名護親方という人は偉い人だったんだね。あの人は、男の子一人産んでいたそうだ。そしたらさ、その男の子は、重い病気して亡くなってしまったわけさ。一人っ子が亡くなったというのでね、首里からお悔やみに来られた。名護親方は、もう一人っ子を亡くしてよ、お悔やみを言われたときにもよ、始終笑顔で、涙落とさなかったみたいだからね、「もうこの人は、一人っ子を亡くしているから、人が行ってお悔やみを言ってもさ、涙を落とさない珍しい人だなあ。」と言うてよ。「この人は笑顔でいるから、人が行ってお悔やみもいえない。この人に涙を落とさせる考えをしなければいけない。」と思っていたそうだ。この部落にまた、友寄ミーハギーという人がいて、この人は、非常に三味線が上手だったみたいさ。それで、この友寄ミーハギーという人がね、名護親方のところに行って、三味線を弾いて、それから、歌を唄ったみたいだね。「抱(だ)ち子(ぐわ)うしはなち かん苦ちさあむぬ(可愛い子を失って こんなに苦しいものか)魚(いゆ)ぬ水(みじ)はなりぃ かんがあゆら(魚が水をはなれるとは こんなことか)。」と言う歌を唄ったので、この時に名護親方は涙を流したって。本当は苦しいが、もう偉い人だからね、全然、涙を落とさないんだね。しかし、友寄ミーハギーという人が涙を落とさせたという由来さ。
(方言原話) 名護親方とぅいいぬ人(ちゅ)や偉い人(ちゅ)やみせーさや、あの人(ちゅ)や男子小(いきがっぐわ)、一人(ちゅい)産(な)ちょーみせーたんでぃ。あんちゃとぅや、うぬ男子小(いきがんぐわ)よ、一人(ちょい)産(な)ちょーしが、うぬ男子小(いきがんぐわ)ぬ重い病気しちよ、亡(な)くなたるばぁえ、亡くなたる。あんさっとぅや、ありさるふーじぃやたんでぃ。首里(しゅり)から全部(む る)、悔(く)やみいーがめんしぇーせぇや、なー、一人子(ちゅいんぐわ)亡(まー)ちゃくとぅや、お悔やみいーが来(ち)、悔やみいいるばーによ、むる笑いかんてぃよぇ。全然悔やみうけぃらんたんでぃ。なー、一人子(ちゅいんぐわー)るやしが、一人子(ちゅいんぐわ)逃(ひ)んがちんや、涙(なだ)ん落(う)とぅさんてぬふーじやいびんや。あんちゃとぅや、ありやえぎるふーじ、「ああ、くぬ人や一人子一人子(ちゅいぐわ)逃(ひ)んぐゎちん、人(ちゅ)ぬ来(ち)ん悔(く)やみんいっちんや、涙(なだ)落(う)とぅさん、ひるまし人(ちゅ)やみせぇさー。」んでぃ言ちよ、うぬ村かい友寄(とぅぬし)ミーハギーでぃぬ人ぬよ、うぬ人や、じこ三味線(さんしん)上手(じょーじ)やみせーたるふーじ。ついてや、「うぬ人(ちゅ)や、人ぬ行(ん)じ悔(く)やみん言ちん、笑いかんじゃとぅや、うぬ人(ちゅ)、涙(なーだ)落(う)とぅすぬ考げぇさんかやならん。」んでぃ言ちよぉ、うぬ友寄(とぅぬし)ミーハギーんでぃーぬ人(ちゅ)ぬどーや、三味線弾ち、あんしぇから、歌あびぃてるふーじやいん。「抱(だ)ち子(ぐわ) うしはなち かんくちさあむぬ 魚(いゆ)ぬ水(みじ)はなでぃ かんがあゆら。」でぃ言ちよ、三味線(さんしん)弾(ひ)ちょーえ、歌あびたくとぅ、うにん涙(なだ)落(う)とぅへぇ。うにん涙(なだ)落(う)とぅへぇ。苦(く)りさあいしが、なあ、偉い人(ちゅ)やくとぅや、全然、涙(なだ)落(う)とぅしみそーらんだえ、友寄(とぅむし)ミーハギーでぃぬ人(ちゅ)ぬ、涙(なだ)落(う)とぅしみたんでぃぬ由来さ。
| レコード番号 | 47O381185 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C060 |
| 決定題名 | 名護親方 子供の死(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 東江三助 |
| 話者名かな | あがりえさんすけ |
| 生年月日 | 19030315 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字前泊 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村前泊 T22 A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P 137 |
| キーワード | 名護親方,病気,首里,笑顔,涙,友寄ミーハギー,三味線,歌 |
| 梗概(こうがい) | 名護親方という人は偉い人だったんだね。あの人は、男の子一人産んでいたそうだ。そしたらさ、その男の子は、重い病気して亡くなってしまったわけさ。一人っ子が亡くなったというのでね、首里からお悔やみに来られた。名護親方は、もう一人っ子を亡くしてよ、お悔やみを言われたときにもよ、始終笑顔で、涙落とさなかったみたいだからね、「もうこの人は、一人っ子を亡くしているから、人が行ってお悔やみを言ってもさ、涙を落とさない珍しい人だなあ。」と言うてよ。「この人は笑顔でいるから、人が行ってお悔やみもいえない。この人に涙を落とさせる考えをしなければいけない。」と思っていたそうだ。この部落にまた、友寄ミーハギーという人がいて、この人は、非常に三味線が上手だったみたいさ。それで、この友寄ミーハギーという人がね、名護親方のところに行って、三味線を弾いて、それから、歌を唄ったみたいだね。「抱(だ)ち子(ぐわ)うしはなち かん苦ちさあむぬ(可愛い子を失って こんなに苦しいものか)魚(いゆ)ぬ水(みじ)はなりぃ かんがあゆら(魚が水をはなれるとは こんなことか)。」と言う歌を唄ったので、この時に名護親方は涙を流したって。本当は苦しいが、もう偉い人だからね、全然、涙を落とさないんだね。しかし、友寄ミーハギーという人が涙を落とさせたという由来さ。 (方言原話) 名護親方とぅいいぬ人(ちゅ)や偉い人(ちゅ)やみせーさや、あの人(ちゅ)や男子小(いきがっぐわ)、一人(ちゅい)産(な)ちょーみせーたんでぃ。あんちゃとぅや、うぬ男子小(いきがんぐわ)よ、一人(ちょい)産(な)ちょーしが、うぬ男子小(いきがんぐわ)ぬ重い病気しちよ、亡(な)くなたるばぁえ、亡くなたる。あんさっとぅや、ありさるふーじぃやたんでぃ。首里(しゅり)から全部(む る)、悔(く)やみいーがめんしぇーせぇや、なー、一人子(ちゅいんぐわ)亡(まー)ちゃくとぅや、お悔やみいーが来(ち)、悔やみいいるばーによ、むる笑いかんてぃよぇ。全然悔やみうけぃらんたんでぃ。なー、一人子(ちゅいんぐわー)るやしが、一人子(ちゅいんぐわ)逃(ひ)んがちんや、涙(なだ)ん落(う)とぅさんてぬふーじやいびんや。あんちゃとぅや、ありやえぎるふーじ、「ああ、くぬ人や一人子一人子(ちゅいぐわ)逃(ひ)んぐゎちん、人(ちゅ)ぬ来(ち)ん悔(く)やみんいっちんや、涙(なだ)落(う)とぅさん、ひるまし人(ちゅ)やみせぇさー。」んでぃ言ちよ、うぬ村かい友寄(とぅぬし)ミーハギーでぃぬ人ぬよ、うぬ人や、じこ三味線(さんしん)上手(じょーじ)やみせーたるふーじ。ついてや、「うぬ人(ちゅ)や、人ぬ行(ん)じ悔(く)やみん言ちん、笑いかんじゃとぅや、うぬ人(ちゅ)、涙(なーだ)落(う)とぅすぬ考げぇさんかやならん。」んでぃ言ちよぉ、うぬ友寄(とぅぬし)ミーハギーんでぃーぬ人(ちゅ)ぬどーや、三味線弾ち、あんしぇから、歌あびぃてるふーじやいん。「抱(だ)ち子(ぐわ) うしはなち かんくちさあむぬ 魚(いゆ)ぬ水(みじ)はなでぃ かんがあゆら。」でぃ言ちよ、三味線(さんしん)弾(ひ)ちょーえ、歌あびたくとぅ、うにん涙(なだ)落(う)とぅへぇ。うにん涙(なだ)落(う)とぅへぇ。苦(く)りさあいしが、なあ、偉い人(ちゅ)やくとぅや、全然、涙(なだ)落(う)とぅしみそーらんだえ、友寄(とぅむし)ミーハギーでぃぬ人(ちゅ)ぬ、涙(なだ)落(う)とぅしみたんでぃぬ由来さ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:14 |
| 物語の時間数 | 0:57 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |