ある所に畑仕事をしている農夫がいた。大変な働き者で、畑にトウジン(唐黍)を作っていた。高く伸びたそのトウジンにアカマターが登って盛んに天に昇ろうとしている。何度も試みるが失敗する。どうしてだろうかと考え周囲を見回すと、農夫がこの様子をじっと見ていた。アカマターは農夫に、「このことは誰にも言うなよ。言わなければ私は龍になって天に昇れる。天に昇ったら宝物を落として金持ちにしてやる」と言う。誰にも言わないことを約束して、アカマターは天に昇っていった。それからしばらくして、農夫の家の台所に龍糞が落ちてくるようになった。そしてその農夫は見る見る金持ちになっていった。金持ちになったら夫婦喧嘩が始まった。お互いに、自分の働きで金持ちになったと言い張る。しまいに夫が「龍のお陰だよ」と言ってわけを話すと、その龍はまた元のアカマターになって溝に落ちて死んでしまった。その後、夫婦はまた元のように貧乏になったそうだ。
レコード番号 | 47O230472 |
---|---|
CD番号 | 47O23C025 |
決定題名 | 龍になった蛇(方言) |
話者がつけた題名 | 千年蛇(方言) |
話者名 | 豊村幸徳 |
話者名かな | とよむらこうとく |
生年月日 | 19060805 |
性別 | 男 |
出身地 | 沖縄県粟国村字東 |
記録日 | 19770327 |
記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
元テープ番号 | 粟国T17B08 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 本格昔話 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | 粟国島の民話P209 |
キーワード | 農夫,唐黍,龍,昇天,龍糞,金持ち,貧乏, |
梗概(こうがい) | ある所に畑仕事をしている農夫がいた。大変な働き者で、畑にトウジン(唐黍)を作っていた。高く伸びたそのトウジンにアカマターが登って盛んに天に昇ろうとしている。何度も試みるが失敗する。どうしてだろうかと考え周囲を見回すと、農夫がこの様子をじっと見ていた。アカマターは農夫に、「このことは誰にも言うなよ。言わなければ私は龍になって天に昇れる。天に昇ったら宝物を落として金持ちにしてやる」と言う。誰にも言わないことを約束して、アカマターは天に昇っていった。それからしばらくして、農夫の家の台所に龍糞が落ちてくるようになった。そしてその農夫は見る見る金持ちになっていった。金持ちになったら夫婦喧嘩が始まった。お互いに、自分の働きで金持ちになったと言い張る。しまいに夫が「龍のお陰だよ」と言ってわけを話すと、その龍はまた元のアカマターになって溝に落ちて死んでしまった。その後、夫婦はまた元のように貧乏になったそうだ。 |
全体の記録時間数 | 4:01 |
物語の時間数 | 3:46 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |