テーラシカマクチという人はお墓に一週間、世間に一週間いた。ある母親が「一人っ子を亡くしたので、あなたたちの所に連れて行ってくれ」と頼んだ。「世間(現世)の人はお墓には入れない。生身の臭いがするし、門番がいるので入れないよ」といったが、「あなたの左の脇に挟んで連れて行ってくれ」と頼んだ。仕方がないので連れて行くと、門番が、「あなたは世間の人を連れてきただろう」といった。「一人っ子を亡くし、子がないのでどうしても我が子を見たいというので連れて来た」とわけを話すと、「あなたの子供を見分けることは出来ないよ」という。「いいえ、自分の子供は必ず見付けることが出来る」といい切り、体にすがりついて無理に連れて行ってもらった。お墓というのはとても遠い所であった。やっと辿り着くと子供たちが輪になって遊戯をしていた。一人ずつ、この子かと尋ねてみたが、母親は違うといって自分の子を見分けることが出来なかった。お墓の人が、「あなたの子供はもう世間の人ではないので諦めなさい」というと、母親は「もう少しだけいさせてください」とシカマクチに頼んだ。母親のところに来ると、舌を出して見せていたので、母親は「もう親子の縁を切る」といい、今後は訪ねてこないからといって、シカマクチが世間まで連れて行ったということである。
| レコード番号 | 47O230311 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C016 |
| 決定題名 | テーラシカマクチ(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 新城ウシ |
| 話者名かな | しんじょううし |
| 生年月日 | 19010609 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県粟国村字東 |
| 記録日 | 19760818 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 粟国T11A12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 後生往来,母親,息子 |
| 梗概(こうがい) | テーラシカマクチという人はお墓に一週間、世間に一週間いた。ある母親が「一人っ子を亡くしたので、あなたたちの所に連れて行ってくれ」と頼んだ。「世間(現世)の人はお墓には入れない。生身の臭いがするし、門番がいるので入れないよ」といったが、「あなたの左の脇に挟んで連れて行ってくれ」と頼んだ。仕方がないので連れて行くと、門番が、「あなたは世間の人を連れてきただろう」といった。「一人っ子を亡くし、子がないのでどうしても我が子を見たいというので連れて来た」とわけを話すと、「あなたの子供を見分けることは出来ないよ」という。「いいえ、自分の子供は必ず見付けることが出来る」といい切り、体にすがりついて無理に連れて行ってもらった。お墓というのはとても遠い所であった。やっと辿り着くと子供たちが輪になって遊戯をしていた。一人ずつ、この子かと尋ねてみたが、母親は違うといって自分の子を見分けることが出来なかった。お墓の人が、「あなたの子供はもう世間の人ではないので諦めなさい」というと、母親は「もう少しだけいさせてください」とシカマクチに頼んだ。母親のところに来ると、舌を出して見せていたので、母親は「もう親子の縁を切る」といい、今後は訪ねてこないからといって、シカマクチが世間まで連れて行ったということである。 |
| 全体の記録時間数 | 2:30 |
| 物語の時間数 | 2:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |