あの年寄りはもう亡くなっておられるがね。この人のよ、話を聞いたんだけどね、だー、あの昔からの組踊りは、一番最初のこの出だしは、「でぃよーちゃる者や(ここに出てきた者)。」と言って出るでしょ。あれがね、この按司の人、上々の人が大変訓練したけど、初めに出すのは、どういった言葉を使って出たほうがいいだろうかと、とても苦心していたようだね。その人達が田舎を廻って、各家庭を尋ねたりしていたら、それで雨が降ってとある家に隠れていたわけ。そこへ百姓の女らしいが、二人雨宿りしていたって。それでこの人達が雨が晴れた時に、「でぃらでぃら、でぃらでぃら(出よう、出よう)。」と言ったって。「でぃりら」と言うのは、出て行こうという意味だったんだね。あの各字、言葉が違うさ。この百姓達は雨が晴れたから、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」と言ったので、ここにいたこの人は、こんな、こんな言葉を探して歩いていたのだから、この人はこの言葉を聞いて、「うん、とー、これは上等な出だしだ。」ということで、それでこれを上々に、この話を持っていって話し合いをし、そしてこれをやってみることにしたら、この按司の一番最初の出だしは、按司が、「でぃようちゃるむぬや、中城(なかぐしく)ぬ城主(しろぬし)護佐丸(ごさまる)ぬ按司(あじ)。」と。この按司のでるものは皆「でぃよーちゃる者や(出てくる者は)」と言って、ずっと組踊りは、昔から言われているさね。それでこれの一番は、この田舎の百姓が雨が晴れて出る時に、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」と言ったから、これを聞いて「出てくる者は」と按司が出るものにつかうようになった。
(方言原話) もうあの年寄りはもう、亡くなっておられるがね。うぬ人(ちゅ)ぬよ、話に聞(ち)ちょーたしがよ、昔からぬ組踊りや、一番最初に出(ん)じしや、「でぃよーちゃるむぬや。」てぃるい出(ん)じーしぇーや。あれがね、この按司(あじ)の人、上上の人がだてぃん訓練そーいぎさや、初めに出(ん)じしや、ちゃぬふーじーぬ言葉(くとぅば)ちかれー、出(ん)じれしむがやーんち、じこーなー、苦心そーいぎさぬふーじーやさや。あや、ある田舎ぬ人達(ちゅぬちゃー)多分(たむ)田舎(いなか)まーい家庭みぐいしーしーしさーによ。あんさーにうぬ、ある家庭の家(やー)に、雨(あみ)降やーに、あんしうまに隠りとーたるばー。でぃ、くまに百姓ぬ歌、女(いなぐー)でぃがら、二人(たい)うぬー雨隠(あみーかく)りとーたんでぃよ。あんしうぬ人達(ちゅんちゃー)ぬ雨晴(あみは)りたくとぅよ、「でぃらでぃら、でぃらでぃら。」しちゃんでぃよ。な、でぃりらんでぃしや、出(ん)じち行(い)いちゅんでぃるちむいやさや。各字の言葉(くとぅば)違いしぇー。うぬ百姓ぬちゃーぬ、雨(あみ)の晴りたくとぅ、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」しちゃくとぅよ、うぬうまにうぬ人(ちゅ)や、んぬん、ぬぐとぅぬ、んぐとぅぬくとぅばるなーとぅめーてぃあっちゅくとぅ、うん人(ちゅ)ぬやー、うり聞(ち)ちゃーに、「うん、とー、くりや上等な、出(ん)じ口(くち)やっさーん。」でぃ言やーに、あんしうりーなー上(うぃー)上(うぃー)んかい、持(む)っちいんじゃーに話し合いし、あんしうり、うぬ話、持(む)ちんじーししちゃくとぅ、うぬ按司ぬ一番最初にんじーしやあぬ、按司ぬ、「でぃよーちゃるむぬや、中城(なかぐしく)ぬ護佐丸(ぐさまる)、城主(しるぬし)ぬ護佐丸(ぐさまる)ぬ按司(あじ)。」と、うぬ按司やむる「でぃよーちゃるむぬや。」ってぃ、ずっと組踊(くみおど)り昔からんじとーしぇーや。んにーから、あんし、うりが一番なー、うぬ田舎ん人(ちゅ)ぬ百姓が、雨晴(あみは)りやーに出(ん)じーし、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」しちゃくとぅ、うり聞(ち)ちうりし、「でぃよーちゃるむぬや」てぃ、按司ぬんじし。
| レコード番号 | 47O381163 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C059 |
| 決定題名 | 出ぃよーちゃる者由来(シマグチ混じり) |
| 話者がつけた題名 | ンジャミー由来 組踊り |
| 話者名 | 石川松清 |
| 話者名かな | いしかわまつせい |
| 生年月日 | 19110901 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村田名 T21 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 民俗、 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P 125 |
| キーワード | 組踊り,でぃよーちゃる者,按司,言葉,雨宿り,でぃりら,中城,城主,護佐丸 |
| 梗概(こうがい) | あの年寄りはもう亡くなっておられるがね。この人のよ、話を聞いたんだけどね、だー、あの昔からの組踊りは、一番最初のこの出だしは、「でぃよーちゃる者や(ここに出てきた者)。」と言って出るでしょ。あれがね、この按司の人、上々の人が大変訓練したけど、初めに出すのは、どういった言葉を使って出たほうがいいだろうかと、とても苦心していたようだね。その人達が田舎を廻って、各家庭を尋ねたりしていたら、それで雨が降ってとある家に隠れていたわけ。そこへ百姓の女らしいが、二人雨宿りしていたって。それでこの人達が雨が晴れた時に、「でぃらでぃら、でぃらでぃら(出よう、出よう)。」と言ったって。「でぃりら」と言うのは、出て行こうという意味だったんだね。あの各字、言葉が違うさ。この百姓達は雨が晴れたから、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」と言ったので、ここにいたこの人は、こんな、こんな言葉を探して歩いていたのだから、この人はこの言葉を聞いて、「うん、とー、これは上等な出だしだ。」ということで、それでこれを上々に、この話を持っていって話し合いをし、そしてこれをやってみることにしたら、この按司の一番最初の出だしは、按司が、「でぃようちゃるむぬや、中城(なかぐしく)ぬ城主(しろぬし)護佐丸(ごさまる)ぬ按司(あじ)。」と。この按司のでるものは皆「でぃよーちゃる者や(出てくる者は)」と言って、ずっと組踊りは、昔から言われているさね。それでこれの一番は、この田舎の百姓が雨が晴れて出る時に、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」と言ったから、これを聞いて「出てくる者は」と按司が出るものにつかうようになった。 (方言原話) もうあの年寄りはもう、亡くなっておられるがね。うぬ人(ちゅ)ぬよ、話に聞(ち)ちょーたしがよ、昔からぬ組踊りや、一番最初に出(ん)じしや、「でぃよーちゃるむぬや。」てぃるい出(ん)じーしぇーや。あれがね、この按司(あじ)の人、上上の人がだてぃん訓練そーいぎさや、初めに出(ん)じしや、ちゃぬふーじーぬ言葉(くとぅば)ちかれー、出(ん)じれしむがやーんち、じこーなー、苦心そーいぎさぬふーじーやさや。あや、ある田舎ぬ人達(ちゅぬちゃー)多分(たむ)田舎(いなか)まーい家庭みぐいしーしーしさーによ。あんさーにうぬ、ある家庭の家(やー)に、雨(あみ)降やーに、あんしうまに隠りとーたるばー。でぃ、くまに百姓ぬ歌、女(いなぐー)でぃがら、二人(たい)うぬー雨隠(あみーかく)りとーたんでぃよ。あんしうぬ人達(ちゅんちゃー)ぬ雨晴(あみは)りたくとぅよ、「でぃらでぃら、でぃらでぃら。」しちゃんでぃよ。な、でぃりらんでぃしや、出(ん)じち行(い)いちゅんでぃるちむいやさや。各字の言葉(くとぅば)違いしぇー。うぬ百姓ぬちゃーぬ、雨(あみ)の晴りたくとぅ、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」しちゃくとぅよ、うぬうまにうぬ人(ちゅ)や、んぬん、ぬぐとぅぬ、んぐとぅぬくとぅばるなーとぅめーてぃあっちゅくとぅ、うん人(ちゅ)ぬやー、うり聞(ち)ちゃーに、「うん、とー、くりや上等な、出(ん)じ口(くち)やっさーん。」でぃ言やーに、あんしうりーなー上(うぃー)上(うぃー)んかい、持(む)っちいんじゃーに話し合いし、あんしうり、うぬ話、持(む)ちんじーししちゃくとぅ、うぬ按司ぬ一番最初にんじーしやあぬ、按司ぬ、「でぃよーちゃるむぬや、中城(なかぐしく)ぬ護佐丸(ぐさまる)、城主(しるぬし)ぬ護佐丸(ぐさまる)ぬ按司(あじ)。」と、うぬ按司やむる「でぃよーちゃるむぬや。」ってぃ、ずっと組踊(くみおど)り昔からんじとーしぇーや。んにーから、あんし、うりが一番なー、うぬ田舎ん人(ちゅ)ぬ百姓が、雨晴(あみは)りやーに出(ん)じーし、「でぃらでぃら、でぃらでぃら」しちゃくとぅ、うり聞(ち)ちうりし、「でぃよーちゃるむぬや」てぃ、按司ぬんじし。 |
| 全体の記録時間数 | 2:24 |
| 物語の時間数 | 1:54 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |