王様が三人の部下にいろいろな問題をきいた。最初に世の中で一番怖いものは何かときいた。すると一人の人は泥棒、二人目は火事、三人目は子供といったので、王様はどうして子供が怖いんだときいた。すると「この子が親孝行になったらいいが、世の中に出て悪い人にでもなり、世間に迷惑を掛けるようなことにでもなったら困る」といった。次は世の中で一番おいしいのは何かといった。一人目は毎日王様が食べているご馳走を食べたいといった。二人目ははっきりしなかった。三人目は塩といった。すると王様は怒った。「私をばかにしているのか。さっきは子供、今はおいしくもない塩が一番おいしいといって」と怒り、この男を島流しにした。この男は偉い人であったのだろう。何ヶ月も寒波が続いて塩を干すことが出来なくなった。城の食事にも塩がなくなり、味も薄くなったが王はまったく気がつかなかった。この男は流される前に塩が入っている俵を台所の天井に上げていた。ある日天井から汁が落ちてきてお汁を作っていた鍋の中に入った。食事を作っていた人たちはネズミのしっこと思った。今から作り変えるのも大変だからといい、みんなで内緒にしてその汁を王様に出した。王様はこの汁を飲んで味が変わっていると感じ、食事作りの人を呼んだ。その人たちは、さあ大変、きっとあのことがバレてしまったと思い、びっくりして訳を話した。そして命だけは助けて下さいと頼んだ。そんなことではない、味がついておいしいといった。天井の上に行ってみると塩があった。そのとき王様は自分が悪かった、世の中で一番おいしいのは塩といった、島流しをした男の罪を許した。男は帰って来ることになった。五月四日ハーリーの日であった。那覇港の近くに来たら豊年祭が行なわれていた。王様を見るとこの男は入水してしまった。王様はこの男を捜させた。いろいろ手を使って捜したが結局見つからなかった。そして人々は海に沈むのを見て泣いた。王様はあれは神様だからといい、落ちていたおもちゃを拾い、これを持ってみんなで慰めるようにしようといった。これがハーリーの始まりで、イリムヌー(おもちゃ)を買って持つのもこれが始まりである。
| レコード番号 | 47O230134 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C008 |
| 決定題名 | ハーリーの由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | ハーリー由来 子供怖い 塩が一番 |
| 話者名 | 安里武烝 |
| 話者名かな | あさとたけとし |
| 生年月日 | 19181111 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県粟国村浜 |
| 記録日 | 19760820 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 粟国T05B13 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 粟国島の民話P436 |
| キーワード | 塩が一番,島流し,ハーリー |
| 梗概(こうがい) | 王様が三人の部下にいろいろな問題をきいた。最初に世の中で一番怖いものは何かときいた。すると一人の人は泥棒、二人目は火事、三人目は子供といったので、王様はどうして子供が怖いんだときいた。すると「この子が親孝行になったらいいが、世の中に出て悪い人にでもなり、世間に迷惑を掛けるようなことにでもなったら困る」といった。次は世の中で一番おいしいのは何かといった。一人目は毎日王様が食べているご馳走を食べたいといった。二人目ははっきりしなかった。三人目は塩といった。すると王様は怒った。「私をばかにしているのか。さっきは子供、今はおいしくもない塩が一番おいしいといって」と怒り、この男を島流しにした。この男は偉い人であったのだろう。何ヶ月も寒波が続いて塩を干すことが出来なくなった。城の食事にも塩がなくなり、味も薄くなったが王はまったく気がつかなかった。この男は流される前に塩が入っている俵を台所の天井に上げていた。ある日天井から汁が落ちてきてお汁を作っていた鍋の中に入った。食事を作っていた人たちはネズミのしっこと思った。今から作り変えるのも大変だからといい、みんなで内緒にしてその汁を王様に出した。王様はこの汁を飲んで味が変わっていると感じ、食事作りの人を呼んだ。その人たちは、さあ大変、きっとあのことがバレてしまったと思い、びっくりして訳を話した。そして命だけは助けて下さいと頼んだ。そんなことではない、味がついておいしいといった。天井の上に行ってみると塩があった。そのとき王様は自分が悪かった、世の中で一番おいしいのは塩といった、島流しをした男の罪を許した。男は帰って来ることになった。五月四日ハーリーの日であった。那覇港の近くに来たら豊年祭が行なわれていた。王様を見るとこの男は入水してしまった。王様はこの男を捜させた。いろいろ手を使って捜したが結局見つからなかった。そして人々は海に沈むのを見て泣いた。王様はあれは神様だからといい、落ちていたおもちゃを拾い、これを持ってみんなで慰めるようにしようといった。これがハーリーの始まりで、イリムヌー(おもちゃ)を買って持つのもこれが始まりである。 |
| 全体の記録時間数 | 6:25 |
| 物語の時間数 | 6:19 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○前半ノイズが入っている |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |