科学上は幽霊というのはいないと言われてはいるんだけど、私は、何回もそういうのは見てはいるから実際はいるわけさ。なぜかと言うと石垣の大浜出身で今石垣の教育委員になっている石垣英智という先生とは、親しかったわけさね。その方がこちらの比川の学校の校長になってきた年、私(うち)の弟の次男坊が小学六年のときだったかな、ある晩、四、五名の方が来て、「日曜日利用して釣りに行くか。」と言って来られたわけさ。だから、南牧場に学校のピックアップで釣りに行ったわけさ。そこに着いたのは、一二時をまわって一時ごろだったから、あの校長先生は、「釣れなくってもいいから。」と魚を釣ったわけさね。だけどちょっと釣っていて、「あしたは学校だから、長い時間釣ってはおれない。もう帰ろう。」って言うから、私も、「帰りましょう。」と言って、道具引き上げて車に乗って帰って来たわけさ。そのとき自分達の乗っている車はピカップだから、校長が運転して私の脇の助手席に乗って、校長の親父さんだったみたいな人と私(うち)の子どもと後ろの枠に乗っていたのさ。その途中で、満田原(まんたばる)の道を抜けて、比川向きに出た途中で、赤い洋服着けた人が赤い馬に鞍かけて乗っていて、なんか傘みたいのをぶら下げて前から行くんだけど、夜の夜中で車っていうのはライトをつけてるだろう。自分は、「あれ、今ごろなんでこんな時間に馬に乗っているのかな。多分これは久部良帰りの人だろう。」と思って後ろから見ていたわけさ。ところがちょっと不思議なのは、車とその馬の距離がいつまでも同じ間隔なんだよな。こっちの車が早く走ると、前の馬も早く走る。ゆっくり走ると馬もゆっくりになる。いつまでも同じ間隔だから、追いつけないわけさ。だから、私は、「あれ、珍しいな。これは何かね。」と思ったから、運転している校長先生に、「校長、私に待たしてごらん。」と言っても、校長もびっくりしていて聞かないわけよ。それからもどんなに行っても、同じ間隔で走っているうちに、途中でちょっと側に寄ったもんだから、「こっちで止めてごらん。」って自分が校長を叩いたんだけど、校長は止めないわけさ。ようやくこっの三叉路まで来てから校長は車を止めて、「いったいこれは何だったんだろう。」っていってびっくりしていらっしゃるわけさ。「ああ、これは自分は学校教育の中の科学的な中にはこういうのはない。」と言われて、もうがっくりしていらっしゃるわけさ。この校長は翌朝も早く来られて、「あれは何だったかね。」って言って、「科学的にはこういうのは絶対ない。こんなのは初めてだ。これは非科学的なことはないとは言えないね。」と言うていたんだよ。またね、私の知っている米浜(よねはま)の親父は、あることろで知らない人に頼まれて車に乗せてやったら、自分の傍に座っていた人がドアを開けてもいないのにいつの間にか居なくなっているから、「これはもう大変だ。」と思って、それからその親父は、「いざという場合に使うためにいつもこのハンマーを持って歩くんだ。」と言って、立ちしょんのときも、そのハンマーをいつも持っていたよ。
| レコード番号 | 47O341977 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C144 |
| 決定題名 | 赤馬幽霊(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 竹西一雄 |
| 話者名かな | たけにしかずお |
| 生年月日 | 19261011 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 不明 |
| 記録日 | 19970910 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那国町比川 T17 A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 世間話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 幽霊,石垣英智,比川,学校,校長,釣り,魚を,満田原,赤い洋服,赤い馬 |
| 梗概(こうがい) | 科学上は幽霊というのはいないと言われてはいるんだけど、私は、何回もそういうのは見てはいるから実際はいるわけさ。なぜかと言うと石垣の大浜出身で今石垣の教育委員になっている石垣英智という先生とは、親しかったわけさね。その方がこちらの比川の学校の校長になってきた年、私(うち)の弟の次男坊が小学六年のときだったかな、ある晩、四、五名の方が来て、「日曜日利用して釣りに行くか。」と言って来られたわけさ。だから、南牧場に学校のピックアップで釣りに行ったわけさ。そこに着いたのは、一二時をまわって一時ごろだったから、あの校長先生は、「釣れなくってもいいから。」と魚を釣ったわけさね。だけどちょっと釣っていて、「あしたは学校だから、長い時間釣ってはおれない。もう帰ろう。」って言うから、私も、「帰りましょう。」と言って、道具引き上げて車に乗って帰って来たわけさ。そのとき自分達の乗っている車はピカップだから、校長が運転して私の脇の助手席に乗って、校長の親父さんだったみたいな人と私(うち)の子どもと後ろの枠に乗っていたのさ。その途中で、満田原(まんたばる)の道を抜けて、比川向きに出た途中で、赤い洋服着けた人が赤い馬に鞍かけて乗っていて、なんか傘みたいのをぶら下げて前から行くんだけど、夜の夜中で車っていうのはライトをつけてるだろう。自分は、「あれ、今ごろなんでこんな時間に馬に乗っているのかな。多分これは久部良帰りの人だろう。」と思って後ろから見ていたわけさ。ところがちょっと不思議なのは、車とその馬の距離がいつまでも同じ間隔なんだよな。こっちの車が早く走ると、前の馬も早く走る。ゆっくり走ると馬もゆっくりになる。いつまでも同じ間隔だから、追いつけないわけさ。だから、私は、「あれ、珍しいな。これは何かね。」と思ったから、運転している校長先生に、「校長、私に待たしてごらん。」と言っても、校長もびっくりしていて聞かないわけよ。それからもどんなに行っても、同じ間隔で走っているうちに、途中でちょっと側に寄ったもんだから、「こっちで止めてごらん。」って自分が校長を叩いたんだけど、校長は止めないわけさ。ようやくこっの三叉路まで来てから校長は車を止めて、「いったいこれは何だったんだろう。」っていってびっくりしていらっしゃるわけさ。「ああ、これは自分は学校教育の中の科学的な中にはこういうのはない。」と言われて、もうがっくりしていらっしゃるわけさ。この校長は翌朝も早く来られて、「あれは何だったかね。」って言って、「科学的にはこういうのは絶対ない。こんなのは初めてだ。これは非科学的なことはないとは言えないね。」と言うていたんだよ。またね、私の知っている米浜(よねはま)の親父は、あることろで知らない人に頼まれて車に乗せてやったら、自分の傍に座っていた人がドアを開けてもいないのにいつの間にか居なくなっているから、「これはもう大変だ。」と思って、それからその親父は、「いざという場合に使うためにいつもこのハンマーを持って歩くんだ。」と言って、立ちしょんのときも、そのハンマーをいつも持っていたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 6:49 |
| 物語の時間数 | 6:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◯(雑音あり) |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |