イキー(兄)は鬼でですね、妹の方はウナイという。親も亡くなって、この家にはウナイとイキーがいたわけさ。イキーがですね、鬼だけども、普通は同じ人で、角ははえてないけども人をとったり、食ったりなんかしたんでしょう。ウナイの方は、怖いねえと言って、もうどこにも行けなかったそうですよ。あんまり怖くてね。ウナイは便所に行くときでも、イキーに足とか手を綱でくくられて行ったそうです。あるとき、ムーチーの日になったから、ウナイは、このままでは大変だと言ってね、「さあ、二人遊んでこよう。」と言って、イキーを誘った。御馳走も作って行き、イキーを海の方の崖、一番危険なところにすわらせたって。このイキーは鬼になってるから、女のことも恋のことも何も分からないわけさぁね。ただ食べるばかり。そういうことしか知らないもんだから、ウナイが考えてね。ムーチなんか作っていって、イキーを崖の端に座らせたって。そして、自分は内に座ってからに、二人御馳走を食べて、うんとイキーに食べさせたんでしょう。ウナイは知らんふりして、しまいにはね、着物を全部脱いでから、まっ裸になって足を広げて座ったから。女がこういうふうに座ったら大変でしょう。イキーは見たこともないんだから、すぐびっくりしてからに後ろに落ちて死んだって。それでそのムーチーは、鬼を退治すると言って鬼(うに)ぬムーチーというんです。ムーチー炊いたあとの汁はお家の端々にかけて、自分の子孫にはこういうことがないようにといってね。また、そのイキーも大力者だったから、いいかえて力餅というのも作るでしょう。昔はウニムーチーと言っていたんですよ。私らの方は、戸の入口に十字にして下げますよ。人の出入りするところだけね。こういうことがないようにと、十字架にしてね。
| レコード番号 | 47O410681 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C020 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 玉栄ヤス |
| 話者名かな | たまえやす |
| 生年月日 | 19110302 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 与那城村平安座 |
| 記録日 | 19720808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T21A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P119 |
| キーワード | イキー,鬼,妹,便所,御馳走,崖,裸,ムーチー |
| 梗概(こうがい) | イキー(兄)は鬼でですね、妹の方はウナイという。親も亡くなって、この家にはウナイとイキーがいたわけさ。イキーがですね、鬼だけども、普通は同じ人で、角ははえてないけども人をとったり、食ったりなんかしたんでしょう。ウナイの方は、怖いねえと言って、もうどこにも行けなかったそうですよ。あんまり怖くてね。ウナイは便所に行くときでも、イキーに足とか手を綱でくくられて行ったそうです。あるとき、ムーチーの日になったから、ウナイは、このままでは大変だと言ってね、「さあ、二人遊んでこよう。」と言って、イキーを誘った。御馳走も作って行き、イキーを海の方の崖、一番危険なところにすわらせたって。このイキーは鬼になってるから、女のことも恋のことも何も分からないわけさぁね。ただ食べるばかり。そういうことしか知らないもんだから、ウナイが考えてね。ムーチなんか作っていって、イキーを崖の端に座らせたって。そして、自分は内に座ってからに、二人御馳走を食べて、うんとイキーに食べさせたんでしょう。ウナイは知らんふりして、しまいにはね、着物を全部脱いでから、まっ裸になって足を広げて座ったから。女がこういうふうに座ったら大変でしょう。イキーは見たこともないんだから、すぐびっくりしてからに後ろに落ちて死んだって。それでそのムーチーは、鬼を退治すると言って鬼(うに)ぬムーチーというんです。ムーチー炊いたあとの汁はお家の端々にかけて、自分の子孫にはこういうことがないようにといってね。また、そのイキーも大力者だったから、いいかえて力餅というのも作るでしょう。昔はウニムーチーと言っていたんですよ。私らの方は、戸の入口に十字にして下げますよ。人の出入りするところだけね。こういうことがないようにと、十字架にしてね。 |
| 全体の記録時間数 | 5:51 |
| 物語の時間数 | 5:39 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |