貧乏者でよ、妻も子どももいるけどさ、正月の歳の夜に、年を越す支度金がなくて、お金がないから、歳の夜の食べ物も買うこともできないわけさ。それで、この貧乏者は、城間仲(ぐすくまなーか)という人は、お金持ちだからといって、「そこの家に入って行って、盗みをしてから、妻や子どもに歳の夜を越させてやらなければ。」と、入っていったってさ。それで、天井に隠れておって、もうここの人の寝しずまるのを待っていたわけさ。そしたら、この城間仲という人はさ、もう天井に盗人がいるということを分かっているから、ここの下男たちに、「もう今日の正月の年越しの料理は、一人分は多く作ってくれよ。」と言った。それで、この下男たちも不思議に思いながら、一人分多く作っているわけさ。作って置いたら、城間仲という人は天井に上っている人によ、「さあ、お前、年の夜だから、ここに降りて来て一緒にここで、年を越しなさい。」と言ってさ。したから、この泥棒は泣く泣く降りて来てね、降りて来てからさ、御馳走になって、ここで年を越したらさ、城間仲が盗人の妻や子どもの分まで御馳走(くわっちー)を持たせたみたいさ。すると、そこで、この盗人が手を合わせたみたいさ。「もう城間仲だったら、世の万代までも栄えさせてくださいますように。」と言ったみたいさ。それで、城間仲はいつまでも潰れることなく、ずっと栄えているそうだ。
方言原話 貧乏者(びんぼーむん)ぬよ、な、子供達(くわぬちゃーん)ん、妻(とぅじ)ん、子(くわ)(んうしがよ、正月(しょがち)ぬ歳(とぅし)ぬ夜(ゆる)なかい、歳(とぅし)とぅいぬ、だー、ありが無(ねー)んばーて。銭(じん)ぬ無(ねー)んくとぅ、買(くぉー)てぃ来(ちー)からなー、ならんばー。あんちゃとぅ、くぬ盗人(ぬする)や、城間仲(ぐすくまなーか)んでぃ、いいぬ人(ちゅ)や、金持(うぇーき)ん人(ちゅ)やくとぅんち、「うまかいなー、入(い)っちんいじゃーなかい、盗人(ぬする)しぃから、歳(とぅし)ぬ夜(ゆる)ぉ、童達(わらびんちゃー)、妻(とぅじ)ん子(くわ)ん、歳(とぅ)とぅらしぃわるやん。」ち、入っちいじゃんでぃよ。あんさーに、天井(てぃんじょう)んかい隠りとーてぃ、なー、うまぬ人(ちゅ)ぬ寝(に)んじゅし待(ま)っちょーたるばーてーや。しぃ、くぬ城間仲(ぐすくまなーか)んじゅぬ人(ちゅ)ぬよ、きさ、わかてぃ、天井(てぃんじょー)なかい盗人(ぬする)ぬ居(う)んでぃくとぅや、わかてぃから、あんさーに、うまぬ、下男達(げなんたー)かい、「なー、今日(ち ゆ)ぬ正月(しょうがち)ぬ年(とぅし)とぅいぬ、ぶんぐひきてぇや、一人分(ちゅいぶん)や多(うふぉ)く作(ちく)てぃとぅらしん。」でぃ言ち。あんさーに、うったーん、不思議に思(うム)いがちなー、一人分(ちゅいぶん)や多(うふぉ)く作(ちく)てーるばーて。作(ちく)てぃ置(う)ちきやーなかい、天井(てぃんじょー)かい上(ぬぶ)とーぬ人(ちゅ)かいよ、「とー、いやー、うまかい降(う)りてぃ来(ち)から、歳ぬ夜やくとぅ、一緒(まじゅん)、くまうてぃ、でぃ、歳(とぅし)とぅりん。」でぃ言ちよ、しちゃくとぅ、くぬ盗人(ぬする)やなー、泣く泣く降(う)りてぃ来(ち)ゃーによ、降(う)りて来(ち)ゃーなかいなーうまうとーてぃーな、歳(とぅし)とぅてぃからなー、御馳走しぃから、あんさーに、城間仲(ぐすくまなーか)がまた家族中(やーにんじゅー)ぬ、妻(とぅじ)子(くわ)ぬ分までぃ持(む)たちぇーるふーじやんや。あんちゃとぅ、うぬ場合(ば す)に、くぬ盗人(ぬする)ぬ手(てぃ)うちちゃるふーじや。「なー、城間仲(ぐすくまなーか)やらな、世(ゆー)でー万代(まんだい)、栄(さけ)ぇーてぃとぅらしみそーりよ。」でぃ言ち、言ちぐささ。あんさーに、城間仲(ぐすくまなーか)や、いちまでぃん、潰(ちぶ)りらん、ちゃー、栄(さけー)そーんでぃ。
| レコード番号 | 47O381002 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C051 |
| 決定題名 | 城間仲 大歳の盗人(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊礼永吉 |
| 話者名かな | いれいえいきち |
| 生年月日 | 19160129 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字島尻 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村島尻 T13 A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P137 |
| キーワード | 貧乏者,正月,歳の夜,城間仲,盗み,天井,年越し,泥棒,御馳走,くわっちー |
| 梗概(こうがい) | 貧乏者でよ、妻も子どももいるけどさ、正月の歳の夜に、年を越す支度金がなくて、お金がないから、歳の夜の食べ物も買うこともできないわけさ。それで、この貧乏者は、城間仲(ぐすくまなーか)という人は、お金持ちだからといって、「そこの家に入って行って、盗みをしてから、妻や子どもに歳の夜を越させてやらなければ。」と、入っていったってさ。それで、天井に隠れておって、もうここの人の寝しずまるのを待っていたわけさ。そしたら、この城間仲という人はさ、もう天井に盗人がいるということを分かっているから、ここの下男たちに、「もう今日の正月の年越しの料理は、一人分は多く作ってくれよ。」と言った。それで、この下男たちも不思議に思いながら、一人分多く作っているわけさ。作って置いたら、城間仲という人は天井に上っている人によ、「さあ、お前、年の夜だから、ここに降りて来て一緒にここで、年を越しなさい。」と言ってさ。したから、この泥棒は泣く泣く降りて来てね、降りて来てからさ、御馳走になって、ここで年を越したらさ、城間仲が盗人の妻や子どもの分まで御馳走(くわっちー)を持たせたみたいさ。すると、そこで、この盗人が手を合わせたみたいさ。「もう城間仲だったら、世の万代までも栄えさせてくださいますように。」と言ったみたいさ。それで、城間仲はいつまでも潰れることなく、ずっと栄えているそうだ。 方言原話 貧乏者(びんぼーむん)ぬよ、な、子供達(くわぬちゃーん)ん、妻(とぅじ)ん、子(くわ)(んうしがよ、正月(しょがち)ぬ歳(とぅし)ぬ夜(ゆる)なかい、歳(とぅし)とぅいぬ、だー、ありが無(ねー)んばーて。銭(じん)ぬ無(ねー)んくとぅ、買(くぉー)てぃ来(ちー)からなー、ならんばー。あんちゃとぅ、くぬ盗人(ぬする)や、城間仲(ぐすくまなーか)んでぃ、いいぬ人(ちゅ)や、金持(うぇーき)ん人(ちゅ)やくとぅんち、「うまかいなー、入(い)っちんいじゃーなかい、盗人(ぬする)しぃから、歳(とぅし)ぬ夜(ゆる)ぉ、童達(わらびんちゃー)、妻(とぅじ)ん子(くわ)ん、歳(とぅ)とぅらしぃわるやん。」ち、入っちいじゃんでぃよ。あんさーに、天井(てぃんじょう)んかい隠りとーてぃ、なー、うまぬ人(ちゅ)ぬ寝(に)んじゅし待(ま)っちょーたるばーてーや。しぃ、くぬ城間仲(ぐすくまなーか)んじゅぬ人(ちゅ)ぬよ、きさ、わかてぃ、天井(てぃんじょー)なかい盗人(ぬする)ぬ居(う)んでぃくとぅや、わかてぃから、あんさーに、うまぬ、下男達(げなんたー)かい、「なー、今日(ち ゆ)ぬ正月(しょうがち)ぬ年(とぅし)とぅいぬ、ぶんぐひきてぇや、一人分(ちゅいぶん)や多(うふぉ)く作(ちく)てぃとぅらしん。」でぃ言ち。あんさーに、うったーん、不思議に思(うム)いがちなー、一人分(ちゅいぶん)や多(うふぉ)く作(ちく)てーるばーて。作(ちく)てぃ置(う)ちきやーなかい、天井(てぃんじょー)かい上(ぬぶ)とーぬ人(ちゅ)かいよ、「とー、いやー、うまかい降(う)りてぃ来(ち)から、歳ぬ夜やくとぅ、一緒(まじゅん)、くまうてぃ、でぃ、歳(とぅし)とぅりん。」でぃ言ちよ、しちゃくとぅ、くぬ盗人(ぬする)やなー、泣く泣く降(う)りてぃ来(ち)ゃーによ、降(う)りて来(ち)ゃーなかいなーうまうとーてぃーな、歳(とぅし)とぅてぃからなー、御馳走しぃから、あんさーに、城間仲(ぐすくまなーか)がまた家族中(やーにんじゅー)ぬ、妻(とぅじ)子(くわ)ぬ分までぃ持(む)たちぇーるふーじやんや。あんちゃとぅ、うぬ場合(ば す)に、くぬ盗人(ぬする)ぬ手(てぃ)うちちゃるふーじや。「なー、城間仲(ぐすくまなーか)やらな、世(ゆー)でー万代(まんだい)、栄(さけ)ぇーてぃとぅらしみそーりよ。」でぃ言ち、言ちぐささ。あんさーに、城間仲(ぐすくまなーか)や、いちまでぃん、潰(ちぶ)りらん、ちゃー、栄(さけー)そーんでぃ。 |
| 全体の記録時間数 | 1:56 |
| 物語の時間数 | 1:42 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |