旅人が宿を借りている所に行商のきれいな女の人が来た。男はその美しさに見とれながら、扇を一つ買った。女が帰ってから宿の亭主に、「あんなきれいな人がいるもんだ。あの女と一晩遊んでみたい」と言ったら、「扇を百枚買ったら、あの女はあんたと遊ぶだろう」と教えてくれた。そして女は毎日来るので一枚ずつ買い、とうとう百枚になった。女が、「どうしてあんたは一度に買わずに、一枚ずつ買うの」と聞くと、旅人は、私には兄弟や親戚がたくさんいるので、お土産としてこんなに買っていると言い、更に、「あなたと一晩遊びたいのでこんなに買った」と言う。女は自分の家を教え、遊びに来いと言って帰る。(それで男が)女の家へ行き遊んでいると、女の主人が帰って来たので、(女は)旅人をタンスの中に入れて主人が仕事に出掛けてから帰した。そのことを旅人は宿の亭主に話す。そしてまた女の家に行き遊んでいると、主人が帰って来たので、今度は体を縄で縛られて井戸の中に降ろされ、主人が出掛けてから帰された。旅人は宿に帰ってそのことをまた宿の亭主に話す。宿の亭主は女の主人に、あんたの妻は旅人と遊んでいるよ、と告げた。主人は妻に、今晩は友達を呼ぶからご馳走をたくさん作りなさいと言う。友達というのは旅人であった。女はどういうことかと心配しながらお茶を出し、玉を二つに割って一つは自分、一つは茶碗の中に入れて旅人に渡した。旅人は小便がしたくなったと行って来て、そして女の主人に、「私はある晩はタンスの中に入れられ、またもう一晩は井戸の中に降ろされた夢を見て心配だから、これを判断して下さいと宿の亭主に申し上げたが、自分には判断できないと言うので、心配だから、私が話しますからこれを判断して下さい」と言った。女の主人は、「では夢の話で、宿の亭主は私を怒らせたのか」と言って、旅人と女を殺す準備をしていたが二人を許し、人の話を聞いてそれを他人に告げた宿の亭主をクビにしたそうだ。そういうことで、多良間ではそのような人のことを「じゃんぎんがじゃわる」と呼ぶんだよ。讒言者という意味。
| レコード番号 | 47O234370 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C227 |
| 決定題名 | 讒言がじゃわら(方言) |
| 話者がつけた題名 | 旅人と女の話 |
| 話者名 | 石垣ムツメガ |
| 話者名かな | いしがきむつめが |
| 生年月日 | 18981110 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 多良間村字仲筋 |
| 記録日 | 19780808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 多良間T15A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 多良間村の民話P154 |
| キーワード | 旅人,宿,行商のきれいな女,扇,宿の亭主,扇を百枚,お土産,一晩遊びたい,女の主人,タンスの中,体を縄で縛る,井戸の中,友達,ご馳走,お茶,玉,茶碗,小便,讒言者 |
| 梗概(こうがい) | 旅人が宿を借りている所に行商のきれいな女の人が来た。男はその美しさに見とれながら、扇を一つ買った。女が帰ってから宿の亭主に、「あんなきれいな人がいるもんだ。あの女と一晩遊んでみたい」と言ったら、「扇を百枚買ったら、あの女はあんたと遊ぶだろう」と教えてくれた。そして女は毎日来るので一枚ずつ買い、とうとう百枚になった。女が、「どうしてあんたは一度に買わずに、一枚ずつ買うの」と聞くと、旅人は、私には兄弟や親戚がたくさんいるので、お土産としてこんなに買っていると言い、更に、「あなたと一晩遊びたいのでこんなに買った」と言う。女は自分の家を教え、遊びに来いと言って帰る。(それで男が)女の家へ行き遊んでいると、女の主人が帰って来たので、(女は)旅人をタンスの中に入れて主人が仕事に出掛けてから帰した。そのことを旅人は宿の亭主に話す。そしてまた女の家に行き遊んでいると、主人が帰って来たので、今度は体を縄で縛られて井戸の中に降ろされ、主人が出掛けてから帰された。旅人は宿に帰ってそのことをまた宿の亭主に話す。宿の亭主は女の主人に、あんたの妻は旅人と遊んでいるよ、と告げた。主人は妻に、今晩は友達を呼ぶからご馳走をたくさん作りなさいと言う。友達というのは旅人であった。女はどういうことかと心配しながらお茶を出し、玉を二つに割って一つは自分、一つは茶碗の中に入れて旅人に渡した。旅人は小便がしたくなったと行って来て、そして女の主人に、「私はある晩はタンスの中に入れられ、またもう一晩は井戸の中に降ろされた夢を見て心配だから、これを判断して下さいと宿の亭主に申し上げたが、自分には判断できないと言うので、心配だから、私が話しますからこれを判断して下さい」と言った。女の主人は、「では夢の話で、宿の亭主は私を怒らせたのか」と言って、旅人と女を殺す準備をしていたが二人を許し、人の話を聞いてそれを他人に告げた宿の亭主をクビにしたそうだ。そういうことで、多良間ではそのような人のことを「じゃんぎんがじゃわる」と呼ぶんだよ。讒言者という意味。 |
| 全体の記録時間数 | 5:11 |
| 物語の時間数 | 5:11 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |