マッチと大牛の交換(共通語)

概要

多分明治の始めごろじゃないかと思うんですよ。昔は火をつけるのに火打ち用の石とか、また木を擦ってから火をつけるとか相当皆苦労していましたよね。そんなときに、すぐそこの登野城の前の浜で、唐の福建から来た人だと思うんですがマッチを持ってきてから煙草飲みよったって。そこを通りかかって見た登野城の人が、「ああ、珍しいな。なるほど。これは立派な火をつけるものだ。これがあればそんな苦労もせずにこれがすむんだ。」と思って見とったが、やっぱしこれを欲しがったから、その福建の人と話をしたら、「じゃあ、牛一頭とこれと交換しようか。」と言うわけね。そう話が決まって、昔、唐箱(とうばこ)って言ったこんな小さいマッチ箱をね、大きな牛との交換して一応はマッチ箱を手に入れたから、「これは、珍しいめずらしい宝物を手に入れた。」と言って喜んでいたらね、福建の人は、「じゃあ、このこのマッチ危ないから、一応これを使って夜寝るときには、一番座の前の礎(いしじ)の側にね、ちょっと穴を掘ってそこに埋めてそれを泥や砂を被せておきなさい。」と言うたわけですよね。昔の家ちゅうのは今みたいに玄関があるわけでもないし、パッと開いて前に廊下があり、柱があってすぐ下は礎(いしじ)ですよ。それで、その人は、「はい。」言(ちゅ)うていたから、それを交換してからいつもそういうふうにしておったって。それで二、三日後に福建の人がまた夜中に人が寝静まった後で行って、一番座の前の礎(いしじ)の側を掘ってみたら、マッチがあるもんだからね、この頓智のある人は、「しめた。自分が言うた通りやってる。」と言って、そのマッチ箱を盗って、持ち帰ったわけですよね。その後で登野城の人はマッチがないもんだから、慌てたでしょうね。

再生時間:5:22

民話詳細DATA

レコード番号 47O340872
CD番号 47O34C067
決定題名 マッチと大牛の交換(共通語)
話者がつけた題名
話者名 慶田城安貞
話者名かな けだしろあんてい
生年月日 19170928
性別
出身地 沖縄県石垣市字登野城
記録日 19980908
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市登野城 T11 B04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 13,20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 石垣島の民話 P229
キーワード 明治,火打ち,石,木を擦って,登野城,唐,福建,マッチ,煙草飲み,珍しい,苦労,牛一頭,交換,唐箱,宝物,一番座,礎,いしじ穴,頓智,持ち帰った
梗概(こうがい) 多分明治の始めごろじゃないかと思うんですよ。昔は火をつけるのに火打ち用の石とか、また木を擦ってから火をつけるとか相当皆苦労していましたよね。そんなときに、すぐそこの登野城の前の浜で、唐の福建から来た人だと思うんですがマッチを持ってきてから煙草飲みよったって。そこを通りかかって見た登野城の人が、「ああ、珍しいな。なるほど。これは立派な火をつけるものだ。これがあればそんな苦労もせずにこれがすむんだ。」と思って見とったが、やっぱしこれを欲しがったから、その福建の人と話をしたら、「じゃあ、牛一頭とこれと交換しようか。」と言うわけね。そう話が決まって、昔、唐箱(とうばこ)って言ったこんな小さいマッチ箱をね、大きな牛との交換して一応はマッチ箱を手に入れたから、「これは、珍しいめずらしい宝物を手に入れた。」と言って喜んでいたらね、福建の人は、「じゃあ、このこのマッチ危ないから、一応これを使って夜寝るときには、一番座の前の礎(いしじ)の側にね、ちょっと穴を掘ってそこに埋めてそれを泥や砂を被せておきなさい。」と言うたわけですよね。昔の家ちゅうのは今みたいに玄関があるわけでもないし、パッと開いて前に廊下があり、柱があってすぐ下は礎(いしじ)ですよ。それで、その人は、「はい。」言(ちゅ)うていたから、それを交換してからいつもそういうふうにしておったって。それで二、三日後に福建の人がまた夜中に人が寝静まった後で行って、一番座の前の礎(いしじ)の側を掘ってみたら、マッチがあるもんだからね、この頓智のある人は、「しめた。自分が言うた通りやってる。」と言って、そのマッチ箱を盗って、持ち帰ったわけですよね。その後で登野城の人はマッチがないもんだから、慌てたでしょうね。
全体の記録時間数 7:16
物語の時間数 5:22
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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