鬼餅由来(共通語)

概要

これはね、昔、首里金城(かねぐすく)といってね、あなたは知っているの。ああ、首里(すんじゃ)金城(かなぐすく)ではなくて金城(かねぐすく)よ、首里のよ、首里高校の南側の下に部落があるだろう。そこでね、川があって橋が掛かっているだろう、わかる。昔、昔里金城(すんじゃかねぐすく)にね、親たちは死んで、兄さんと下の妹と二人暮らしでいたらしいんだよ。それでね、この兄さんはね、家から逃げていないんだよ。逃げていなくてその娘は、一人で家にいたらしいんだよ。それで兄さんはね、大里(おおざと)の次は何んといったかな、東風平か、あの辺でね、鬼になって人を食うという話があったらしいんだ。鬼が出るという話があったもんだから、この妹は、「これは、家(うち)の兄さんじゃないかなあ。家にも帰らないで、行方不明になっているんだけど、家の兄さんじゃないかなあ。」と、思って、尋ねて行ったらしいんだよ。向こうに。尋ねて行ったらね、自分の兄さんに会えたわけさ。会えたらその兄さんはね、自分で小さな家を作ってそこに暮らしておったらしいんだよ、それでその兄さんがいないときね、なべのふたを開けてみたら、肉ばっかりあったもんだから、「あっ、これは、豚肉とも違って何の肉だろうかなあ。」と、思ったらしいんだけど、「これは鬼になっているということは、もう間違いない。」と、言って、それで二人会ってね、話して、「今度家に来いよ。」と言ったが、「いいやぼくはここで暮らす。」と言って、断ったもんだから、「ぜひ一ぺんは来い。」と、言って、(さそったので)来たらしいんだよ。来たら、妹はね、「今日は、私が餅を作ってあげるから、たくさんあげるから兄さん、金城のね、橋の側で待っていなさい。」と、言ってこの妹は、餅を、鬼餅を作ってね、バーキねあれに入れて担(かみ)いって、行ったらしいんだよ。それで、「兄さん、餅をこしらえてあるから食べなさい。」と、言って食べつつね、妹は、餅に半分は石を入れて作って、それも石入れてある餅も兄さんはガジリガジリ食べよったらしいんだよ。それでね、その妹はね、橋の欄干に座わって、もうそれが餌食うのを見ながら、自分のサルマタ(フンドシ)を脱いでね、一方は橋にかけて、一方は地面にして、下を広げて見せたらしいんだよ、それでその男は欄干に座わっておって餅を食べよったんだが、下を見せたら、「これは何か。」と、言ったら、「これは鬼を食う口だ。」と言って、下をガーワタカイ(おっ開(ぴろ)げて)してみせたもんだから、「これは何か。」と言ったら、「これは鬼食う口だ。」と言って、それで、「アーッ。」と言って、その鬼が倒れて、下へ、川へ倒れて落ちたもんだから、そのときに、マーイサーで頭をなぐってその鬼を退治したって。

再生時間:5:32

民話詳細DATA

レコード番号 47O382974
CD番号 47O38C153
決定題名 鬼餅由来(共通語)
話者がつけた題名
話者名 末吉亀吉
話者名かな すえよしかめきち
生年月日 19081103
性別
出身地 沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名
記録日 19810403
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 島尻郡伊是名村 T14 A11
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いぜな島の民話 P89
キーワード 首里金城,大里,東風平,鬼に,なべ,肉,餅,バーキ,橋の欄干,鬼を食う口だ,ガーワタカイ,マーイサー,退治
梗概(こうがい) これはね、昔、首里金城(かねぐすく)といってね、あなたは知っているの。ああ、首里(すんじゃ)金城(かなぐすく)ではなくて金城(かねぐすく)よ、首里のよ、首里高校の南側の下に部落があるだろう。そこでね、川があって橋が掛かっているだろう、わかる。昔、昔里金城(すんじゃかねぐすく)にね、親たちは死んで、兄さんと下の妹と二人暮らしでいたらしいんだよ。それでね、この兄さんはね、家から逃げていないんだよ。逃げていなくてその娘は、一人で家にいたらしいんだよ。それで兄さんはね、大里(おおざと)の次は何んといったかな、東風平か、あの辺でね、鬼になって人を食うという話があったらしいんだ。鬼が出るという話があったもんだから、この妹は、「これは、家(うち)の兄さんじゃないかなあ。家にも帰らないで、行方不明になっているんだけど、家の兄さんじゃないかなあ。」と、思って、尋ねて行ったらしいんだよ。向こうに。尋ねて行ったらね、自分の兄さんに会えたわけさ。会えたらその兄さんはね、自分で小さな家を作ってそこに暮らしておったらしいんだよ、それでその兄さんがいないときね、なべのふたを開けてみたら、肉ばっかりあったもんだから、「あっ、これは、豚肉とも違って何の肉だろうかなあ。」と、思ったらしいんだけど、「これは鬼になっているということは、もう間違いない。」と、言って、それで二人会ってね、話して、「今度家に来いよ。」と言ったが、「いいやぼくはここで暮らす。」と言って、断ったもんだから、「ぜひ一ぺんは来い。」と、言って、(さそったので)来たらしいんだよ。来たら、妹はね、「今日は、私が餅を作ってあげるから、たくさんあげるから兄さん、金城のね、橋の側で待っていなさい。」と、言ってこの妹は、餅を、鬼餅を作ってね、バーキねあれに入れて担(かみ)いって、行ったらしいんだよ。それで、「兄さん、餅をこしらえてあるから食べなさい。」と、言って食べつつね、妹は、餅に半分は石を入れて作って、それも石入れてある餅も兄さんはガジリガジリ食べよったらしいんだよ。それでね、その妹はね、橋の欄干に座わって、もうそれが餌食うのを見ながら、自分のサルマタ(フンドシ)を脱いでね、一方は橋にかけて、一方は地面にして、下を広げて見せたらしいんだよ、それでその男は欄干に座わっておって餅を食べよったんだが、下を見せたら、「これは何か。」と、言ったら、「これは鬼を食う口だ。」と言って、下をガーワタカイ(おっ開(ぴろ)げて)してみせたもんだから、「これは何か。」と言ったら、「これは鬼食う口だ。」と言って、それで、「アーッ。」と言って、その鬼が倒れて、下へ、川へ倒れて落ちたもんだから、そのときに、マーイサーで頭をなぐってその鬼を退治したって。
全体の記録時間数 5:54
物語の時間数 5:32
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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