今の祖納の大川の家の祖先がですね、アガバカっていう所の畑に出かけたらしい。そしたら近くの山でもう猫がぎゃあぎゃあ鳴いているわけさ。行ったらヤシガニが猫の足に咬みついて離さないから、猫と引っ張りこしているわけですな。大川の祖先はヤシガニを外して取って捨てて、猫を家に持ちかえってね、これを手当てして傷を直してやったら、もうその猫は相当な暴れん坊で、もう鼠なんかももうぽんぽんぽんぽん捕る抜群の鼠取りであるわけさあな。そういう動物関係は、今の猫は鼠喰わないんだけど、昔は食べ物がないから、やっぱりもう自分で取って食べないといかんわけさあなあ。その時期に首里にある王様の倉庫の米をもう全部鼠が荒らしてもう、どうにもできないわけですよね。そのうちに、与那国のその猫の話が聞こえたから、有名な猫がおるということで、わざわざ役人がこっちの与那国までいらっしゃったらしい。そして、「その猫を自分たちに譲ってくれ。いくらでも言う値段つけてやってくれ。」というふうなことで、もう王様の命令だから、「じゃあどうぞ。」と猫を持っていかしているわけさ。猫を船に乗せて、出航したら猫がいないらしい。もう逃げて家に帰っていたんだね。二回も三回も繰り返して船に乗せるんだけど、絶対もう猫がいないんで、その家に行ったら帰ってきた猫がおるらしい。それで、「これはちょっと普通の猫ではない。」ということで、「じゃあ、この主も一緒にお願いして連れて行こう。」ということになって、「おたくも一緒にもう那覇まで。」とお願いして行ったらしいですよね。首里に行ったら、大川の祖先が、王様の前に座って王様とお茶飲んで話しているうちに、その猫は、王様の倉庫の鼠を四八匹ももうぱっぱっぱっともう捕ってつぶしてしまったらしいね。だから、「ああ、これはもうほんとにやる。」と感心していると、それからたくさんいる鼠を全部退治したそうですね。それで、その猫を讃えて、代わりに褒美として雲親上(ぺーきん)という位をもらって、猫と一緒に帰ってきたから、その猫を飼っていた人は、大川猫雲親上(おおかわまやーぺーきん)って言われているさあな。その人の墓はンダンワといって土地改良して畑が有るんだけど、その道路の南側に墓がある。
| レコード番号 | 47O341952 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C142 |
| 決定題名 | 与那国の猫小(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 西銘行雄 |
| 話者名かな | にしめゆきお |
| 生年月日 | 19160623 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡与那国町祖納 |
| 記録日 | 19970910 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那国町祖納 T15 A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 祖納,大川,猫,ヤシガニ,手当て,鼠,首里,王様,倉庫,米,与那国,退治,大川猫雲親上 |
| 梗概(こうがい) | 今の祖納の大川の家の祖先がですね、アガバカっていう所の畑に出かけたらしい。そしたら近くの山でもう猫がぎゃあぎゃあ鳴いているわけさ。行ったらヤシガニが猫の足に咬みついて離さないから、猫と引っ張りこしているわけですな。大川の祖先はヤシガニを外して取って捨てて、猫を家に持ちかえってね、これを手当てして傷を直してやったら、もうその猫は相当な暴れん坊で、もう鼠なんかももうぽんぽんぽんぽん捕る抜群の鼠取りであるわけさあな。そういう動物関係は、今の猫は鼠喰わないんだけど、昔は食べ物がないから、やっぱりもう自分で取って食べないといかんわけさあなあ。その時期に首里にある王様の倉庫の米をもう全部鼠が荒らしてもう、どうにもできないわけですよね。そのうちに、与那国のその猫の話が聞こえたから、有名な猫がおるということで、わざわざ役人がこっちの与那国までいらっしゃったらしい。そして、「その猫を自分たちに譲ってくれ。いくらでも言う値段つけてやってくれ。」というふうなことで、もう王様の命令だから、「じゃあどうぞ。」と猫を持っていかしているわけさ。猫を船に乗せて、出航したら猫がいないらしい。もう逃げて家に帰っていたんだね。二回も三回も繰り返して船に乗せるんだけど、絶対もう猫がいないんで、その家に行ったら帰ってきた猫がおるらしい。それで、「これはちょっと普通の猫ではない。」ということで、「じゃあ、この主も一緒にお願いして連れて行こう。」ということになって、「おたくも一緒にもう那覇まで。」とお願いして行ったらしいですよね。首里に行ったら、大川の祖先が、王様の前に座って王様とお茶飲んで話しているうちに、その猫は、王様の倉庫の鼠を四八匹ももうぱっぱっぱっともう捕ってつぶしてしまったらしいね。だから、「ああ、これはもうほんとにやる。」と感心していると、それからたくさんいる鼠を全部退治したそうですね。それで、その猫を讃えて、代わりに褒美として雲親上(ぺーきん)という位をもらって、猫と一緒に帰ってきたから、その猫を飼っていた人は、大川猫雲親上(おおかわまやーぺーきん)って言われているさあな。その人の墓はンダンワといって土地改良して畑が有るんだけど、その道路の南側に墓がある。 |
| 全体の記録時間数 | 5:07 |
| 物語の時間数 | 4:58 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◯(雑音あり) |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |