昔ですな。本島の方に数年たった夫婦がおったようですな。この二人は子供が出来なかったようですな。そうして神の方に、毎日、「子供がほしいんですが、どうか子供が出来ますように。」と神にお願いしたらしいですね。その毎日お願いしたもんだから、そのお願いも通ったそうですよね。そして、ちょっと年をとってから子供出来たそうですな。そうしたらもう、今まで子供欲しがったんだが、子供が産まれたらですな、生まれて七日の晩にその満産と言ってお祝いするでしょう。「今日は今までの欲しがった子供ができておるんだしが、親類、また隣組の人もお招きして今日はお祝いしよう。」と言ってですな。そして、魚を準備させてな、この男のほうは、祝いだから舞子とか三味線引く人を頼みに行ったそうですな。その途中でですな、非常に別嬪(ぺっぴん)さんの女に会ったそうですな。その女は、普通の人じゃ無かったようですな。その男が急いで行くんで、「なぜ、急いでどこのほう行かれますか。」って言ったから、「私はこんな事情によって行くんですよ。」と言うと、その女が、「それなら私がその三味線とか舞子のこの技をしてるもんだから、私が頼まれてよい。そんなら良い機会ですから。」と言ったらしいですな。この人を頼んで来てですな、家に来て、本当に祝いしたそうですな。そしたら、この舞子が踊ったら、本当に舞い方が上手だったですから、うんと華やいで、集まってる人は、大喝采しておったらしいですよ。その隣の婆さんは、家で留守番しておったんですよ。あんまり賑やかでしたから、家から起きて来てですな、この戸の節穴(みー)からね、見たんです。そしたら、この舞子さんはガマク(腰)から、上は見えるが下は見えなかったらしいな。それから、この婆さんも不思議に感じて、この家の主人を呼んでですな、またこの戸の節穴(みー)せたからね、その主人も、「もう大変なことした。」と言ってな。「これは、あんなに頼んできて、家に帰れと言うこともできない。どうしたらいいか。」と考えてですな。酒も上がって、御馳走もしたから、一人立ち、二人立ちして、皆、この舞子さんも帰って行ったそうです。この男は、この舞子さんの後を追ってな、行きました。女は墓の方に行きよったらしいですな。墓のほうに行ったら、墓の中から、「お前今まで遅くなっているが、なんで今帰ってくるか。今日はお前を家に入れることならない。」と言ったらしいな。「あ、そんならば、私がこの子供に鼻クシャミさせて一緒に連れてくる。」と言うとですな、その時に他の人が、「お前ね、人間は頭が優れておる。あなたがクシャミをさせても、糞(くす)つけー(糞食え)と言ったら、これ返してしまうので、この子供を連れて来ることはできないよ。」と言ったらですな、それから、このお父さんは、大変びっくりしてですな、家に帰って来てから、家中の人にこの話をしたようですな。「まず、クシャミするときには、糞(くす)つけーと言いなさい。」と言うた通り、この子供はうんとクシャミをしたらしい。したんだから、「糞(くす)つけー、糞(くす)つけー。」と言ったから、子供の命は助かったようですな。それから、クシャミをしたら糞(くす)つけーと言う沖縄(うちなー)の話はこれからでたようです。これは伝説話。
| レコード番号 | 47O381108 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C056 |
| 決定題名 | クスケー由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 新垣国太郎 |
| 話者名かな | あらがきくにたろう |
| 生年月日 | 19050830 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村我喜屋 T18 B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P193 |
| キーワード | 本島,夫婦,神,満産,お祝い,別嬪,三味線,舞子,節穴,ガマク,墓の,クシャミ,クスケー,糞,沖縄, |
| 梗概(こうがい) | 昔ですな。本島の方に数年たった夫婦がおったようですな。この二人は子供が出来なかったようですな。そうして神の方に、毎日、「子供がほしいんですが、どうか子供が出来ますように。」と神にお願いしたらしいですね。その毎日お願いしたもんだから、そのお願いも通ったそうですよね。そして、ちょっと年をとってから子供出来たそうですな。そうしたらもう、今まで子供欲しがったんだが、子供が産まれたらですな、生まれて七日の晩にその満産と言ってお祝いするでしょう。「今日は今までの欲しがった子供ができておるんだしが、親類、また隣組の人もお招きして今日はお祝いしよう。」と言ってですな。そして、魚を準備させてな、この男のほうは、祝いだから舞子とか三味線引く人を頼みに行ったそうですな。その途中でですな、非常に別嬪(ぺっぴん)さんの女に会ったそうですな。その女は、普通の人じゃ無かったようですな。その男が急いで行くんで、「なぜ、急いでどこのほう行かれますか。」って言ったから、「私はこんな事情によって行くんですよ。」と言うと、その女が、「それなら私がその三味線とか舞子のこの技をしてるもんだから、私が頼まれてよい。そんなら良い機会ですから。」と言ったらしいですな。この人を頼んで来てですな、家に来て、本当に祝いしたそうですな。そしたら、この舞子が踊ったら、本当に舞い方が上手だったですから、うんと華やいで、集まってる人は、大喝采しておったらしいですよ。その隣の婆さんは、家で留守番しておったんですよ。あんまり賑やかでしたから、家から起きて来てですな、この戸の節穴(みー)からね、見たんです。そしたら、この舞子さんはガマク(腰)から、上は見えるが下は見えなかったらしいな。それから、この婆さんも不思議に感じて、この家の主人を呼んでですな、またこの戸の節穴(みー)せたからね、その主人も、「もう大変なことした。」と言ってな。「これは、あんなに頼んできて、家に帰れと言うこともできない。どうしたらいいか。」と考えてですな。酒も上がって、御馳走もしたから、一人立ち、二人立ちして、皆、この舞子さんも帰って行ったそうです。この男は、この舞子さんの後を追ってな、行きました。女は墓の方に行きよったらしいですな。墓のほうに行ったら、墓の中から、「お前今まで遅くなっているが、なんで今帰ってくるか。今日はお前を家に入れることならない。」と言ったらしいな。「あ、そんならば、私がこの子供に鼻クシャミさせて一緒に連れてくる。」と言うとですな、その時に他の人が、「お前ね、人間は頭が優れておる。あなたがクシャミをさせても、糞(くす)つけー(糞食え)と言ったら、これ返してしまうので、この子供を連れて来ることはできないよ。」と言ったらですな、それから、このお父さんは、大変びっくりしてですな、家に帰って来てから、家中の人にこの話をしたようですな。「まず、クシャミするときには、糞(くす)つけーと言いなさい。」と言うた通り、この子供はうんとクシャミをしたらしい。したんだから、「糞(くす)つけー、糞(くす)つけー。」と言ったから、子供の命は助かったようですな。それから、クシャミをしたら糞(くす)つけーと言う沖縄(うちなー)の話はこれからでたようです。これは伝説話。 |
| 全体の記録時間数 | 5:12 |
| 物語の時間数 | 4:59 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |