赤嶺勢理客の話 煙草盆(シマグチ)

概要

勢理客御主の由来記で、いかに達者だったかという点は、これは、子や孫への手形として、昔の火取り、火取りですねー、煙草盆、これを勢理客御主が使いなさった形見として、五人兄弟に、渡されていたのですが、この煙草盆の件から、話は出ますが。
 実は、勢理客御主が、くぼ地で、うつむいて、畑仕事をしている時、トゥムシクラーという武士が、「赤嶺の勢理客の家は、どこか。」と尋ねなさったので、「どこ、どこだ。」と、この馬に乗って来られたトゥムシクラーに教えて、自分の家へ遠まわりして行くように教えて、自分は、上の森を近道して、家で待っていて、トゥムシクラーが、馬に乗って入って来られたので「どうぞ。」といって、家に迎えて、今度はまた、宮平から妻になさった、この祝女も同じく(武勇が)達者だったので、(御主が)「火取り(煙草盆)、持って来い。」というと、妻が火取りを持って置こうとたら、このトゥムシクラーは、受け取ることができないで、「これは、女でも、このように達者だもの、これは、私がは、とてもかなわない。」といって、ここに、(勝負を)仕掛けにいらっしゃったトゥムシクラーは、もう、この力のあまりの差に、おどろいて、今度は、(勝負を)仕掛けることもできないで、すぐ、帰りなさったらしい。
 そしたら、今度は勢理客御主は、「とー、(勝負を)仕掛けに来て、これは、普通の人ではないな。」といって、また、自分の畑の前に来て待っていたら、くびりから、馬に乗って、トゥムシクラーが、下りてきたので、「待てー。」といって、待たせて、せっかく勝負しに来たのに、勝負もしないで戻るのかといって、ここで、馬の足を二つ、取掴(つかま)えて、馬の股、引き裂いたので、このトゥムシクラーは、もう、あやまって、「これは、私がは、かなわない。」といって、くびりの坂を逃げていったって。このようにして、本当の力の差というのは、普通の武士では、真似は、できなかったという伝え話ですね。

再生時間:3:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O160508
CD番号 47O16C027
決定題名 赤嶺勢理客の話 煙草盆(シマグチ)
話者がつけた題名 赤嶺ジッチャク
話者名 長嶺武市
話者名かな ながみねたけいち
生年月日 19171130
性別
出身地
記録日 19750622
記録者の所属組織 沖縄口承文芸調査団
元テープ番号 T5 A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12,20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 那覇の民話資料(第1集 小禄地区)P87
キーワード 力勝負,武士,由来記,煙草盆,
梗概(こうがい) 勢理客御主の由来記で、いかに達者だったかという点は、これは、子や孫への手形として、昔の火取り、火取りですねー、煙草盆、これを勢理客御主が使いなさった形見として、五人兄弟に、渡されていたのですが、この煙草盆の件から、話は出ますが。  実は、勢理客御主が、くぼ地で、うつむいて、畑仕事をしている時、トゥムシクラーという武士が、「赤嶺の勢理客の家は、どこか。」と尋ねなさったので、「どこ、どこだ。」と、この馬に乗って来られたトゥムシクラーに教えて、自分の家へ遠まわりして行くように教えて、自分は、上の森を近道して、家で待っていて、トゥムシクラーが、馬に乗って入って来られたので「どうぞ。」といって、家に迎えて、今度はまた、宮平から妻になさった、この祝女も同じく(武勇が)達者だったので、(御主が)「火取り(煙草盆)、持って来い。」というと、妻が火取りを持って置こうとたら、このトゥムシクラーは、受け取ることができないで、「これは、女でも、このように達者だもの、これは、私がは、とてもかなわない。」といって、ここに、(勝負を)仕掛けにいらっしゃったトゥムシクラーは、もう、この力のあまりの差に、おどろいて、今度は、(勝負を)仕掛けることもできないで、すぐ、帰りなさったらしい。  そしたら、今度は勢理客御主は、「とー、(勝負を)仕掛けに来て、これは、普通の人ではないな。」といって、また、自分の畑の前に来て待っていたら、くびりから、馬に乗って、トゥムシクラーが、下りてきたので、「待てー。」といって、待たせて、せっかく勝負しに来たのに、勝負もしないで戻るのかといって、ここで、馬の足を二つ、取掴(つかま)えて、馬の股、引き裂いたので、このトゥムシクラーは、もう、あやまって、「これは、私がは、かなわない。」といって、くびりの坂を逃げていったって。このようにして、本当の力の差というのは、普通の武士では、真似は、できなかったという伝え話ですね。
全体の記録時間数 3:13
物語の時間数 3:00
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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