島尻の座波でですな、この人の名前は忘れましたが、偉い人の一人娘がですな、8月4日に亡くなっておりますがね。そして、八月九日の日にですね、墓から生き返ってきますよ。この八月九日の日、モーイカンピーという人が、この墓のそばで草を刈っておったそうです。そして、雨がだらだらと降ったんですから、この墓の前に行って、雨が止むまで座っておったそうですな。それで、カンピーという人は墓の前で眠っていたわけ。すると、墓の中からな、手を出して、この人の髪を引いたようですな。ああっと驚いて、飛び起きてね、何者かと見たらですな、墓の中から、「私は、どこどこの娘で墓に葬られておるが、生き返っておるから、私の家に行って知らせてくれ。」と言ったんですよ。死んでいる人が生き返っていると言うから、モーイカンピーという人は、「お前、死んだ人が生き返るということがあるか、お前は幽霊だろう。」と言って、あまり合点(がってん)しなかった。そしたら、墓の中の人は、絹のハンカチ持っておったようですな。この死んだ人が、「そんなら、この絹のハンカチを持って行って、私の家に行って知らせて下さい。」と。この女は、死んだ六日目の八月九日の日に生き返っているからね、十日の日に家に連れて来たらね、とても喜んでね、この日は七日(なんか)御焼香(うすーこー)にあたっておるしね、家では、御焼香に用意したお米でカチ(カシチー・赤飯)を作ってな、その娘にあがらして、命びろいの祝いをしたそうですな。その行事をこっちでは、八月の十日の折目(ういみー)と言いよった。このときは、花の咲くものよ、ススキさ、あれでな、厄返(やくげー)し、悪返(あくげー)しと言ってさ、耳にこんなふうにつけたり、また家の隅々に立ててな、シワ返しと言って、心配を返す行事をやりますよ。それから、死んでから、新たに生き返ったら、これを入厄と呼んでいますよ。また、晴厄というのは、もう人が死んだ後で、厄を晴すことをいいます。
| レコード番号 | 47O381118 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C057 |
| 決定題名 | 八月十日折り目由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 新垣国太郎 |
| 話者名かな | あらがきくにたろう |
| 生年月日 | 19050830 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村我喜屋 T19 A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P 116 |
| キーワード | 島尻,座波,墓,モーイカンピー,幽霊,絹のハンカチ,七日御焼香,カチ,折目,ススキ,厄返し,悪返し,耳,シワ返し,入厄,晴厄 |
| 梗概(こうがい) | 島尻の座波でですな、この人の名前は忘れましたが、偉い人の一人娘がですな、8月4日に亡くなっておりますがね。そして、八月九日の日にですね、墓から生き返ってきますよ。この八月九日の日、モーイカンピーという人が、この墓のそばで草を刈っておったそうです。そして、雨がだらだらと降ったんですから、この墓の前に行って、雨が止むまで座っておったそうですな。それで、カンピーという人は墓の前で眠っていたわけ。すると、墓の中からな、手を出して、この人の髪を引いたようですな。ああっと驚いて、飛び起きてね、何者かと見たらですな、墓の中から、「私は、どこどこの娘で墓に葬られておるが、生き返っておるから、私の家に行って知らせてくれ。」と言ったんですよ。死んでいる人が生き返っていると言うから、モーイカンピーという人は、「お前、死んだ人が生き返るということがあるか、お前は幽霊だろう。」と言って、あまり合点(がってん)しなかった。そしたら、墓の中の人は、絹のハンカチ持っておったようですな。この死んだ人が、「そんなら、この絹のハンカチを持って行って、私の家に行って知らせて下さい。」と。この女は、死んだ六日目の八月九日の日に生き返っているからね、十日の日に家に連れて来たらね、とても喜んでね、この日は七日(なんか)御焼香(うすーこー)にあたっておるしね、家では、御焼香に用意したお米でカチ(カシチー・赤飯)を作ってな、その娘にあがらして、命びろいの祝いをしたそうですな。その行事をこっちでは、八月の十日の折目(ういみー)と言いよった。このときは、花の咲くものよ、ススキさ、あれでな、厄返(やくげー)し、悪返(あくげー)しと言ってさ、耳にこんなふうにつけたり、また家の隅々に立ててな、シワ返しと言って、心配を返す行事をやりますよ。それから、死んでから、新たに生き返ったら、これを入厄と呼んでいますよ。また、晴厄というのは、もう人が死んだ後で、厄を晴すことをいいます。 |
| 全体の記録時間数 | 3:30 |
| 物語の時間数 | 3:07 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |