昔の唐話をするとね、昔、龍宮の神様が病気してね。病気しても、薬は何もないんだ、海にはね。それでもう海の者たちは心配してね。亀が一番心配しておるんだ。また、蛸も心配しておるときに、龍宮様が、 「私の病気はね、陸の猿の生肝(いちじむ)食べたら治るから、猿の生肝を取って来なさい。」と言いつけた。したら、生きておるままどうして猿を連れてくるかと。それで、亀が、「わしに考えがあるから連れてくる。」と。亀はずっと山の奥へ行って、猿の生肝を取りに行ったんだ。その猿を呼んで、「猿さん、あんたをいっぺんに金持ちにするからね、私の住む龍宮へ行かないかい。」と言ったら、猿は面白がって、「おいしいものもあって、金持ちにするなら行く。」って言った。それで、亀は海岸に行って、「私の背中に乗りなさい。」と言って猿を乗せて龍宮に行ったんだ。龍宮へ行ってから、亀が海の門番の魚に、「しっこやりたいから、ちょっと休ませてくれ。」と言って、猿を岸のところに置いた。そのときに蛸がおったんだね。蛸は、「お猿さん、あんたは死ぬだろう。海の龍宮様が病気して、あんたを殺して生肝を取るって、それで亀さんは連れて来ているんだよ。」と言った。猿はそれを聞いてね、「家に生肝を忘れたから心臓を取ってくるから。」と亀に言ったんだ。それでまた亀が猿を乗せて陸に戻ってきたら、猿は怒って木の上に登った。また亀さんが、「行かないか。」って呼びに行ったら猿は柿の種を上から投げて、亀の背中をぶち壊したんだ。そのときに亀の背中は割れて、甲羅を十三に割ってあるそうだ。それで、蛸が告げ口したということを知った亀は怒って、「きさま、どうして猿にそう告げたか。」と言って、座っている蛸をバンバン叩いたんだ。蛸はそのときから骨がなくなったそうだ。
| レコード番号 | 47O410556 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C013 |
| 決定題名 | 猿の生肝(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 喜納松三 |
| 話者名かな | きなまつぞう |
| 生年月日 | 190021205 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 与那城村宮城島桃原 |
| 記録日 | 19720803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T15A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P58 |
| キーワード | 龍宮の神様が病気,薬は何もない,亀,蛸,陸の猿の生肝,木の上,柿の種,蛸が告げ口,骨がなくなった |
| 梗概(こうがい) | 昔の唐話をするとね、昔、龍宮の神様が病気してね。病気しても、薬は何もないんだ、海にはね。それでもう海の者たちは心配してね。亀が一番心配しておるんだ。また、蛸も心配しておるときに、龍宮様が、 「私の病気はね、陸の猿の生肝(いちじむ)食べたら治るから、猿の生肝を取って来なさい。」と言いつけた。したら、生きておるままどうして猿を連れてくるかと。それで、亀が、「わしに考えがあるから連れてくる。」と。亀はずっと山の奥へ行って、猿の生肝を取りに行ったんだ。その猿を呼んで、「猿さん、あんたをいっぺんに金持ちにするからね、私の住む龍宮へ行かないかい。」と言ったら、猿は面白がって、「おいしいものもあって、金持ちにするなら行く。」って言った。それで、亀は海岸に行って、「私の背中に乗りなさい。」と言って猿を乗せて龍宮に行ったんだ。龍宮へ行ってから、亀が海の門番の魚に、「しっこやりたいから、ちょっと休ませてくれ。」と言って、猿を岸のところに置いた。そのときに蛸がおったんだね。蛸は、「お猿さん、あんたは死ぬだろう。海の龍宮様が病気して、あんたを殺して生肝を取るって、それで亀さんは連れて来ているんだよ。」と言った。猿はそれを聞いてね、「家に生肝を忘れたから心臓を取ってくるから。」と亀に言ったんだ。それでまた亀が猿を乗せて陸に戻ってきたら、猿は怒って木の上に登った。また亀さんが、「行かないか。」って呼びに行ったら猿は柿の種を上から投げて、亀の背中をぶち壊したんだ。そのときに亀の背中は割れて、甲羅を十三に割ってあるそうだ。それで、蛸が告げ口したということを知った亀は怒って、「きさま、どうして猿にそう告げたか。」と言って、座っている蛸をバンバン叩いたんだ。蛸はそのときから骨がなくなったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:21 |
| 物語の時間数 | 5:17 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |