
あれは、大体、百姓であるからね、野嵩は。それであの、昔トゥビイクサというのがあったらしいですよ。その場合にあのう、このイリジョウバルといって山川原というのだがね、イリジョウバルは。そこでマミナトウ耕すためにね、昔のあの、酒樽ですね、あの馬の背中につける酒樽<御存じですか>、あれに水を入れてですよ。原の前において、自分の耕す前において、あの働いているのを、トウビイクサというのが渡って来てですね、そうして、それを見たら酒だから珍しく思って、馬から降りて、「そこに、あの、前にしているのは何か」とたずねたら「これは酒ではなくて水である」と名のってですよ。そう言うたものだから、「そんな水は、その自分一人で飲みきれるか」と言うたら、「毎日、わしはこれだけ飲まなければ仕事はできない」と言うたんでですね、で、不思議に思って「いやー、あんたは、これだけ水も飲みきれる人間ならば、わしらの供もできるから、供やらんか」と言うたら、「ひゃー、やります」と言ってですね、行ったら、まっ先に行って、あのう敵の首をとってですね、首里城にあがって、それから、「じゃー、あんたはもう隠れ武士やくとう、君望まば、褒美んくてぃしむくとう、君望みは何か」と言うたら、それもまた土地という話なんですね。「じゃー、どれぐらいあったらいいか」と言うたら「七カ―グチ貰わんと私はいかない」という望みであったらしいよ。それで、「じゃ、七カーグチと言うたら、この沖縄のなには七カーグチしかないのに、じゃぁ、この王様は、じゃ、また食うものはないのに、これではいかん。」と言うなんでですね、「じゃあミカーグチに押さえようじゃないか。」と言ってミカーグチを貰わすという話ぶりは出ておったらしいですよ。「じゃあ、うっさぐゎーいいしよかねー、いいらんせーまし」んでぃ、また貰わなかったと言う話ぶりなんですがね。それで、自分らの子孫だが、それは、その年寄りの連中は、「私達祖先や、さらふり者やてんどー。ミカーグチやてぃん、いーとーきば私達までぃん、私達、何んさんよーやー、ぜい沢に暮らさりてーるむん。なー、そーふり者やーる」んり、もう物笑いに聞いておったんですよ。現在、その人がまた死んだ場合には、「わしは普通の墓には入れるな。そのいぜんですね、水のある、湧口のですね、あまんかい、うくてぃとぅらし」んでいち、現在、また、その人の墓はですね、下は多水ですよ。ほら穴ですがね。その墓は作った墓じゃなくて、昔からのほら穴、それが下は、大水ですよ。私達ん、清明とかなんとかには、そこに行きよったんだから、おカミばかりるいちょーる、なーガマぐゎーやくとぅーよ。自然壕ですよ。
| レコード番号 | 47O416803 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C358 |
| 決定題名 | 島袋ペーチンの話(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮本一郎 |
| 話者名かな | みやもといちろう |
| 生年月日 | 19110807 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 宜野湾市野嵩 |
| 記録日 | 19780611 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 宜野湾T01A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 百姓,野嵩,トゥビイクサ,イリジョウバル,山川原,酒樽,敵の首,首里城,隠れ武士,七カ―グチ |
| 梗概(こうがい) | あれは、大体、百姓であるからね、野嵩は。それであの、昔トゥビイクサというのがあったらしいですよ。その場合にあのう、このイリジョウバルといって山川原というのだがね、イリジョウバルは。そこでマミナトウ耕すためにね、昔のあの、酒樽ですね、あの馬の背中につける酒樽<御存じですか>、あれに水を入れてですよ。原の前において、自分の耕す前において、あの働いているのを、トウビイクサというのが渡って来てですね、そうして、それを見たら酒だから珍しく思って、馬から降りて、「そこに、あの、前にしているのは何か」とたずねたら「これは酒ではなくて水である」と名のってですよ。そう言うたものだから、「そんな水は、その自分一人で飲みきれるか」と言うたら、「毎日、わしはこれだけ飲まなければ仕事はできない」と言うたんでですね、で、不思議に思って「いやー、あんたは、これだけ水も飲みきれる人間ならば、わしらの供もできるから、供やらんか」と言うたら、「ひゃー、やります」と言ってですね、行ったら、まっ先に行って、あのう敵の首をとってですね、首里城にあがって、それから、「じゃー、あんたはもう隠れ武士やくとう、君望まば、褒美んくてぃしむくとう、君望みは何か」と言うたら、それもまた土地という話なんですね。「じゃー、どれぐらいあったらいいか」と言うたら「七カ―グチ貰わんと私はいかない」という望みであったらしいよ。それで、「じゃ、七カーグチと言うたら、この沖縄のなには七カーグチしかないのに、じゃぁ、この王様は、じゃ、また食うものはないのに、これではいかん。」と言うなんでですね、「じゃあミカーグチに押さえようじゃないか。」と言ってミカーグチを貰わすという話ぶりは出ておったらしいですよ。「じゃあ、うっさぐゎーいいしよかねー、いいらんせーまし」んでぃ、また貰わなかったと言う話ぶりなんですがね。それで、自分らの子孫だが、それは、その年寄りの連中は、「私達祖先や、さらふり者やてんどー。ミカーグチやてぃん、いーとーきば私達までぃん、私達、何んさんよーやー、ぜい沢に暮らさりてーるむん。なー、そーふり者やーる」んり、もう物笑いに聞いておったんですよ。現在、その人がまた死んだ場合には、「わしは普通の墓には入れるな。そのいぜんですね、水のある、湧口のですね、あまんかい、うくてぃとぅらし」んでいち、現在、また、その人の墓はですね、下は多水ですよ。ほら穴ですがね。その墓は作った墓じゃなくて、昔からのほら穴、それが下は、大水ですよ。私達ん、清明とかなんとかには、そこに行きよったんだから、おカミばかりるいちょーる、なーガマぐゎーやくとぅーよ。自然壕ですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:49 |
| 物語の時間数 | 3:41 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |