しょうえんおうたんじょうおくまかんじゃーさしきあじ
(方言原話)諸見(す み)ぬ大和(やまとぅ)タンメーが魚(いゆ)くわーしーがむっちんじぃたぬばー、あさっとぅや今度(くんどぅ)、沖(うき)から桶(うーき)ぬ流れてぃちょんばーよ。とぅんもーとぅんもーるしぃ。あんしゃとぅ、「珍(ひる)ましぃむん宝物(たからむん)ぬがあってぃ。」いんじー、ふいじとぅーばいんじゃとぅやー。うりねえー、赤子(あかんぐわ)ぬおるばーよ。「ああ、とー、うり、でーじやしぃが。」家(やー)かいはいいちぇー、えー、家(やー)ぬハンシー、大和タンメーとぅてーへー、えーなー育(すだ)てぃえー、かまへー、成長しみたっとぅ。うりまたちゅらさんあいえー。ち、あのう美男子やったんでぃよう。あへんじぇ、年頃(とぅしぐる)なっとぅよ、若者達(わかむんちゃー)の、伊是名ぬ諸見(す み)の若者達(わかむんちゃー)ぬ、だてーん、執心し望(ぬず)むるばーよー。あんしぇんじ、農業るそーしが、うぬ人(ちゅ)ぬ今度や、田や上(うわー)びにるあいんむん、逆田(さかた)てぃ上(うぃー)に、あるばーよ。うりけ、今度は田(たー)に日照(ひで)りんばーに、水(みじ)多(うふぉー)くそーるばーよー、「ああ、くりぇ、夜(ゆる)出(ん)じ他人(ちゅ)ぬ田(たー)から、どぅーくる水(みじ)汲(く)みえー、入(い)りえーる。」てから、憎(にく)まれんじ、それからそーるばーに、今度(くんどぅ)またあの神様、白髪(しらが)ボーボー生(み)ゆぬ神様みたいの老人が、夢(いみ)見(み)しぇるばー。枕元(まくらもと)に来(ち)ぃ。「これ、やーや、うまにうんやー、なまやー、ここ村人(しまんちゅ)や、やー殺(くる)すんてーから、むる、準備そーんどー。早(へー)く明日(あちゃー)、しこまー早(へー)く起(う)きいんじー、浜(はま)てぃん行(い)こーやー、船(ふにー)ん、うまーにうーい、飯米(はんめー)にこ乗(の)しろーとぅや、すぐうりけん、逃(ひ)んぎりよー。」でぃいちゃくとぅ、ちゃーしがしこまー起(う)きぃんじゃくとぅや、浜(はま)に船(ふに)んきさ、準備さりえー、飯米(はんめー)入りろんばー。あんさとぅ、「あんや、なーや本当(ふんとー)やさー。」でぃいえーから、えー、くぬ船(ふに)から山原(やんばる)かい逃(ひ)んげー行(ん)じゃっとぅ、しっちゃんめぬ、国頭(くんじゃん)の奥間(うくま)。やーあまんじ行(ん)じてぃ、また今度(くんどー)、一番初めあたったしーや、奥間カンジャーなとーんばーよ。カンジャーにカンジャーの手助けしえーから、うぬ、でぃ、じんぶんさーかわいるばーれる。うさぎーらーちょうとぅやー。えー、まーそーしが、前またーいちゃーがしちゃんぬあらー、皆に憎まれるわざ。全然(じぇんじぇん)うまーにんならん。あれ、うまーやあらんまた今度(くんどー)、うまーに又神様ぬ夢(いみ)見しるばーよ。「なーひん南(へー)き行けなーひん南(へー)き行け。」てぃ、言われんちゃくとぅ。たった、あぬ、中部から南部かいんじぇしちゃしが、今度(くんどー)うまんじんまたらん、一番残(いちばんぬく)たぬ、最後の残ったしが佐敷よ、佐敷村、あまんにけー行(ん)じょーるばーよ。えー、あまけんじそーしが、あまねぇ今度、苗代(なわしろ)からてぃぬ部落んじ、むとぅまえー、うまんじ長らく生活そーるばーに、今度あのう、時の王様からまたうりがしわざ、話ぬとぅんじんじぃ。いへー、わかんじぇー、城内(うろうち)ぎぇ来(ち)えーから、あの役目しむるばーよ。な、うっさじんぶんぬあいくとぅや、人(ちゅ)ぬ変わいるくとぅや、普通の人間と変わい、なーぼーねーくりぬ、頭(ちぶる)や持(む)ちょーい、顔(かーぎ)むあえんでぃそーてぃとぅや。いじ、首里(す い)かい呼ばれんじ、うまに、ぬー勤(ちとぅ)み、ぬー勤(ちとぅ)み、勤めしみーらてぃ。そーしが、うまにんまた、憎まりんんばーよ。「えーな、うまにならん。自分(どぅ)や隠居しぇ。」いんじぇ、からそーるばーに。今度あの騒動起(そうどうう)くれーから、尚徳王ぬばーに、久高島征伐(くだかしぇいばつ)しんじゃるばーに、うぬばーにうまねー争い全然ねーんしが、「あぬ尚徳王や悪い王様るやっとぅや、うの人(ちゅう)や政治ならん。