こういう伝説があったね。この女は亭主はいなくてよ、あるときね、山に薪(まき)を取りに行ってね、昼寝したそうだ。昼寝したらね、この女がね、夢でよ、男に犯されたという夢を見たと。そしたら、この女が妊娠したという。妊娠したもんだからね、親、兄弟からね、「これは、フェージリン子(ぐゎ)、これは男のいない子供ができておる。」といってね、戒(いまし)められたもんだからね、この女は流産しょうとね、毎日錫をね、炊いて飲んだそうだね。飲んだけど、流産はしなかったのでしょうね。産まれる十ヶ月になっお腹の中から、この子どもがね、物言うたそうだね、「お母さん、私が生まれたら、お母さんは死ぬんだけど、私生まれてもいいか。」と言うたらしいんですね。 そしたらね、お母さんはね、「お前が生まれたら、私は死んでもいいから生まれなさい。」で、生まれたところが、身体が鉄だから、お母さんのお腹のこっちを裂いて生まれそうだね。このお母さんは死んだらしい。この子どもは無事に生まれたけど、この子は、本当は人間の子じゃないんじゃないかということだったね。身体が鉄でてきていて、この首のところだけが開いておったそうだがね、この子どもは、生まれたときから話もしょったそうだ。後になって、この人はチョーフグン親方という家来も持つ偉い人になっていたら、それから、あっちこっちから戦で攻めて来てもね、このチョーフグン親方が一人行ってね、身体が鉄で、矢も立たなければ剣も立たないんだから、みんな片づけよったそうだ。 それで、敵側から、ここの家来によ、頼んでね、「お前が殺したらね、お前は私たちところの大将にする。」とかなんとかでね、こっちの家来が騙されて、あるとき、この家来がチョーフグン親方の髭を剃るときにね、髭を剃りながら、剃刀で喉を切って殺したそうだ。そしてね、この家来がね、「首を切って殺した。」と言うもんだからね、今度は敵が、「これ死んだから、もう大丈夫だから。」と戦(いくさ)を寄せて来たらね、今度、こっち側はね、「これは大変だ。」と、墓の中に入れてあるチョーフグン親方をね、出してきてから、先頭に立ててよ、置いたそうだ。すると相手側は、口からうじ虫がたらたら出よったのを見てね、「これ死んだと聞いたけど生きておった。生きてから、ハチャ米(ぐみ)を食べている。」と言って、敵は結局、逃げたんじゃないですかなあ。 そういう話を聞いた。
| レコード番号 | 47O380755 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C038 |
| 決定題名 | チョーフグン親方(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊礼永吉 |
| 話者名かな | いれいえいきち |
| 生年月日 | 19160129 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字島尻 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村島尻 T03 B04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 伝説,昼寝,夢,妊娠,フェージリン子,流産,錫,鉄,チョーフグン親方,剃刀,喉,戦,うじ虫,ハチャ米 |
| 梗概(こうがい) | こういう伝説があったね。この女は亭主はいなくてよ、あるときね、山に薪(まき)を取りに行ってね、昼寝したそうだ。昼寝したらね、この女がね、夢でよ、男に犯されたという夢を見たと。そしたら、この女が妊娠したという。妊娠したもんだからね、親、兄弟からね、「これは、フェージリン子(ぐゎ)、これは男のいない子供ができておる。」といってね、戒(いまし)められたもんだからね、この女は流産しょうとね、毎日錫をね、炊いて飲んだそうだね。飲んだけど、流産はしなかったのでしょうね。産まれる十ヶ月になっお腹の中から、この子どもがね、物言うたそうだね、「お母さん、私が生まれたら、お母さんは死ぬんだけど、私生まれてもいいか。」と言うたらしいんですね。 そしたらね、お母さんはね、「お前が生まれたら、私は死んでもいいから生まれなさい。」で、生まれたところが、身体が鉄だから、お母さんのお腹のこっちを裂いて生まれそうだね。このお母さんは死んだらしい。この子どもは無事に生まれたけど、この子は、本当は人間の子じゃないんじゃないかということだったね。身体が鉄でてきていて、この首のところだけが開いておったそうだがね、この子どもは、生まれたときから話もしょったそうだ。後になって、この人はチョーフグン親方という家来も持つ偉い人になっていたら、それから、あっちこっちから戦で攻めて来てもね、このチョーフグン親方が一人行ってね、身体が鉄で、矢も立たなければ剣も立たないんだから、みんな片づけよったそうだ。 それで、敵側から、ここの家来によ、頼んでね、「お前が殺したらね、お前は私たちところの大将にする。」とかなんとかでね、こっちの家来が騙されて、あるとき、この家来がチョーフグン親方の髭を剃るときにね、髭を剃りながら、剃刀で喉を切って殺したそうだ。そしてね、この家来がね、「首を切って殺した。」と言うもんだからね、今度は敵が、「これ死んだから、もう大丈夫だから。」と戦(いくさ)を寄せて来たらね、今度、こっち側はね、「これは大変だ。」と、墓の中に入れてあるチョーフグン親方をね、出してきてから、先頭に立ててよ、置いたそうだ。すると相手側は、口からうじ虫がたらたら出よったのを見てね、「これ死んだと聞いたけど生きておった。生きてから、ハチャ米(ぐみ)を食べている。」と言って、敵は結局、逃げたんじゃないですかなあ。 そういう話を聞いた。 |
| 全体の記録時間数 | 4:54 |
| 物語の時間数 | 4:11 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |