を準備してくるまでには、あんたたちは船を盗んできて離島へ逃げる準備しなさい 。」とうまいことを言うて、あれらは船を盗んできて船に乗って待っとるところを部落の人が囲んで包囲し たということであります。
全体の記録時間数 4:53
物語の時間数 4:35
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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