り、うまーに、なま沖縄(うちなー)ねー、琉球の前(めー)の人間(にいんじん)とぅしぇー、さんたてぃあとぅたきねーから。」しちゃとぅ今度(くんどー)、一人の老人が、手(てぃー)挙(あ)ぎれーから、「物(むぬ)呉(くぃー)しる我(わー)御主(うすー)、着物(ちぬ)着(ちぃ)ししる 我(わー)御主(うすー)。」でーんじよ。「とう、あのう、西ぬ松金(にちかに)、松金(にちかに)ありぬ、沖縄(うちなー)ぬ王様にない人(ちゅ)るやる。」と言じゃとぅ、「うーさり。」てぃ、むーる賛成んじぇ手(てぃー)挙ぎたるばーよー、あんしうまんじちたっとぅや今度王様になたん。尚徳王やまた、帰(けー)ーるばーに、うぬ状況わかったのー、尚徳王の家にんじゅんちゃー、臣下(しんか)ぬちゃーの、「んじぇー、待ちょーけよえー、沖縄(うちなー)、琉球ーちゃんぐとぅならんどー。王様たっちょんどー。」てえとぅ、うぬむんやー、うまねー海かい、とぅぶぃけー亡(まー)さんでぃるくとぅなえー。うりが尚円王になたのー始まいり。うっさまでぃ、終わり。
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レコード番号 | 47O381161 |
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CD番号 | 47O38C059 |
決定題名 | 尚円王 誕生 奥間カンジャー 佐敷按司(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 西江幸徳 |
話者名かな | にしえこうとく |
生年月日 | 19080612 |
性別 | 男 |
出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋 |
記録日 | 19800907 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村田名 T21 A18 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 伝説 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | 伊平屋村民話集 P 71 |
キーワード | 諸見,大和タンメー,魚釣り,トゥンモー,桶,赤ん坊,ハンシー,美男子,松金,伊是名,逆田,日照り,神様,老人,舟,山原,国頭,奥間,奥間鍛冶屋,知恵,西原,王様,役目,首里,征伐,凱旋,尚徳王,久高島,首里城,琉球 |
梗概(こうがい) | (方言原話)諸見(す み)ぬ大和(やまとぅ)タンメーが魚(いゆ)くわーしーがむっちんじぃたぬばー、あさっとぅや今度(くんどぅ)、沖(うき)から桶(うーき)ぬ流れてぃちょんばーよ。とぅんもーとぅんもーるしぃ。あんしゃとぅ、「珍(ひる)ましぃむん宝物(たからむん)ぬがあってぃ。」いんじー、ふいじとぅーばいんじゃとぅやー。うりねえー、赤子(あかんぐわ)ぬおるばーよ。「ああ、とー、うり、でーじやしぃが。」家(やー)かいはいいちぇー、えー、家(やー)ぬハンシー、大和タンメーとぅてーへー、えーなー育(すだ)てぃえー、かまへー、成長しみたっとぅ。うりまたちゅらさんあいえー。ち、あのう美男子やったんでぃよう。あへんじぇ、年頃(とぅしぐる)なっとぅよ、若者達(わかむんちゃー)の、伊是名ぬ諸見(す み)の若者達(わかむんちゃー)ぬ、だてーん、執心し望(ぬず)むるばーよー。あんしぇんじ、農業るそーしが、うぬ人(ちゅ)ぬ今度や、田や上(うわー)びにるあいんむん、逆田(さかた)てぃ上(うぃー)に、あるばーよ。うりけ、今度は田(たー)に日照(ひで)りんばーに、水(みじ)多(うふぉー)くそーるばーよー、「ああ、くりぇ、夜(ゆる)出(ん)じ他人(ちゅ)ぬ田(たー)から、どぅーくる水(みじ)汲(く)みえー、入(い)りえーる。」てから、憎(にく)まれんじ、それからそーるばーに、今度(くんどぅ)またあの神様、白髪(しらが)ボーボー生(み)ゆぬ神様みたいの老人が、夢(いみ)見(み)しぇるばー。枕元(まくらもと)に来(ち)ぃ。「これ、やーや、うまにうんやー、なまやー、ここ村人(しまんちゅ)や、やー殺(くる)すんてーから、むる、準備そーんどー。早(へー)く明日(あちゃー)、しこまー早(へー)く起(う)きいんじー、浜(はま)てぃん行(い)こーやー、船(ふにー)ん、うまーにうーい、飯米(はんめー)にこ乗(の)しろーとぅや、すぐうりけん、逃(ひ)んぎりよー。」でぃいちゃくとぅ、ちゃーしがしこまー起(う)きぃんじゃくとぅや、浜(はま)に船(ふに)んきさ、準備さりえー、飯米(はんめー)入りろんばー。あんさとぅ、「あんや、なーや本当(ふんとー)やさー。」でぃいえーから、えー、くぬ船(ふに)から山原(やんばる)かい逃(ひ)んげー行(ん)じゃっとぅ、しっちゃんめぬ、国頭(くんじゃん)の奥間(うくま)。やーあまんじ行(ん)じてぃ、また今度(くんどー)、一番初めあたったしーや、奥間カンジャーなとーんばーよ。カンジャーにカンジャーの手助けしえーから、うぬ、でぃ、じんぶんさーかわいるばーれる。うさぎーらーちょうとぅやー。えー、まーそーしが、前またーいちゃーがしちゃんぬあらー、皆に憎まれるわざ。全然(じぇんじぇん)うまーにんならん。あれ、うまーやあらんまた今度(くんどー)、うまーに又神様ぬ夢(いみ)見しるばーよ。「なーひん南(へー)き行けなーひん南(へー)き行け。」てぃ、言われんちゃくとぅ。たった、あぬ、中部から南部かいんじぇしちゃしが、今度(くんどー)うまんじんまたらん、一番残(いちばんぬく)たぬ、最後の残ったしが佐敷よ、佐敷村、あまんにけー行(ん)じょーるばーよ。えー、あまけんじそーしが、あまねぇ今度、苗代(なわしろ)からてぃぬ部落んじ、むとぅまえー、うまんじ長らく生活そーるばーに、今度あのう、時の王様からまたうりがしわざ、話ぬとぅんじんじぃ。いへー、わかんじぇー、城内(うろうち)ぎぇ来(ち)えーから、あの役目しむるばーよ。な、うっさじんぶんぬあいくとぅや、人(ちゅ)ぬ変わいるくとぅや、普通の人間と変わい、なーぼーねーくりぬ、頭(ちぶる)や持(む)ちょーい、顔(かーぎ)むあえんでぃそーてぃとぅや。いじ、首里(す い)かい呼ばれんじ、うまに、ぬー勤(ちとぅ)み、ぬー勤(ちとぅ)み、勤めしみーらてぃ。そーしが、うまにんまた、憎まりんんばーよ。「えーな、うまにならん。自分(どぅ)や隠居しぇ。」いんじぇ、からそーるばーに。今度あの騒動起(そうどうう)くれーから、尚徳王ぬばーに、久高島征伐(くだかしぇいばつ)しんじゃるばーに、うぬばーにうまねー争い全然ねーんしが、「あぬ尚徳王や悪い王様るやっとぅや、うの人(ちゅう)や政治ならん。り、うまーに、なま沖縄(うちなー)ねー、琉球の前(めー)の人間(にいんじん)とぅしぇー、さんたてぃあとぅたきねーから。」しちゃとぅ今度(くんどー)、一人の老人が、手(てぃー)挙(あ)ぎれーから、「物(むぬ)呉(くぃー)しる我(わー)御主(うすー)、着物(ちぬ)着(ちぃ)ししる 我(わー)御主(うすー)。」でーんじよ。「とう、あのう、西ぬ松金(にちかに)、松金(にちかに)ありぬ、沖縄(うちなー)ぬ王様にない人(ちゅ)るやる。」と言じゃとぅ、「うーさり。」てぃ、むーる賛成んじぇ手(てぃー)挙ぎたるばーよー、あんしうまんじちたっとぅや今度王様になたん。尚徳王やまた、帰(けー)ーるばーに、うぬ状況わかったのー、尚徳王の家にんじゅんちゃー、臣下(しんか)ぬちゃーの、「んじぇー、待ちょーけよえー、沖縄(うちなー)、琉球ーちゃんぐとぅならんどー。王様たっちょんどー。」てえとぅ、うぬむんやー、うまねー海かい、とぅぶぃけー亡(まー)さんでぃるくとぅなえー。うりが尚円王になたのー始まいり。うっさまでぃ、終わり。 |
全体の記録時間数 | 4:50 |
物語の時間数 | 4:37 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ○ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |