尚円王(共通語)

概要

首里城の第一尚家は尚徳王時代までさ。この尚徳王という人は、あの時代に鹿児島行って戦をしたわけさ。そして尚徳王が向こうの戦に勝ってね、今の泊港に着いた時なんかは、こんな大きな樽に酒をついでお祝いしたそうな。そのころ第二尚家の尚円は金丸(かなまる)と言って、今の前地(まえじー)のね、伊是名に生活しておったわけさ。そして向こうで、諸見(そみ)という字に田んぼも持っておって、その田んぼは、今年みたいに干ばつで周囲の田はみな水がないときでもね、金丸の田だけはいつも豊富に水があったそうな。というのは金丸はあまりに綺麗なもんだから地元の女たちがもう夜になるとね、水を担いで、この金丸の田んぼに入れたというですよ。それで、もうこの金丸の作物はみんなよく出来るんだよ。だから、金丸は、字民に憎まれて、山原(やんばる)の奥間という所に行ってね、向こうにしばらくおったから、向こうに尚円の神社というのが宜名真御殿(ぎなまうどぅん)という所にあるんですよ。現に私らも宜名真御殿に行ったことがあるんですよ。それから金丸は、佐敷村に行ったそうだ。佐敷村で、金丸が釣りに行ったら、釣り針でなくて着物縫う針があるでしょ。あれで釣ってね、それを皆に分配やっていたそうな。そうしているうちに、今度は首里(す り)の方は、尚徳王が伊計という島に行って、向こうの祝女と一緒になってしもうて、向こうに女をこしらえたから、尚徳は首里に帰ってこないんだよ。首里の城を空けたわけさ。そんな時に金丸(かなまる)は首里城で使われておったけども、「王がいないから政治はとれない。どうするか。」と城はもう騒いおったらしい。王がいないからというので今度は、吟味していたらね、一番下(いちばんしむ)にいた安里(あさとぅ)ぬ比屋(ひゃー)という人がね、手(てー)挙げたらしい。で、その人が、「金丸を王にしてはどうか。金丸は確かに人間はいいから、これを王にしよう。」と言ったら、みんながそれに賛成したから、金丸を王にしようというので皆揃って佐敷村に迎えに行ったらしいよ。行ってみたら金丸は、釣りしておって、迎えに来た人を見て、自分を殺しにきたと思ってびっくりして海に飛び込んだというんだ。そしたら、そこの石が上に上がって来て、助かったんだな。あの夫婦石という岩は、金丸が飛び込んで上がった時の石らしい。それで、次の王は伊平屋から来た金丸が王を継いで、尚円王にになったわけ。その金丸が最初で、後に第二尚家の王が続いているわけさ。だからその尚円の血統は第一尚家とは違うらしいんだよ。こんな伝説があるんですよ。

再生時間:5:46

民話詳細DATA

レコード番号 47O380896
CD番号 47O38C045
決定題名 尚円王(共通語)
話者がつけた題名
話者名 石川守吉
話者名かな いしかわもりきち
生年月日 19090520
性別
出身地 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名
記録日 19800907
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 島尻郡伊平屋村田名 T08 B06 
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 伊平屋村民話集 P73
キーワード 首里城,第一尚家,尚徳王時代,尚徳王,鹿児島,戦,尚円,金丸,前地,伊是名,諸見,田んぼ,山原,奥間,宜名真御殿,佐敷村,針,伊計,祝女,安里ぬ比屋,夫婦石,伊平屋,尚円王,第二尚家,血統
梗概(こうがい) 首里城の第一尚家は尚徳王時代までさ。この尚徳王という人は、あの時代に鹿児島行って戦をしたわけさ。そして尚徳王が向こうの戦に勝ってね、今の泊港に着いた時なんかは、こんな大きな樽に酒をついでお祝いしたそうな。そのころ第二尚家の尚円は金丸(かなまる)と言って、今の前地(まえじー)のね、伊是名に生活しておったわけさ。そして向こうで、諸見(そみ)という字に田んぼも持っておって、その田んぼは、今年みたいに干ばつで周囲の田はみな水がないときでもね、金丸の田だけはいつも豊富に水があったそうな。というのは金丸はあまりに綺麗なもんだから地元の女たちがもう夜になるとね、水を担いで、この金丸の田んぼに入れたというですよ。それで、もうこの金丸の作物はみんなよく出来るんだよ。だから、金丸は、字民に憎まれて、山原(やんばる)の奥間という所に行ってね、向こうにしばらくおったから、向こうに尚円の神社というのが宜名真御殿(ぎなまうどぅん)という所にあるんですよ。現に私らも宜名真御殿に行ったことがあるんですよ。それから金丸は、佐敷村に行ったそうだ。佐敷村で、金丸が釣りに行ったら、釣り針でなくて着物縫う針があるでしょ。あれで釣ってね、それを皆に分配やっていたそうな。そうしているうちに、今度は首里(す り)の方は、尚徳王が伊計という島に行って、向こうの祝女と一緒になってしもうて、向こうに女をこしらえたから、尚徳は首里に帰ってこないんだよ。首里の城を空けたわけさ。そんな時に金丸(かなまる)は首里城で使われておったけども、「王がいないから政治はとれない。どうするか。」と城はもう騒いおったらしい。王がいないからというので今度は、吟味していたらね、一番下(いちばんしむ)にいた安里(あさとぅ)ぬ比屋(ひゃー)という人がね、手(てー)挙げたらしい。で、その人が、「金丸を王にしてはどうか。金丸は確かに人間はいいから、これを王にしよう。」と言ったら、みんながそれに賛成したから、金丸を王にしようというので皆揃って佐敷村に迎えに行ったらしいよ。行ってみたら金丸は、釣りしておって、迎えに来た人を見て、自分を殺しにきたと思ってびっくりして海に飛び込んだというんだ。そしたら、そこの石が上に上がって来て、助かったんだな。あの夫婦石という岩は、金丸が飛び込んで上がった時の石らしい。それで、次の王は伊平屋から来た金丸が王を継いで、尚円王にになったわけ。その金丸が最初で、後に第二尚家の王が続いているわけさ。だからその尚円の血統は第一尚家とは違うらしいんだよ。こんな伝説があるんですよ。
全体の記録時間数 6:17
物語の時間数 5:46
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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