百合若がどこから来たかは知らない。ただ、百合若が率いる船は戦争帰りであったらしく、飲み水がなくなったので水納島に立ち寄った。水納島には一泊する予定であったが、百合若のことをねたましく思っている家来達の謀で、寝る時も起きる時も一週間以上そうしておれる百合若は、置き去りにされた。帰ることのできない百合若は、海の中のアサリを採って暮らしていた。6尺の刀が5寸になるまで使って、そこで暮らしていた。その頃、妻が放した鳥が手紙を持って飛んできた。百合若は妻の手紙を読んで、返事を書こうとして、自分の腕を切って、したたる血で書く。その返事を鳥に持たせて鳥を飛ばしてやると、しばらく日が経った頃、今度は酒やご馳走を持ってきたが、その日は嵐で墜落する。百合若は墜落した鳥を探しに海辺に行き、死骸を見つけるとそれを山に持って行って葬ってやる。そこを鳥塚という。ある日、水納の浜を歩いていると、船が見えたので東の干瀬へ行って助けを求める。しかし、聞いてくれないので口笛を吹いて呼ぶと、ようやく助けてくれる。そこをクチビシ(口干瀬)という。百合若は無事に自分の故郷に帰る。そこでは王様を前にして、家来達が百合若の弓を引き勝負していた。百合若は、家来が誰一人として弓を引くことができないので、戦死したことになっているから名を名乗らず、自分達平民にも弓を引かさせてくれ、と王様にお願いする。王様は何名かの平民の参加を許す。百合若は髪もボロボロ、服もボロボロの格好をして王様の前に出て、冷笑する家来達に向かって弓を射って、殺した。
| レコード番号 | 47O234183 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C219 |
| 決定題名 | 百合若大臣(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 百合若大臣の話 |
| 話者名 | 知念勇吉 |
| 話者名かな | ちねんゆうきち |
| 生年月日 | 19100908 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 多良間村字水納 |
| 記録日 | 19780807 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 多良間T05B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 母親から |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 百合若,船は戦争帰り,飲み水,水納島,海の中のアサリ,妻が放した鳥,酒やご馳走,鳥塚,口笛,クチビシ |
| 梗概(こうがい) | 百合若がどこから来たかは知らない。ただ、百合若が率いる船は戦争帰りであったらしく、飲み水がなくなったので水納島に立ち寄った。水納島には一泊する予定であったが、百合若のことをねたましく思っている家来達の謀で、寝る時も起きる時も一週間以上そうしておれる百合若は、置き去りにされた。帰ることのできない百合若は、海の中のアサリを採って暮らしていた。6尺の刀が5寸になるまで使って、そこで暮らしていた。その頃、妻が放した鳥が手紙を持って飛んできた。百合若は妻の手紙を読んで、返事を書こうとして、自分の腕を切って、したたる血で書く。その返事を鳥に持たせて鳥を飛ばしてやると、しばらく日が経った頃、今度は酒やご馳走を持ってきたが、その日は嵐で墜落する。百合若は墜落した鳥を探しに海辺に行き、死骸を見つけるとそれを山に持って行って葬ってやる。そこを鳥塚という。ある日、水納の浜を歩いていると、船が見えたので東の干瀬へ行って助けを求める。しかし、聞いてくれないので口笛を吹いて呼ぶと、ようやく助けてくれる。そこをクチビシ(口干瀬)という。百合若は無事に自分の故郷に帰る。そこでは王様を前にして、家来達が百合若の弓を引き勝負していた。百合若は、家来が誰一人として弓を引くことができないので、戦死したことになっているから名を名乗らず、自分達平民にも弓を引かさせてくれ、と王様にお願いする。王様は何名かの平民の参加を許す。百合若は髪もボロボロ、服もボロボロの格好をして王様の前に出て、冷笑する家来達に向かって弓を射って、殺した。 |
| 全体の記録時間数 | 4:09 |
| 物語の時間数 | 4:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |