昔話だが、支那に、唐にあった話だけれど、親が正月の聯を書いて、家の柱に掛けるときに、娘がそれを見て、「計りごとは身にあり、成すことは天にあり。そのことばがいいですよ。」と言ったので、親は怒って、「お前はもう、お前が。お前は、親が書いたものを、お前が直せ、直さぬとか(言って)お前は合点できないから、お前に罰を与えないといけない。」と言って、それで親は、「これは、ただたたいただけではだめだ。自分勝手なことをしているから。とても貧乏者で草を刈る人の嫁にして、苦労させないといけない。」と言った。娘も、「親が言うことはもう、私は何でも守ってきました。今でも守ります。」と言って、それで草を刈る人で貧乏者がいたので、「あなたの嫁になるので、私の親たちに会いに来て、あの、会って下さい。」と、「いつのいつに来て下さい。」と言ったので、親に、この男は、「あの、あなたたちの娘を欲しいのでください。」と言った。この親は怒って、すぐ怒って、「お前が、この娘を。人がせっかく産んで育てたのに、お前が欲しいというのか、貧乏者のお前がこの子を嫁にできるのか。」とそう言った。それでこの女はまたそこで、お茶を沸かしながらそれを聞いて、「私が嫁になります。早く承知して下さい。私がなります。」と言った。この親二人は目をグルグルさせて、「さあ、これが嫁になるって、お前の嫁にしてくれよ。」と言って、二人を夫婦にさせて行かせた。泣く泣く行かすには行かせたが、これたちの立場を親というのはかわいそうで見過ごせない。家に行って見れば夫は海に行って魚を釣ってきて日々の暮らしをたてていたようだが、女の方の親は心苦しい。そして、(娘が)親に会いに来たときに、ティールにもみを入れて、米を作るもみを入れて、それの中に金、黄金を中に入れて家に持たせると、「これに金、黄金が入っているので、これを売ってお前たち二人は生活しなさいよ。」と、女の方の親が隠してあげたので、それでティールを開けてみると、黄金になっていた。夫が海から帰ってくるのを待っていて、夫にこの事情を話したら、夫はびっくりして、「お前、これなら、この石はね、私が魚を釣る川の下にね、下には、お前、これはあるよ。」と言ったので、「あら、それなら取ってきてください。」と。取ってきたから、もうほんとに黄金になって、二人はこの黄金を売って、二人は一生大金持ちになって裕福に暮らしたとの話が、昔の話にあるんだよ。
| レコード番号 | 47O382954 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C152 |
| 決定題名 | 草刈り長者(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 徳のある男の話 |
| 話者名 | 伊礼亀助 |
| 話者名かな | いれいかめすけ |
| 生年月日 | 19021124 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字諸見 |
| 記録日 | 19810402 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T13 B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P29 |
| キーワード | 唐,正月の聯,家の柱,計りごと,罰,貧乏者,草を刈る人,嫁,ティール,もみ,黄金,大金持ち |
| 梗概(こうがい) | 昔話だが、支那に、唐にあった話だけれど、親が正月の聯を書いて、家の柱に掛けるときに、娘がそれを見て、「計りごとは身にあり、成すことは天にあり。そのことばがいいですよ。」と言ったので、親は怒って、「お前はもう、お前が。お前は、親が書いたものを、お前が直せ、直さぬとか(言って)お前は合点できないから、お前に罰を与えないといけない。」と言って、それで親は、「これは、ただたたいただけではだめだ。自分勝手なことをしているから。とても貧乏者で草を刈る人の嫁にして、苦労させないといけない。」と言った。娘も、「親が言うことはもう、私は何でも守ってきました。今でも守ります。」と言って、それで草を刈る人で貧乏者がいたので、「あなたの嫁になるので、私の親たちに会いに来て、あの、会って下さい。」と、「いつのいつに来て下さい。」と言ったので、親に、この男は、「あの、あなたたちの娘を欲しいのでください。」と言った。この親は怒って、すぐ怒って、「お前が、この娘を。人がせっかく産んで育てたのに、お前が欲しいというのか、貧乏者のお前がこの子を嫁にできるのか。」とそう言った。それでこの女はまたそこで、お茶を沸かしながらそれを聞いて、「私が嫁になります。早く承知して下さい。私がなります。」と言った。この親二人は目をグルグルさせて、「さあ、これが嫁になるって、お前の嫁にしてくれよ。」と言って、二人を夫婦にさせて行かせた。泣く泣く行かすには行かせたが、これたちの立場を親というのはかわいそうで見過ごせない。家に行って見れば夫は海に行って魚を釣ってきて日々の暮らしをたてていたようだが、女の方の親は心苦しい。そして、(娘が)親に会いに来たときに、ティールにもみを入れて、米を作るもみを入れて、それの中に金、黄金を中に入れて家に持たせると、「これに金、黄金が入っているので、これを売ってお前たち二人は生活しなさいよ。」と、女の方の親が隠してあげたので、それでティールを開けてみると、黄金になっていた。夫が海から帰ってくるのを待っていて、夫にこの事情を話したら、夫はびっくりして、「お前、これなら、この石はね、私が魚を釣る川の下にね、下には、お前、これはあるよ。」と言ったので、「あら、それなら取ってきてください。」と。取ってきたから、もうほんとに黄金になって、二人はこの黄金を売って、二人は一生大金持ちになって裕福に暮らしたとの話が、昔の話にあるんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:33 |
| 物語の時間数 | 4:18 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |