火の起源(方言)

ひのきげん(ほうげん)

概要

ばけものと人間が仲良く付き合っていた時代があったそうだ。ばけものの家へ人間が遊びに行ったら、ばけものの家ではお湯を沸かしてお茶を出されたり、魚や煮物がご馳走に出されていた。それで人間は、ばけものの所ではどういうふうにして、煮たり焼いたりしたご馳走が出来るのだろうかと苦心して考えていた。ある日、人間はばけものが起きない早くからばけものの家へ遊びに行ったが、その時はばけものの家では、煮たり焼いたりのご馳走は出なかった。人間はどうして今日は、煮たり焼いたりのご馳走が出ないのか尋ねた。するとばけものは、「君ら人間が見ている所では、そういうことは出来ない」と言った。それで、人間とバッタはばけもののする様子を見ないようにと、目をタオルのようなもので隠すようにして、煮物が出るのを待った。しかし、バッタの目は大きく高くあるのが目でなく、その下の小さい目が本当の目であるそうだ。それでばけものはバッタの大きい目を目隠しして本当の目隠しをしたものと思っていた。勿論、人間は本当に目隠しされていた。しかしバッタは目隠しされていない小さな目で、ばけものが火起こしをしているのをじーっと見てしまった。そこでバッタはいろいろと研究をして、火起こしを知ってしまった。それからバッタは、火を起こす方法を人間にも教えたそうだ。人間はバッタから火を起こすことを知った。ばけものからバッタ、そして人間は後から火起こしを知ったとさ。

再生時間:3:54

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民話詳細DATA

レコード番号 47O234422
CD番号 47O23C230
決定題名 火の起源(方言)
話者がつけた題名 ばけものと人間とバッタ
話者名 饒平名泰仁
話者名かな よへなたいじん
生年月日 19000305
性別
出身地 多良間村字仲筋 
記録日 19780806
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 多良間T17A06
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 多良間村の民話P175
キーワード ばけもの,人間,お湯,お茶,魚や煮物,ご馳走,人間とバッタ,目をタオルで隠す,火起こし
梗概(こうがい) ばけものと人間が仲良く付き合っていた時代があったそうだ。ばけものの家へ人間が遊びに行ったら、ばけものの家ではお湯を沸かしてお茶を出されたり、魚や煮物がご馳走に出されていた。それで人間は、ばけものの所ではどういうふうにして、煮たり焼いたりしたご馳走が出来るのだろうかと苦心して考えていた。ある日、人間はばけものが起きない早くからばけものの家へ遊びに行ったが、その時はばけものの家では、煮たり焼いたりのご馳走は出なかった。人間はどうして今日は、煮たり焼いたりのご馳走が出ないのか尋ねた。するとばけものは、「君ら人間が見ている所では、そういうことは出来ない」と言った。それで、人間とバッタはばけもののする様子を見ないようにと、目をタオルのようなもので隠すようにして、煮物が出るのを待った。しかし、バッタの目は大きく高くあるのが目でなく、その下の小さい目が本当の目であるそうだ。それでばけものはバッタの大きい目を目隠しして本当の目隠しをしたものと思っていた。勿論、人間は本当に目隠しされていた。しかしバッタは目隠しされていない小さな目で、ばけものが火起こしをしているのをじーっと見てしまった。そこでバッタはいろいろと研究をして、火起こしを知ってしまった。それからバッタは、火を起こす方法を人間にも教えたそうだ。人間はバッタから火を起こすことを知った。ばけものからバッタ、そして人間は後から火起こしを知ったとさ。
全体の記録時間数 3:54
物語の時間数 3:54
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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