
城間仲はどのようにして金持ちになったのかは知らないが、昔からの金持ちで首里真嘉比あたりの土地はほとんど城間仲のものだったらしい。城間仲はよく田芋を作ったらしいが、その田芋はいつも掘り起こされていた。そこで、城間仲は「これではいけない」と毎夜、畑にひそんで番をしていた。すると、案の定、田芋泥棒が来て、田芋を掘り起こし家に持って行くので、城間仲がのぞくと、盗んだ田芋をちゃんと掛けとして書きまとめていた。城間仲はその泥棒が金がないので仕方なく掛けをして盗んでいたんだと思い、それ以来、畑の番をせずに田芋を掘り起こして盗むだけ盗ませていた。その後、泥棒は掛けをだしたので、利子も含めて城間仲の家に金を持ってきた。しかし、城間仲は「あんたがそれだけ考えているのなら、私はこのお金を受け取らない」と言って、田芋の代金を受け取らなかった。それで、その泥棒は七月、正月には供え物を持ってきたそうだ。だから他の金持ちの財産は減っても、城間仲の財産は減らなかったそうだ。この先にもまた真嘉比の上の人が、子供の正月の御馳走を食べさせるものがないからと、城間仲の家に大歳の日に泥棒に入った。その泥棒が明るいうちから天井に隠れているのを城間仲は見ていた。そして、大歳の夕飯を準備して女中が「あなた一人なのに、なぜいくつも持ってくるのですか」と言うと、「何でもいいから持って来なさい」と言い、城間仲の奥さんも「そういうなら持っておいで」と言いつける。そして夕飯を持って来ると、「天井に人が上がっているから『降りて来て、年を越しなさい』と言いなさい」と城間仲が言った。泥棒は天井で聞いていて仕方なく天井から降りて来た。城間仲が「なぜ、今日の大歳の日にここに来たか」と聞くと、泥棒は「私は金がなく子供達に正月の御馳走をあげることができないので、この家が夕飯を食べ終わって寝静まる頃に金を盗むつもりでした」と言う。それで城間仲は「そうか、それならお前は御馳走を沢山食べて子供達にも持って行ってあげなさい」と肉やや何やらを持たせてあげた。それで城間仲の財産が減ることはなく、その泥棒も七月、正月には毎年お礼に来たそうだ。
| レコード番号 | 47O417671 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C386 |
| 決定題名 | 城間仲 掛け盗人 大歳の盗人(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 比嘉恵松 |
| 話者名かな | ひがけいまつ |
| 生年月日 | 18950000 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 中城村 |
| 記録日 | 19800227 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 宜野湾T28A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | - |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 村の年寄りから聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 城間仲,金持ち,首里真嘉比,田芋泥棒,正月の御馳走,大歳の日 |
| 梗概(こうがい) | 城間仲はどのようにして金持ちになったのかは知らないが、昔からの金持ちで首里真嘉比あたりの土地はほとんど城間仲のものだったらしい。城間仲はよく田芋を作ったらしいが、その田芋はいつも掘り起こされていた。そこで、城間仲は「これではいけない」と毎夜、畑にひそんで番をしていた。すると、案の定、田芋泥棒が来て、田芋を掘り起こし家に持って行くので、城間仲がのぞくと、盗んだ田芋をちゃんと掛けとして書きまとめていた。城間仲はその泥棒が金がないので仕方なく掛けをして盗んでいたんだと思い、それ以来、畑の番をせずに田芋を掘り起こして盗むだけ盗ませていた。その後、泥棒は掛けをだしたので、利子も含めて城間仲の家に金を持ってきた。しかし、城間仲は「あんたがそれだけ考えているのなら、私はこのお金を受け取らない」と言って、田芋の代金を受け取らなかった。それで、その泥棒は七月、正月には供え物を持ってきたそうだ。だから他の金持ちの財産は減っても、城間仲の財産は減らなかったそうだ。この先にもまた真嘉比の上の人が、子供の正月の御馳走を食べさせるものがないからと、城間仲の家に大歳の日に泥棒に入った。その泥棒が明るいうちから天井に隠れているのを城間仲は見ていた。そして、大歳の夕飯を準備して女中が「あなた一人なのに、なぜいくつも持ってくるのですか」と言うと、「何でもいいから持って来なさい」と言い、城間仲の奥さんも「そういうなら持っておいで」と言いつける。そして夕飯を持って来ると、「天井に人が上がっているから『降りて来て、年を越しなさい』と言いなさい」と城間仲が言った。泥棒は天井で聞いていて仕方なく天井から降りて来た。城間仲が「なぜ、今日の大歳の日にここに来たか」と聞くと、泥棒は「私は金がなく子供達に正月の御馳走をあげることができないので、この家が夕飯を食べ終わって寝静まる頃に金を盗むつもりでした」と言う。それで城間仲は「そうか、それならお前は御馳走を沢山食べて子供達にも持って行ってあげなさい」と肉やや何やらを持たせてあげた。それで城間仲の財産が減ることはなく、その泥棒も七月、正月には毎年お礼に来たそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:24 |
| 物語の時間数 | 5:18 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |