
灰坊と言う話だが、灰坊という子を継親がいじめていたって。この子はいつもカマドの灰の中で寝ていた。継親は自分の子供じゃないので憎んで、殺したいと思っていた。アンマーチーチって分かるかね。蔦になる実で、アンマーチーチと言うのだが、あれは崖の所になるでしょう。それをどう言ったかというと「私は今日は病気だから、その実を持ってきて絞って飲ませてちょうだい。」と言った。摘みに行ったら落ちて死ぬだろうと思って。自分では殺せないからね、そう言ったって。それでも子供はなんとかそのときは凌いだ。そしたら今度はまた、もうとっても寒い時に寒くて氷も張っているような時に「私は病気なので、魚とってきて料理して、私の病気を治してちょうだい。」と言う。継親の好みなんでしょう。そうしたらこの子供は、もう氷も張っているので魚など取ることは出来ない。泣いたら目から涙が流れ、涙は熱いでしょう。それで氷は溶けて魚を取ることが出来たので、親に食べさせた。それを食べてもまだ治らず、今度は犬の肝、犬だったはず、肝とって来いと言って、犬殺してよ。犬じゃなかったらこの子供の肝だったかねー。この子供の肝だったはず。「あんたの肝をとって料理して私にちょうだい。そしたら病気が治るから。」とこの親が言ったので、子供はそれを坊主に話したら「そういうことなら私がおまえを逃がしてやるからな。と言って逃がし、別の人の所へ使用人として預けた。これから灰坊の話だよ。(訳難)そして坊主は「これは子供の肝だよ」と言って、犬の肝を親の所に持たせた。この子供は逃がして別の人が持って行った。この坊主が灰坊を連れて行った家は、金持ちでたくさん使用人がいた。夜になると蛍をビンに集めて床下で勉強をした。灰坊と言って馬鹿にされることもあった。そこではたくさんの男を使っていた。そしてこの家には娘がいたので婿選びをすることになった。この灰坊は偉い人だった。毎日勉強していた。灰坊と言って馬鹿にする人もいたが。今日は婿選びをすると言うので皆きれいな格好をしていた。使用人の男達に鞠を投げて、当たった人が婿になると言うので、皆表に出ていた。でも誰にも鞠を投げずに灰坊に投げたので、娘の親は心配して「まあ大変。あんな灰坊に、カマドの後ろで寝るような人に鞠を投げて、どうしましょう。それでも娘が選んだのだから。」と言って、灰坊にきれいな格好をさせて、立派な格好をさせて何とかなった。灰坊の親夫婦は乞食になってその家に物乞いにやって来た。子供は死んだと思っていたので、ここにいるとは思っていなかった。それでここに物乞いに来たら子供が「ああお父さんお母さん」と言ったので二人とも卒倒して(死んで)しまった。母親を埋めたら生姜が生えてきて、ウッチンと生姜がけんかしている。ウッチンは弱いでしょう、生姜より。お父さんはまた度胸が弱いからね。そのとおりだったよ。
| レコード番号 | 47O417803 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C391 |
| 決定題名 | 灰坊(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 喜瀬カマド |
| 話者名かな | きせかまど |
| 生年月日 | 19040000 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 宜野湾市真栄原 |
| 記録日 | 19800713 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 宜野湾T31B31 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 灰坊,継親,カマドの灰,殺したい,蔦,崖,魚,犬の肝,婿選び |
| 梗概(こうがい) | 灰坊と言う話だが、灰坊という子を継親がいじめていたって。この子はいつもカマドの灰の中で寝ていた。継親は自分の子供じゃないので憎んで、殺したいと思っていた。アンマーチーチって分かるかね。蔦になる実で、アンマーチーチと言うのだが、あれは崖の所になるでしょう。それをどう言ったかというと「私は今日は病気だから、その実を持ってきて絞って飲ませてちょうだい。」と言った。摘みに行ったら落ちて死ぬだろうと思って。自分では殺せないからね、そう言ったって。それでも子供はなんとかそのときは凌いだ。そしたら今度はまた、もうとっても寒い時に寒くて氷も張っているような時に「私は病気なので、魚とってきて料理して、私の病気を治してちょうだい。」と言う。継親の好みなんでしょう。そうしたらこの子供は、もう氷も張っているので魚など取ることは出来ない。泣いたら目から涙が流れ、涙は熱いでしょう。それで氷は溶けて魚を取ることが出来たので、親に食べさせた。それを食べてもまだ治らず、今度は犬の肝、犬だったはず、肝とって来いと言って、犬殺してよ。犬じゃなかったらこの子供の肝だったかねー。この子供の肝だったはず。「あんたの肝をとって料理して私にちょうだい。そしたら病気が治るから。」とこの親が言ったので、子供はそれを坊主に話したら「そういうことなら私がおまえを逃がしてやるからな。と言って逃がし、別の人の所へ使用人として預けた。これから灰坊の話だよ。(訳難)そして坊主は「これは子供の肝だよ」と言って、犬の肝を親の所に持たせた。この子供は逃がして別の人が持って行った。この坊主が灰坊を連れて行った家は、金持ちでたくさん使用人がいた。夜になると蛍をビンに集めて床下で勉強をした。灰坊と言って馬鹿にされることもあった。そこではたくさんの男を使っていた。そしてこの家には娘がいたので婿選びをすることになった。この灰坊は偉い人だった。毎日勉強していた。灰坊と言って馬鹿にする人もいたが。今日は婿選びをすると言うので皆きれいな格好をしていた。使用人の男達に鞠を投げて、当たった人が婿になると言うので、皆表に出ていた。でも誰にも鞠を投げずに灰坊に投げたので、娘の親は心配して「まあ大変。あんな灰坊に、カマドの後ろで寝るような人に鞠を投げて、どうしましょう。それでも娘が選んだのだから。」と言って、灰坊にきれいな格好をさせて、立派な格好をさせて何とかなった。灰坊の親夫婦は乞食になってその家に物乞いにやって来た。子供は死んだと思っていたので、ここにいるとは思っていなかった。それでここに物乞いに来たら子供が「ああお父さんお母さん」と言ったので二人とも卒倒して(死んで)しまった。母親を埋めたら生姜が生えてきて、ウッチンと生姜がけんかしている。ウッチンは弱いでしょう、生姜より。お父さんはまた度胸が弱いからね。そのとおりだったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:00 |
| 物語の時間数 | 4:54 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |