戦後ですよ、もう今から何年前かね、うちは蔓を植えようと棒と畚(もっこ)担いだり、鎌持っていたらね、向こうの西の方からこの方がもう一生懸命に走ってくるわけですよ。したら、うちはウトーだから、この人が、「ウトーっ。」て言うわけよね、「はい、何ねえ。」と言ったら、「西に大きな亀をひっくり返しているから。」と東(あがり)のこうしんと言ったら、この人の弟さん、今、我喜屋の老人クラブの支部長さんですよね。あの人に、「牛の綱を持ってこい。」とか、「大きな棒持ってこい。」と、言うわけですよ。この人からうち頼まれて、したらうちはね、ご馳走するものは楽しいからと思って、「もう寄り掛かったらね、じゃあ、私達(わったー)も、御馳走(くわっちー)は一緒ですよ。」って、言ったわけですよね。したら、蔓植えはやめたし、あれまではもう馬車(ばさ)があったもんだから、うちの長男はまた馬車持って行ったら、こんなに大きい亀を引っ繰り返して持ってきたわけですよね。この亀というのがね、亀にも美味しいのとと不味いのもあるわけ。この人が取ったのは、赤亀(あかがーみ)といって不味いのよ。したら、うちの長男に、「じゃ、一緒に持っていって潰して、少しでもご馳走なろう。」と思って行(ゆ)かしたわけよね。したら、うちの妹がこっちにいますがね。向こうからの帰りがけに、いいのをみんなあの人にくれて、家には悪いのばっかし持ってきてるわけよねえ。これがまた臭くて食えないわけですよ。うちサイパン帰りですからね、サイパンでも、戦争前にね、サイパンのオーリヤイというところからね、よく亀のハネ取ったりして、みんな南西丸という船から八丈の方が内地に送りよったですがね。それで、まあ、この人が見つけたのが不味くて臭くて食えないわけですよ。したらね、会う人ごとに、「あんた、うちに亀あるがどうね。」と言ったら、「食べない。」と言うわけさ。煮たら臭くて臭くてもうたまらんわけですよ。後はねえ、誰も食べないで、穴掘ってもうみんな埋めたですよ。だから今亀と言ったら、もうもう聞きたくもない、もう目でも見たくないでしたですよ。煙草時代、煙草まーいしに、ずっと西の方にいらっしゃったでしょ。あの場合だもの。この人が四四、五の時ですね。
| レコード番号 | 47O380734 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C037 |
| 決定題名 | 赤亀の味(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 西江さんの亀捕り |
| 話者名 | 伊礼ウト |
| 話者名かな | いれいうと |
| 生年月日 | 19110107 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村我喜屋 T02 B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P60 |
| キーワード | 蔓,もっこ,亀,我喜屋,御馳走,馬車,赤亀,サイパン, |
| 梗概(こうがい) | 戦後ですよ、もう今から何年前かね、うちは蔓を植えようと棒と畚(もっこ)担いだり、鎌持っていたらね、向こうの西の方からこの方がもう一生懸命に走ってくるわけですよ。したら、うちはウトーだから、この人が、「ウトーっ。」て言うわけよね、「はい、何ねえ。」と言ったら、「西に大きな亀をひっくり返しているから。」と東(あがり)のこうしんと言ったら、この人の弟さん、今、我喜屋の老人クラブの支部長さんですよね。あの人に、「牛の綱を持ってこい。」とか、「大きな棒持ってこい。」と、言うわけですよ。この人からうち頼まれて、したらうちはね、ご馳走するものは楽しいからと思って、「もう寄り掛かったらね、じゃあ、私達(わったー)も、御馳走(くわっちー)は一緒ですよ。」って、言ったわけですよね。したら、蔓植えはやめたし、あれまではもう馬車(ばさ)があったもんだから、うちの長男はまた馬車持って行ったら、こんなに大きい亀を引っ繰り返して持ってきたわけですよね。この亀というのがね、亀にも美味しいのとと不味いのもあるわけ。この人が取ったのは、赤亀(あかがーみ)といって不味いのよ。したら、うちの長男に、「じゃ、一緒に持っていって潰して、少しでもご馳走なろう。」と思って行(ゆ)かしたわけよね。したら、うちの妹がこっちにいますがね。向こうからの帰りがけに、いいのをみんなあの人にくれて、家には悪いのばっかし持ってきてるわけよねえ。これがまた臭くて食えないわけですよ。うちサイパン帰りですからね、サイパンでも、戦争前にね、サイパンのオーリヤイというところからね、よく亀のハネ取ったりして、みんな南西丸という船から八丈の方が内地に送りよったですがね。それで、まあ、この人が見つけたのが不味くて臭くて食えないわけですよ。したらね、会う人ごとに、「あんた、うちに亀あるがどうね。」と言ったら、「食べない。」と言うわけさ。煮たら臭くて臭くてもうたまらんわけですよ。後はねえ、誰も食べないで、穴掘ってもうみんな埋めたですよ。だから今亀と言ったら、もうもう聞きたくもない、もう目でも見たくないでしたですよ。煙草時代、煙草まーいしに、ずっと西の方にいらっしゃったでしょ。あの場合だもの。この人が四四、五の時ですね。 |
| 全体の記録時間数 | 3:28 |
| 物語の時間数 | 3:03 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |