男同士で仲よしの友人がおったらしいですよ。それで、その一人の人はね、アルミーと言って、もう幽霊なんか見る目をもっているわけ。そのアルミーの男の人が、晩の七時頃、ちょうど真夏でね、あんまり暑いもんだから自分の家の玄関でね、風をもらいに来ておったらしいです。そうしたところが、自分の友達がね、見たこともない女を一生懸命追うていたらしいですよ。まあ、デートしょう思っていたんでしょうね。そうしたところが、この人が玄関から見た場合には、その女は生きた人間ではないらしいです。ところが、その女を追っている友人が見た場合にはね、人間になって見えるらしい。 だから、その友達にですね、「おい、ちょっと待て。あの女は普通の女ではないよ。幽霊の女だからやめた方がいいよ。」と言ったらですね、女を追いかけている男は、「違うよ。幽霊という証明もないよ。」と友達が信じなかったんで、この友人に、「脈に熱があるか、ないかまずは手を捕らえてみなさい。」と言ったらしいですね。そしたら、その友人は、「いや、そう言うて、またあんた横どりしようという考えですか。」ともう反抗されたもんだから、「それじゃあ、あんたの勝手にしなさい。」と言って、ほったらかしておった。 その友達は、その女に、「さあ、一緒に遊びに行こう。どこに連れて行くか。」と言ったら、その女は、「裏の墓場。」と言うから、「これはおかしいなあ。」と思ってね、墓場に行ってから手を握ってみたらね、女の手はもう冷たくて熱が全然ない。だから、とたんに気味悪くなってね、「これはもう正体を見るために、明日の朝まで押さえておかんといかん。」と思ってですね、それから、女を押さえていたんですよ。 翌朝ですが、この人はもう意識も戻ってですね、その女を見たら、女のヌードでなくて、棺桶の切れ端を押さえておったと。だから、驚いて友人の家に行ってですね、こういうこうだったと話すと、「君はね、もうあれと関係した以上はね、もう長く生きても一ヶ月位だな。」
と言うから、「なんとか助けてくれぇ。」と頼んだが、「いや、もう助かる方法はない、もうあれが魂を取っているからね、どうしようもない。」
と、そう言われて、一ヶ月内にその人は死んだらしいですよ。
| レコード番号 | 47O380736 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C037 |
| 決定題名 | 女に化けた棺桶(共通語) |
| 話者がつけた題名 | マジムンの話 |
| 話者名 | 上原忠信 |
| 話者名かな | うえはらちゅうしん |
| 生年月日 | 19121130 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県糸満市町端 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村前泊 T03 A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P82 |
| キーワード | アルミー,幽霊,墓場,正体,棺桶,魂 |
| 梗概(こうがい) | 男同士で仲よしの友人がおったらしいですよ。それで、その一人の人はね、アルミーと言って、もう幽霊なんか見る目をもっているわけ。そのアルミーの男の人が、晩の七時頃、ちょうど真夏でね、あんまり暑いもんだから自分の家の玄関でね、風をもらいに来ておったらしいです。そうしたところが、自分の友達がね、見たこともない女を一生懸命追うていたらしいですよ。まあ、デートしょう思っていたんでしょうね。そうしたところが、この人が玄関から見た場合には、その女は生きた人間ではないらしいです。ところが、その女を追っている友人が見た場合にはね、人間になって見えるらしい。 だから、その友達にですね、「おい、ちょっと待て。あの女は普通の女ではないよ。幽霊の女だからやめた方がいいよ。」と言ったらですね、女を追いかけている男は、「違うよ。幽霊という証明もないよ。」と友達が信じなかったんで、この友人に、「脈に熱があるか、ないかまずは手を捕らえてみなさい。」と言ったらしいですね。そしたら、その友人は、「いや、そう言うて、またあんた横どりしようという考えですか。」ともう反抗されたもんだから、「それじゃあ、あんたの勝手にしなさい。」と言って、ほったらかしておった。 その友達は、その女に、「さあ、一緒に遊びに行こう。どこに連れて行くか。」と言ったら、その女は、「裏の墓場。」と言うから、「これはおかしいなあ。」と思ってね、墓場に行ってから手を握ってみたらね、女の手はもう冷たくて熱が全然ない。だから、とたんに気味悪くなってね、「これはもう正体を見るために、明日の朝まで押さえておかんといかん。」と思ってですね、それから、女を押さえていたんですよ。 翌朝ですが、この人はもう意識も戻ってですね、その女を見たら、女のヌードでなくて、棺桶の切れ端を押さえておったと。だから、驚いて友人の家に行ってですね、こういうこうだったと話すと、「君はね、もうあれと関係した以上はね、もう長く生きても一ヶ月位だな。」 と言うから、「なんとか助けてくれぇ。」と頼んだが、「いや、もう助かる方法はない、もうあれが魂を取っているからね、どうしようもない。」 と、そう言われて、一ヶ月内にその人は死んだらしいですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:05 |
| 物語の時間数 | 1:49 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |