あるところに、貧乏者(くーしむん)の夫婦がいて、妻は妊娠していた。妻は、毎日崇元寺(そうげんじ)の方で豆腐を売っていたって。崇元寺には公儀(くーじ)(王府)に行く道があって、東の道の方は木がたくさん生えていた。そこは、豆腐町小(ぐわー)だったわけさ。また、そこには石仏が建っていて、妻は、毎日石仏の前を通り、豆腐を売りに行った。そしたら、この石仏が妻に、行くときもお辞儀をして、帰るときもお辞儀をするって。行きも帰りも、妊娠している妻にお辞儀するらしい。そうしてあとは、妻は家に帰って、夫に話した。「崇元寺の前に石仏が建っているでしょう。もう、私が歩くたんびに、行く時も帰る時も、私にはお辞儀するんですよ」「そうなのか。じゃあ、二人で三世相(さんじそう)の家へ行ってみよう」と言って、夫婦で行ったからね。三世相が、「この石仏はあんたにお辞儀してるんじゃないよ。あんたのお中の子にお辞儀しているんだよ」「そうなんですか」と言って、家に帰ってきてから、二人で喜んでね。「ハッサミヨー、私たちは得したねえ。この子が生まれたら、きっといいことがあるね」話していたらしい。そういうふうに話してしまったから、有り難さがなくなって、翌日から石仏はお辞儀しなくなったって。だから、いい夢を見たら三日の内はいうものじゃないという事は、これらしいよ。
| レコード番号 | 47O411512 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C054 |
| 決定題名 | 腹の中の子と石仏(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城マカト |
| 話者名かな | みやごまかと |
| 生年月日 | 19000817 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 与那城村与那城 |
| 記録日 | 19870301 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T26B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P98 |
| キーワード | 貧乏者,妻は妊娠,崇元寺,豆腐,公儀,石仏,三世相, |
| 梗概(こうがい) | あるところに、貧乏者(くーしむん)の夫婦がいて、妻は妊娠していた。妻は、毎日崇元寺(そうげんじ)の方で豆腐を売っていたって。崇元寺には公儀(くーじ)(王府)に行く道があって、東の道の方は木がたくさん生えていた。そこは、豆腐町小(ぐわー)だったわけさ。また、そこには石仏が建っていて、妻は、毎日石仏の前を通り、豆腐を売りに行った。そしたら、この石仏が妻に、行くときもお辞儀をして、帰るときもお辞儀をするって。行きも帰りも、妊娠している妻にお辞儀するらしい。そうしてあとは、妻は家に帰って、夫に話した。「崇元寺の前に石仏が建っているでしょう。もう、私が歩くたんびに、行く時も帰る時も、私にはお辞儀するんですよ」「そうなのか。じゃあ、二人で三世相(さんじそう)の家へ行ってみよう」と言って、夫婦で行ったからね。三世相が、「この石仏はあんたにお辞儀してるんじゃないよ。あんたのお中の子にお辞儀しているんだよ」「そうなんですか」と言って、家に帰ってきてから、二人で喜んでね。「ハッサミヨー、私たちは得したねえ。この子が生まれたら、きっといいことがあるね」話していたらしい。そういうふうに話してしまったから、有り難さがなくなって、翌日から石仏はお辞儀しなくなったって。だから、いい夢を見たら三日の内はいうものじゃないという事は、これらしいよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:25 |
| 物語の時間数 | 2:58 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |