嶺間御嶽由来(方言)

概要

嶺間按司とは今は嶺間神社と名乗られている。嶺間按司と仲筋の大立嶺の按司、2人の大将の按司がいた。船が出帆する時、2 人とも遭難にあった。そこで自分達にはこれしか残されていないということで、海深くもぐることにした。幸いにそこは竜宮であった。2人とも安心して見物していると、小屋があった。そしたらその小屋の中から女の人が出て来て、「私は海で遭難し、一週間くらい前にここに嫁に来た」と言う。「我々は遭難してここまでたどりついた。そこであなたの名前は何というか」と聞くと、「私は嶺間按司の妹である」と言って3人とも驚いた。そして嶺間按司と妹は涙を流して喜びあった。嶺間按司は妹に向かって、「それではあなたの主人はどこへ行ったのか」と聞くと、「主人は毎日役場へ出かけて、船が遭難して2人の人の行方がわからないので、その方達を探し回っている。それではあなた達2人に違いないから、しばらく主人が来るまでそちらの小屋の中にひそんで待っていて下さい」と答えた。すると、大きな鬼とも何ともつかない男の人が来た。しかしながら、嶺間按司ら2人は目だけがはっきりしていた。大きい男の人は、「何かスダ(生きた人間)臭い」と妻に言った。妻は、「私がまだ死にきれないで人間臭いだろうから許して下さい」と言ったので、大きい男は、「そうか」と言った。妹は2人に、「主人はあなた方に島に帰りたいかと聞くはずだから、帰りたいと言いなさい」と教える。「そして島に帰る時は何が欲しいかと聞くはずだから、その時は船いっぱいの宝と何か言葉が一言欲しいと言いなさい」と教えた。大立嶺の按司は、船いっぱいの宝が欲しいと言った。いよいよ大立嶺の按司は船いっぱいの宝をもらい、船を出す準備をした。嶺間按司の船には何も積まず、船の出る間際まで何一つ言葉ももらえなかった。大立嶺の按司は船いっぱいの宝を土産にもらい、嶺間按司は空船に乗り込んだ。船が出ようとする時、大将(嶺間按司の妹の主人)は「肝が出れば手を引け、手が出れば肝を引け」と、ただそれだけの言葉を土産にくれた。2人の按司はつつがなく島にたどり着くことができて、それぞれ我家へと行った。ところが嶺間按司の玄関には男用のゲタが置かれていた。嶺間按司は刀を抜こうとしたが、肝の出れば手を引け、手が出れば肝を引け、という言葉を思い出して、家の中に入ってみると、妻は男装し母は女装して添い寝をしていた。そこで嶺間按司は妹の主人の言葉に感服し、もしこの言葉をもらわなかったら自分らは全滅していただろうと思った。そして大立嶺の按司のことを思い出して急いで行ってみると、大立嶺の按司は3人とも全滅していた。そこで嶺間按司は短気は損気ということを悟った。嶺間按司は嶺間神社に祀られているとのこと。

再生時間:11:32

民話詳細DATA

レコード番号 47O234418
CD番号 47O23C229
決定題名 嶺間御嶽由来(方言)
話者がつけた題名 話千両
話者名 饒平名泰仁
話者名かな よへなたいじん
生年月日 19000305
性別
出身地 多良間村字仲筋 
記録日 19780806
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 多良間T17A02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 多良間村の民話P189
キーワード 嶺間按司,嶺間神社,仲筋の大立嶺の按司,大将の按司,船が出帆,遭難,海深くもぐる,竜宮,小屋,女の人,嫁,嶺間按司の妹,きい男の人,人間臭い,船いっぱいの宝,言葉が一言欲しい,土産,肝が出れば手を引け,手が出れば肝を引け,玄関,男用のゲタ,刀を抜こうとした,妻は男装,母は女装,短気は損気
梗概(こうがい) 嶺間按司とは今は嶺間神社と名乗られている。嶺間按司と仲筋の大立嶺の按司、2人の大将の按司がいた。船が出帆する時、2 人とも遭難にあった。そこで自分達にはこれしか残されていないということで、海深くもぐることにした。幸いにそこは竜宮であった。2人とも安心して見物していると、小屋があった。そしたらその小屋の中から女の人が出て来て、「私は海で遭難し、一週間くらい前にここに嫁に来た」と言う。「我々は遭難してここまでたどりついた。そこであなたの名前は何というか」と聞くと、「私は嶺間按司の妹である」と言って3人とも驚いた。そして嶺間按司と妹は涙を流して喜びあった。嶺間按司は妹に向かって、「それではあなたの主人はどこへ行ったのか」と聞くと、「主人は毎日役場へ出かけて、船が遭難して2人の人の行方がわからないので、その方達を探し回っている。それではあなた達2人に違いないから、しばらく主人が来るまでそちらの小屋の中にひそんで待っていて下さい」と答えた。すると、大きな鬼とも何ともつかない男の人が来た。しかしながら、嶺間按司ら2人は目だけがはっきりしていた。大きい男の人は、「何かスダ(生きた人間)臭い」と妻に言った。妻は、「私がまだ死にきれないで人間臭いだろうから許して下さい」と言ったので、大きい男は、「そうか」と言った。妹は2人に、「主人はあなた方に島に帰りたいかと聞くはずだから、帰りたいと言いなさい」と教える。「そして島に帰る時は何が欲しいかと聞くはずだから、その時は船いっぱいの宝と何か言葉が一言欲しいと言いなさい」と教えた。大立嶺の按司は、船いっぱいの宝が欲しいと言った。いよいよ大立嶺の按司は船いっぱいの宝をもらい、船を出す準備をした。嶺間按司の船には何も積まず、船の出る間際まで何一つ言葉ももらえなかった。大立嶺の按司は船いっぱいの宝を土産にもらい、嶺間按司は空船に乗り込んだ。船が出ようとする時、大将(嶺間按司の妹の主人)は「肝が出れば手を引け、手が出れば肝を引け」と、ただそれだけの言葉を土産にくれた。2人の按司はつつがなく島にたどり着くことができて、それぞれ我家へと行った。ところが嶺間按司の玄関には男用のゲタが置かれていた。嶺間按司は刀を抜こうとしたが、肝の出れば手を引け、手が出れば肝を引け、という言葉を思い出して、家の中に入ってみると、妻は男装し母は女装して添い寝をしていた。そこで嶺間按司は妹の主人の言葉に感服し、もしこの言葉をもらわなかったら自分らは全滅していただろうと思った。そして大立嶺の按司のことを思い出して急いで行ってみると、大立嶺の按司は3人とも全滅していた。そこで嶺間按司は短気は損気ということを悟った。嶺間按司は嶺間神社に祀られているとのこと。
全体の記録時間数 11:32
物語の時間数 11:32
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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