この人は本当は物乞いではなくて、大変偉い人だったということで、頭はいいから、自分の妻を探すために物乞いをしていたんだろうね。自分と話の合う人を探して、あの家この家歩き回っていたそうだ。ちょうど八月の十五夜に物乞いして歩いたら、この家は、ちょうどフチャギを煮てたってよ。煮ていたらしいが、昔は米もない時代だからフチャギでもまる一つはあげない、半分しか食べさせなかったわけさ。今だったら一つずつあげるけどね。それで、この侍にも、切った半分しかあげなかったわけさ。この侍は、半分食べさせられたからね、「十五夜(じゅーぐや)の月(ちち)や真ん丸(まる)くあしが(十五夜ぬ月はまん丸いが) 十五夜(じゅうぐや)のフチャギェー半分(はんぶん)るある(十五夜のフチャギは半分しかないさ)。」と歌を詠んだらしい。半分しか食べさせられなかったので、怒ってね。また、相手はなんと答えるかと思ってね。そしたら、このフチャギを食べさせた女の人は、歳も若かったようだから、「半分(はんぶん)ぬ餅(むち)や白雲(しらくむ)にかかてぃ(半分の餅は白雲にかかって)今(なま)る出(い)じやびる(今出るんですよ)。」と返して、あと半分の餅もさし出したって。白雲というのは、言えば、フチャギを煮るときには薪を燃すでしょう。そのときに湯気が出るので、それを白雲と言ってるわけさ。「白雲にかかって、半分の餅は今出るんですよ」と言ったので、この侍は、「とお、知恵があって、この人こそ私の妻になる人だ。」と言って、この女の人を妻にしたという話を、私のお祖母さんが聞かせてくれたよ。
| レコード番号 | 47O410890 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C028 |
| 決定題名 | 十五夜のフチャギ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 久田トシ |
| 話者名かな | ひさだとし |
| 生年月日 | 19260618 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 与那城村照間 |
| 記録日 | 19861125 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T04A20 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お婆さんから聞いた。 |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P179 |
| キーワード | 物乞い,大変偉い人,妻,物乞い,十五夜,フチャギ,妻 |
| 梗概(こうがい) | この人は本当は物乞いではなくて、大変偉い人だったということで、頭はいいから、自分の妻を探すために物乞いをしていたんだろうね。自分と話の合う人を探して、あの家この家歩き回っていたそうだ。ちょうど八月の十五夜に物乞いして歩いたら、この家は、ちょうどフチャギを煮てたってよ。煮ていたらしいが、昔は米もない時代だからフチャギでもまる一つはあげない、半分しか食べさせなかったわけさ。今だったら一つずつあげるけどね。それで、この侍にも、切った半分しかあげなかったわけさ。この侍は、半分食べさせられたからね、「十五夜(じゅーぐや)の月(ちち)や真ん丸(まる)くあしが(十五夜ぬ月はまん丸いが) 十五夜(じゅうぐや)のフチャギェー半分(はんぶん)るある(十五夜のフチャギは半分しかないさ)。」と歌を詠んだらしい。半分しか食べさせられなかったので、怒ってね。また、相手はなんと答えるかと思ってね。そしたら、このフチャギを食べさせた女の人は、歳も若かったようだから、「半分(はんぶん)ぬ餅(むち)や白雲(しらくむ)にかかてぃ(半分の餅は白雲にかかって)今(なま)る出(い)じやびる(今出るんですよ)。」と返して、あと半分の餅もさし出したって。白雲というのは、言えば、フチャギを煮るときには薪を燃すでしょう。そのときに湯気が出るので、それを白雲と言ってるわけさ。「白雲にかかって、半分の餅は今出るんですよ」と言ったので、この侍は、「とお、知恵があって、この人こそ私の妻になる人だ。」と言って、この女の人を妻にしたという話を、私のお祖母さんが聞かせてくれたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:29 |
| 物語の時間数 | 2:23 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |