モーイの親は百姓出の役人だった。沖縄に頭のいい人がいるか試すために内地から沖縄に問題が出された。灰で縄を作って持って来いと言われ、モーイの親は毎日心配し頭を悩ましていた。モーイが「お父さん、どうしたんですか」と聞くと内地の方からこんな問題を出されて困っていると言うと、モーイはそんなことは簡単だと言った。縄を編んだものを箱に入れ、それを焼けばいいと言う。それを内地の方へ送ると、内地の方では「なかなかいい考えだ」と言う。内地の方からもっと知恵試しをしようと問題が出される。サンザクの木を切って穴をあけ、そこから糸を通しなさいと言われる。糸だから、なんでも通しきれないから木の一方のところに砂糖をつけて、蟻の背中に糸をつけ反対側からはなしたらしい。すると蟻は砂糖の匂いをする方を通ったので糸を通すことが出来る。今度は沖縄にある大きな松の木を切らずに届けよと言う。その木を持っていくのは簡単だけども、それを運ぶ船がないから船を送ってくださいと言って負かした。それで内地の人は、沖縄には頭のいい人がいるんだと思う。ある時、偉い人が首里に馬に乗っていく時、私が行って帰ってくる間に何回クワをうつか数えておくように言われる。お父さんはクワをうちながら、途中で何か考え事をしてしまって何回うったか忘れてしまう。心配していると、長男が弁当を持ってくるが、お父さんは食べない。どうしたのかわけを聞くと、こういうわけだと話していると、さっきの連中が帰ってくる。「今までうったクワの数は何回か」と聞くので、長男は「あなた方が那覇まで行って来た時の馬の歩数を答えることができますか」とたずねたので、その人たちは「ああ、これは大変だ」と言って帰った。このことが首里の偉い人に伝わった。それでこの私と勝負をしようと言ってくる。私に勝てば頭がいいことを認めよう、もしも解けなかったら浜で打ち首にするという連絡がある。旗をたてることが出来れば許すが、もしも立てることが出来なければ殺すと言った。そして旗をたてることはできなかった。モーイ親方は「私がやったことは悪いことではない。いいことをしている。私が死ぬ時、どこどこの十字路に埋めれば私のようにすぐれた人は生まれない」と格言を言った。また、モーイが自分の家に蜜柑や野菜などが隣の家から出ているのを取ると、隣の人が怒る。そして「私の土地に生えたものだから私のものだ」と言うとモーイは「もうとらない」と言った。ある日、隣の家にみんなが集まっていた時、モーイが腐ったものを出す。それで隣の家の客は臭いと文句を言う。隣の家の主人は祝いをしているのに、あなたはこんなものを出して何事だ。ひっこめなさい」と言うとモーイは「根は私のところにあるのだから、あなたには関係ない」と言い、知恵勝負はモーイが勝った。
| レコード番号 | 47O381165 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C059 |
| 決定題名 | モーイ親方 殿様の難題 出たものは切る(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊礼孝進 |
| 話者名かな | いれいこうしん |
| 生年月日 | 19110627 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村田名 T21 B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | モーイ,沖縄,内地,問題,灰,縄,知恵試し,サンザク,糸,砂糖,蟻,船,首里,馬,クワ,歩数,打ち首,旗,十字路,隣の家,蜜柑,知恵勝負 |
| 梗概(こうがい) | モーイの親は百姓出の役人だった。沖縄に頭のいい人がいるか試すために内地から沖縄に問題が出された。灰で縄を作って持って来いと言われ、モーイの親は毎日心配し頭を悩ましていた。モーイが「お父さん、どうしたんですか」と聞くと内地の方からこんな問題を出されて困っていると言うと、モーイはそんなことは簡単だと言った。縄を編んだものを箱に入れ、それを焼けばいいと言う。それを内地の方へ送ると、内地の方では「なかなかいい考えだ」と言う。内地の方からもっと知恵試しをしようと問題が出される。サンザクの木を切って穴をあけ、そこから糸を通しなさいと言われる。糸だから、なんでも通しきれないから木の一方のところに砂糖をつけて、蟻の背中に糸をつけ反対側からはなしたらしい。すると蟻は砂糖の匂いをする方を通ったので糸を通すことが出来る。今度は沖縄にある大きな松の木を切らずに届けよと言う。その木を持っていくのは簡単だけども、それを運ぶ船がないから船を送ってくださいと言って負かした。それで内地の人は、沖縄には頭のいい人がいるんだと思う。ある時、偉い人が首里に馬に乗っていく時、私が行って帰ってくる間に何回クワをうつか数えておくように言われる。お父さんはクワをうちながら、途中で何か考え事をしてしまって何回うったか忘れてしまう。心配していると、長男が弁当を持ってくるが、お父さんは食べない。どうしたのかわけを聞くと、こういうわけだと話していると、さっきの連中が帰ってくる。「今までうったクワの数は何回か」と聞くので、長男は「あなた方が那覇まで行って来た時の馬の歩数を答えることができますか」とたずねたので、その人たちは「ああ、これは大変だ」と言って帰った。このことが首里の偉い人に伝わった。それでこの私と勝負をしようと言ってくる。私に勝てば頭がいいことを認めよう、もしも解けなかったら浜で打ち首にするという連絡がある。旗をたてることが出来れば許すが、もしも立てることが出来なければ殺すと言った。そして旗をたてることはできなかった。モーイ親方は「私がやったことは悪いことではない。いいことをしている。私が死ぬ時、どこどこの十字路に埋めれば私のようにすぐれた人は生まれない」と格言を言った。また、モーイが自分の家に蜜柑や野菜などが隣の家から出ているのを取ると、隣の人が怒る。そして「私の土地に生えたものだから私のものだ」と言うとモーイは「もうとらない」と言った。ある日、隣の家にみんなが集まっていた時、モーイが腐ったものを出す。それで隣の家の客は臭いと文句を言う。隣の家の主人は祝いをしているのに、あなたはこんなものを出して何事だ。ひっこめなさい」と言うとモーイは「根は私のところにあるのだから、あなたには関係ない」と言い、知恵勝負はモーイが勝った。 |
| 全体の記録時間数 | 7:59 |
| 物語の時間数 | 7:46 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |