もの言う牛(共通語)

概要

昔、田や畑を沢山持ってる財産持ちの金持ちの人なんだけど、金持ちの家(うち)ではね、昔は牛がないと、田圃を耕すのに大変なんで牛を沢山飼っているんだけど、牛は使うだけ使うと世話を見てあげないでほっておくわけ。ある時そこを通った人がね、もう痩せこけた雌牛が牛がとっても苦しがってるのを見ていたらね、「水を飲ましてくれないか。」って言ったもんだから、見るともう足には全部縄が巻きついていて、全然動けない状態だったんだって。だから、その時にかわいそうに思ってみんな縄を解いてやって、田圃に連れて行って水を飲ましてやったら、ほっとして、「ありがとう。あんたには何をお礼すればいいかな。」とこの牛が言ったんだって。だからね、「お礼って、それはお前には出来ないだろうからいいよ。」って言った時にね、「いや、自分はお礼をしたいんだ。お礼をしなければ自分の気が済まない。」って言うから、「じゃあね、自分は貧乏者なんで、あそこからの財産が欲しい。」と言ったらしいよ。
 その牛がね、「それじゃあね、あそこからの財産を貰うために、あんたは何を交換にねと言われたらどうするか。」と。「ああ、もし財産を賭けてくれるなら、この首あげてもいい。」と言ったんで、その牛がね、「よし、そんならね、自分を飼っていたあそこの家に行ってね、あなたの牛がもの言うよって言ってごらん。そう言ったらね、そんなことがあるかって向こう言うわけよね。そこであんたは賭けをしなさい」と言った。その牛を飼っていたあそこの家に行って、「あなたの牛がもの言うよ。」と言ったら、「そんなことがあるか。」と言うから、「じゃ、もし言うたらどうするか。何を私にくれるか。」と言ったら、「自分の財産あげてもいい。」と向こうは言ってるわけよ。そしたらまた、「じゃ、お前はもし言わなかった時はどうするか。」「私の首をあげる。」と言って、話のついた時に牛を連れてきたら、牛がものを言っちゃったわけ。だから、財産をみんな貰って帰ったという話がある。

再生時間:3:56

民話詳細DATA

レコード番号 47O341730
CD番号 47O34C131
決定題名 もの言う牛(共通語)
話者がつけた題名
話者名 池間苗
話者名かな いけまなえ
生年月日 19191217
性別
出身地 沖縄県八重山郡与那国町祖納
記録日 19960918
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 与那国町祖納 T06 A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 前粟蔵永渡さんに聞いた
文字化資料
キーワード 金持ち,牛,水,お礼,財産,交換,賭け
梗概(こうがい) 昔、田や畑を沢山持ってる財産持ちの金持ちの人なんだけど、金持ちの家(うち)ではね、昔は牛がないと、田圃を耕すのに大変なんで牛を沢山飼っているんだけど、牛は使うだけ使うと世話を見てあげないでほっておくわけ。ある時そこを通った人がね、もう痩せこけた雌牛が牛がとっても苦しがってるのを見ていたらね、「水を飲ましてくれないか。」って言ったもんだから、見るともう足には全部縄が巻きついていて、全然動けない状態だったんだって。だから、その時にかわいそうに思ってみんな縄を解いてやって、田圃に連れて行って水を飲ましてやったら、ほっとして、「ありがとう。あんたには何をお礼すればいいかな。」とこの牛が言ったんだって。だからね、「お礼って、それはお前には出来ないだろうからいいよ。」って言った時にね、「いや、自分はお礼をしたいんだ。お礼をしなければ自分の気が済まない。」って言うから、「じゃあね、自分は貧乏者なんで、あそこからの財産が欲しい。」と言ったらしいよ。  その牛がね、「それじゃあね、あそこからの財産を貰うために、あんたは何を交換にねと言われたらどうするか。」と。「ああ、もし財産を賭けてくれるなら、この首あげてもいい。」と言ったんで、その牛がね、「よし、そんならね、自分を飼っていたあそこの家に行ってね、あなたの牛がもの言うよって言ってごらん。そう言ったらね、そんなことがあるかって向こう言うわけよね。そこであんたは賭けをしなさい」と言った。その牛を飼っていたあそこの家に行って、「あなたの牛がもの言うよ。」と言ったら、「そんなことがあるか。」と言うから、「じゃ、もし言うたらどうするか。何を私にくれるか。」と言ったら、「自分の財産あげてもいい。」と向こうは言ってるわけよ。そしたらまた、「じゃ、お前はもし言わなかった時はどうするか。」「私の首をあげる。」と言って、話のついた時に牛を連れてきたら、牛がものを言っちゃったわけ。だから、財産をみんな貰って帰ったという話がある。
全体の記録時間数 4:00
物語の時間数 3:56
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP