ものいう棟ゲタ(共通語)

概要

昔の話にですね、こんなことがありました。お金をもうけると、どなた様でも家を建て直しますね。ある方がお金をもうけて、家を建て直すということになった。古い家を売ることになって、買い手が出てきたんだね。売った時に、この古い家の一番上の棟ゲタ、ウマギタを持ってきてはいけないということがあって、どうしてこんなことをいわれたかというのはね。大昔、仲の良い友達がいたそうだ。二人は漁(りょう)をして生活をたてていたそうですが、一人の男の奥さんがあまりきれいなので、その男の奥さんにもう一人の男はいかれて、いつか我がものにしようといって、悪だくみしていたそうです。そこで、いつもそれを気にしておるもんだから、二人は漁に出ることになったときに、「ああ、もう今日こそは」と決心がついたんでしょうな。、この男は。よけいに縄を持って、石も船に乗せて漁に出たところ、ちょうど夜中になってそろそろ一人の男は眠りに入って寝てしまった。もう一人の男は「ああ、時分がきたなぁ」と喜んで、片口は男の足に縄を結んで、片口は石をくびってよ、その石を海に放り込んでやったら、寝てた男はかわいそうにもう、石の重みでもって海底の底へ底へと沈んでしまったって。友達を殺した男は一人で家に帰ってきて、一時はごまかして、友達の女を落ち着けていた。が、もう二、三年たつというと、「もうこれではいけないから、一人で暮らすのは大変でしょう。私と夫婦になって暮らしたほうがいいんじゃないか」と男に言われたので、女も受け入れることにして、二人は夫婦になった。年がたつにつれて金もたまって、家の建て直しをするという事になった。女も喜んで、家を造ることになったそうで、そのときに男は、もう我が妻になったと安心して、以前のことを話してしまった。それを聞いた妻は、前の夫の敵をとることばかり考えていた。夫が、「家を建て替えるには、山から大きな木を切り出さなければならないから、何月何日に山に行こうね」と妻に約束して、夫も山に行く準備をしていた。そしたら、妻は、いつも五寸釘をといでいたそうだよ。前の夫の敵をとるつもりでね。約束した日になって、二人は山に入った。夫が、「これぐらいの木でいいか」と聞くと、妻は、「これくらいの小さな木で家が造れるもんですか。奥の方で大きな木をきらないと」と言って、とうとう山の奥まで入り込んだ。夫が大きな大木に手をつけて、両手を広げて木を抱き込む用にした。妻は、「そのままでいてください。足りないところは私が計りますから」と言って、持っていた五寸釘とハンマーを取り出して、男の手を木に打ちつけたというんだがね。そして片一方の手も残っておるでしょう。これも引っぱってきて、打ちつけて、自分の夫の敵を取って帰ってきたわけさ。そこで、その他の人達がまた、やっぱり家を建てるためにその木を切ってきて製材して、棟ゲタにしたんでしょう。そしたら家は造ったものの、その棟ゲタが「助けてくれ、助けてくれ」とばかり叫んで、その家庭もあまり良くないというので、家を取り替えることにしてね、次の人がこれを買って行って、またもこういうことになったわけさ。「助けてくれ」ばかり行って、その棟ゲタをはずして捨てたというのがはじまりでね。よそから家を買った場合には棟ゲタを持ってきてはいけないということです。

再生時間:6:05

民話詳細DATA

レコード番号 47O411323
CD番号 47O37C046
決定題名 ものいう棟ゲタ(共通語)
話者がつけた題名
話者名 平安座蒲安
話者名かな へんざかまやす
生年月日 19100702
性別
出身地 与那城村屋慶名
記録日 19861214
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 与那城村T18B10
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 棟ゲタ,友達,漁,奥さん,友達を殺した,五寸釘,夫の敵
梗概(こうがい) 昔の話にですね、こんなことがありました。お金をもうけると、どなた様でも家を建て直しますね。ある方がお金をもうけて、家を建て直すということになった。古い家を売ることになって、買い手が出てきたんだね。売った時に、この古い家の一番上の棟ゲタ、ウマギタを持ってきてはいけないということがあって、どうしてこんなことをいわれたかというのはね。大昔、仲の良い友達がいたそうだ。二人は漁(りょう)をして生活をたてていたそうですが、一人の男の奥さんがあまりきれいなので、その男の奥さんにもう一人の男はいかれて、いつか我がものにしようといって、悪だくみしていたそうです。そこで、いつもそれを気にしておるもんだから、二人は漁に出ることになったときに、「ああ、もう今日こそは」と決心がついたんでしょうな。、この男は。よけいに縄を持って、石も船に乗せて漁に出たところ、ちょうど夜中になってそろそろ一人の男は眠りに入って寝てしまった。もう一人の男は「ああ、時分がきたなぁ」と喜んで、片口は男の足に縄を結んで、片口は石をくびってよ、その石を海に放り込んでやったら、寝てた男はかわいそうにもう、石の重みでもって海底の底へ底へと沈んでしまったって。友達を殺した男は一人で家に帰ってきて、一時はごまかして、友達の女を落ち着けていた。が、もう二、三年たつというと、「もうこれではいけないから、一人で暮らすのは大変でしょう。私と夫婦になって暮らしたほうがいいんじゃないか」と男に言われたので、女も受け入れることにして、二人は夫婦になった。年がたつにつれて金もたまって、家の建て直しをするという事になった。女も喜んで、家を造ることになったそうで、そのときに男は、もう我が妻になったと安心して、以前のことを話してしまった。それを聞いた妻は、前の夫の敵をとることばかり考えていた。夫が、「家を建て替えるには、山から大きな木を切り出さなければならないから、何月何日に山に行こうね」と妻に約束して、夫も山に行く準備をしていた。そしたら、妻は、いつも五寸釘をといでいたそうだよ。前の夫の敵をとるつもりでね。約束した日になって、二人は山に入った。夫が、「これぐらいの木でいいか」と聞くと、妻は、「これくらいの小さな木で家が造れるもんですか。奥の方で大きな木をきらないと」と言って、とうとう山の奥まで入り込んだ。夫が大きな大木に手をつけて、両手を広げて木を抱き込む用にした。妻は、「そのままでいてください。足りないところは私が計りますから」と言って、持っていた五寸釘とハンマーを取り出して、男の手を木に打ちつけたというんだがね。そして片一方の手も残っておるでしょう。これも引っぱってきて、打ちつけて、自分の夫の敵を取って帰ってきたわけさ。そこで、その他の人達がまた、やっぱり家を建てるためにその木を切ってきて製材して、棟ゲタにしたんでしょう。そしたら家は造ったものの、その棟ゲタが「助けてくれ、助けてくれ」とばかり叫んで、その家庭もあまり良くないというので、家を取り替えることにしてね、次の人がこれを買って行って、またもこういうことになったわけさ。「助けてくれ」ばかり行って、その棟ゲタをはずして捨てたというのがはじまりでね。よそから家を買った場合には棟ゲタを持ってきてはいけないということです。
全体の記録時間数 6:38
物語の時間数 6:05
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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