西表という大きな島がありますよ、八重山にね、西表は。また、小さい島の字の名は、黒島というところらしいですよ、黒島。あるとき、大きい島にですね、田植に行ったらしいですよ、田植えに、稲を植えに。大きい島に行く途中で、とても波が荒れていてね、船に穴があいてよ、船も(沈んで)なくなってるわけさ。船がなくなったので、自分一人泳いでいたら、船荷の大きな木が落ちたのが浮いていたので、それにすがって助けられてね。南の方に波照間という小さな無人島があったそうですよ。その無人島にあがっていってね、この波照間島の人は死んでいないでしょう。島の人は、死んでいないけど、(その人は)この島にあがっていって、海岸でね、あさりをして食べたわけさあ。食べて、浜にあがっていって、家も建てた。自分の家だよ。ここは、水もあったんでしょうね、それで家も建て、そこで暮らしていた。ある夜、寝ていると、夢を見た。「あしたの朝、サメが来るから……。ここに、あなたを助けに向かっているから。」と、夢を、サメが夢を見せたので、その人が、そこの海岸に降りて行くと、浜に降りていくと、サメがね、すぐもう、ここに向かってバタバタして、ここに来ていたってよ。それで、この人は、サメのひれをつかまえて、ひれをつかまえると、(サメが)泳いだので、自分の島に来たわけさ、自分の生れ島にね。だけど、生れ島では、もう、三十三年忌の焼香をしているから、そしたら、もう、「鬼が来たぞう。」と。髪もとても伸びて、顔じゅう毛が生えているので、恐ろしいのだから、びっくりして、字の人が、この人を見てね、「鬼が来たぞう。」と、さわいだので、それで自分で、「私は、どこそこの家の者だ。私はほんとうの人間だよ、私は鬼ではない。」と言ったって。それで、サメに乗っている格好から、何から写真に撮って、撮ってあるのを、元旦のときにはみんなに見せるよ。そして、この一門はサメは絶対食べない。それで、私たちが黒島に行ったときに、話を聞いたら、元旦の日に、私たちは行って、行ったので、香を立ててね、香を立ててからそれを見たけど、その日に、あの写真を開けて見せるんだよ。立派に写真も撮られているよ、それはもう昔の人のことだけど、現在でも、あそこの一門はサバは絶対食べない。
| レコード番号 | 47O382800 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C144 |
| 決定題名 | サメの人助け(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | サバに助けられた人 |
| 話者名 | 伊礼樽助 |
| 話者名かな | いれいたるすけ |
| 生年月日 | 19110104 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字内花 |
| 記録日 | 19800905 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T09 A25 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P198 |
| キーワード | 西表,八重山,黒島,田植え,船,波照間,無人島,夢,サメ,ひれ,三十三年忌,焼香,鬼,元旦,一門,香,サバ |
| 梗概(こうがい) | 西表という大きな島がありますよ、八重山にね、西表は。また、小さい島の字の名は、黒島というところらしいですよ、黒島。あるとき、大きい島にですね、田植に行ったらしいですよ、田植えに、稲を植えに。大きい島に行く途中で、とても波が荒れていてね、船に穴があいてよ、船も(沈んで)なくなってるわけさ。船がなくなったので、自分一人泳いでいたら、船荷の大きな木が落ちたのが浮いていたので、それにすがって助けられてね。南の方に波照間という小さな無人島があったそうですよ。その無人島にあがっていってね、この波照間島の人は死んでいないでしょう。島の人は、死んでいないけど、(その人は)この島にあがっていって、海岸でね、あさりをして食べたわけさあ。食べて、浜にあがっていって、家も建てた。自分の家だよ。ここは、水もあったんでしょうね、それで家も建て、そこで暮らしていた。ある夜、寝ていると、夢を見た。「あしたの朝、サメが来るから……。ここに、あなたを助けに向かっているから。」と、夢を、サメが夢を見せたので、その人が、そこの海岸に降りて行くと、浜に降りていくと、サメがね、すぐもう、ここに向かってバタバタして、ここに来ていたってよ。それで、この人は、サメのひれをつかまえて、ひれをつかまえると、(サメが)泳いだので、自分の島に来たわけさ、自分の生れ島にね。だけど、生れ島では、もう、三十三年忌の焼香をしているから、そしたら、もう、「鬼が来たぞう。」と。髪もとても伸びて、顔じゅう毛が生えているので、恐ろしいのだから、びっくりして、字の人が、この人を見てね、「鬼が来たぞう。」と、さわいだので、それで自分で、「私は、どこそこの家の者だ。私はほんとうの人間だよ、私は鬼ではない。」と言ったって。それで、サメに乗っている格好から、何から写真に撮って、撮ってあるのを、元旦のときにはみんなに見せるよ。そして、この一門はサメは絶対食べない。それで、私たちが黒島に行ったときに、話を聞いたら、元旦の日に、私たちは行って、行ったので、香を立ててね、香を立ててからそれを見たけど、その日に、あの写真を開けて見せるんだよ。立派に写真も撮られているよ、それはもう昔の人のことだけど、現在でも、あそこの一門はサバは絶対食べない。 |
| 全体の記録時間数 | 3:37 |
| 物語の時間数 | 3:08 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |